自分の欠点なんて焦って分かろうとしなくていいよ

 こどもの頃、母からわたしの欠点について何度も聞かされて嫌だったことをふと思い出した。

 あんたはすぐいじけるから、なにへそ曲げてるの、そう言われることが多かった。


 褒められた記憶は薄れ、欠点だけが強烈に自分の特徴として焼き付いて、自分らしさとはつまり欠点であり、自分らしさを矯正することが美徳だとずっと思っていた。
 自分の根本的な部分を否定することでしか人から許されないと思っていた。


 そんなおかしな勘違いをするくらいなら、そんなこどもの頃から自分の欠点なんてわかろうとしなくて良かったのに。

 自分の短所なんてどうせ大人になってから嫌というほど見ることになるのだから、人から言われないと気づけないくらい幼い時は天衣無縫で過ごしていて良かったんじゃないか。

 そもそも短所と折り合いがつけられるようになるには人と関わりを持つ長い時間が必要で、多分その時間を過ごすうちに大人になってしまう。
 だから尚更、子供のうちなんて大人のふりして過ごさなくてもよかったのに。


 わたしは早熟なほうだったから、そして早熟とはいえまだ子供だったから、早く熟してしまう大人の部分とそれでも時間をかけないと成長できないこどもの部分がいびつに混在していていたんだろうな。

ここまで読んでくれたあなたがだいすき!