カウンセラーさんと最後のあいさつ

 4月から住む場所も仕事も関わる人も変わってしまうので、半身が持っていかれるような喪失感を感じています。

 自分で決めたことなのに、一体なぜわたしはこんなことをしているのかと虚しい気持ちになります。

 いようとすればここにいることもできるのに、それを自分の意志で終わらせてまた新しい場所へ行くなんて、なんだかとんでもないことをしている気がする。
 それはまるで自分が食べる為に生き物を殺しているような。


 先週は最後のカウンセリングでした。

 2か所でカウンセリングを受けていたけれど、どちらの先生からも変わったと言われた。

 こうやって深い話をする場所がこれからもあるといいかもですねと言われて、確かにそうですねと答えたら、そう考えられるようになったのも変わったと思いますよと言われた。
 そうかもしれない。ここに来たばかりの時は人間関係をリセットしたくなる癖があったな。

 もう1か所の先生は、あなたはもう大丈夫なんじゃないかと思ってた、でも引越しするならやっぱりこれが最後になるんだね、と。
 最後に今後の人生のおみやげとして持っていけるようにといろんな話をしてくれた。
 この方はお話するなかでも精神医学に対する意欲を覗かせる方だったので、1年半あなたと話をして精神的な成長を見守れてよかったと言われて、わたし自身の成長が喜ばしいことと共に、わたし自身がこの人の仕事を構成する一部分になったのかなと思った。実験台にされたとかそういう気分ではなくて、なんだか嬉しかった。


 多分新しい場所に行ったら、それなりに自分のからだの形にすっぽりおさまる暮らし方や生き方を見つけて、なんだかんだで満足して生きているように思うのだけど、今のこの心のざわざわはそれとして存在している。

ここまで読んでくれたあなたがだいすき!