空が夏へと変わっていくのを眺めながら、ぶらぶらとあたりを歩く

 行きたかった場所までの電車がちょうど運転見合わせになっていたので、急遽目的地を変えた。
 近くにちょっとした(本当にちょっとした、伝統工芸品とかゆかりの人物の生家後とかある以外は割と普通の街の)観光地があるのを知ってたから、4時間くらい時間をつぶす。
 お寺を外から眺めたり、路線電車の線路に沿って歩いたり。観光協会で涼んだり、最後には飽きて駅前の本屋さんで立ち読みしたり。

 目的のクレープ屋さんが開店したので、りんごキャラメルカスタードを1つ買って、駅のホームで食べながら帰ってきた。


 こういう1日を意味のない時間と思う人もいるのだろうか。
 わたしにとっては意味のない時間だろうか。

 少し前までならムキになって意味なくないって怒ったと思うけど今はどうだろう。

 このクレープ屋に行くの4回目だし、もっと他のもの食べにいけばいいのに。
 せっかくの観光地なんだからもっと特産品とか調べて博物館とか見て回ればよかったのに。
 そもそも一人で行かないで彼氏とか作ればいいのに。
 そう考える人もいるのかな。



 そう考える人もいるであろうこと、そういう人の生きる世界も否定されるべきものではないこと、良い悪い・楽しいつまらないですべてをジャッジしようとしなくていい(と思えるようになった)こと、楽しいとつまらないの二択よりももっと複雑な思索の世界で遊ぶようになったこと、

そのすべてを嬉しく思う…というと無理矢理ハッピーエンドに近づけているような気がするので、それはそれとして認識している。

 クレープをかじりつつコンビニで買った麦茶を飲みながら。

ここまで読んでくれたあなたがだいすき!