補聴器の福祉制度について

一定の聴力になると補聴器の支給が受けられます。
そのための手順や方法について記載します。

身体障がい者手帳の取得

まずは身体障がい者手帳(聴力)の取得を行います。
手帳には2級~6級までの等級があり、聴力レベルや語音明瞭度レベルによって何級になるか決まります。
これについては補聴器屋が決められるものではなく、耳鼻科医の先生が判定されます。
耳鼻科を受診し、先生に確認をして頂きましょう。
※該当する聴力や明瞭度レベルであれば、先生から手帳の説明をされることが多いとは思います※
該当することが判明した際は各市町村の福祉課へ提出するための書類を先生に記載して頂きます。記載して頂いた書類を持って各市町村の福祉課へ提出しましょう。手帳が発行されるまで約1~2か月かかります


補装具(補聴器)の支給申請


手帳が発行されたら、手帳と印鑑を持って地方自治体の福祉課へ行きましょう。福祉課の窓口で「補聴器の支給を受けたい」と伝えると必要な書類や手続きを案内されます。(この際にどこの補聴器店で支給を受けるか決めておきましょう。)必要書類を提出しましたら判定を待ちます。
判定の決定まで1~2か月かかりますが、判定が決定した際はご自宅へ「補装具費支給券」が届きます。(自治体によっては委任状も届きます)
補装具支給券(委任状)、印鑑、自己負担額が発生していればその代金も持って補聴器店へ行き、補装具を受け取ります。イヤーモールド(オーダーメイド耳栓)があれば耳型採取を行います。

手帳発行や補聴器の支給まで時間がかかる


とにかく補聴器を支給されるまでが長いです。
上に記載したように手帳の発行で1、2か月、補聴器の支給決定まで1、2か月かかります。
これに関して稀にお客様より

「なんとか早く発行(支給)されないか?」
「なんでこんなに時間がかかるんだ(怒)」

と我々補聴器屋に訴えてくるお客様がいらっしゃいますが、我々がお答えできることとしては

「知りません。福祉課に言ってください。」

です。
もちろん普段の業務でこのような口調で対応することはありませんが、これが本音です。補聴器屋としても早くしてもらいたいのです。
「お役所仕事」という言葉があるぐらいですから、時間がかかるのも仕方ないとは思いますので、急いでおられる方は早く申請することをお勧めします。

メリット

聴覚障害者手帳の発行や、補聴器の支給を受けることによるメリットについてお話します。

1つ目のメリットは当たり前ですが補聴器が支給されることです。世帯収入額によっては1割程度の負担が出ることはありますが、それでも5,000~8,000円程度で補聴器がもらえます。

2つ目のメリットは補聴器の支給が5年に1度受けられることです。これは故障していなくても、申請すれば新しい補聴器が支給されます。逆を言えば紛失した際は5年経過しないと支給が受けられないので、紛失にはお気をつけください。

3つ目のメリットは修理費用も出してもらえることです。補聴器本体の保証が切れた後、本来であれば修理代を支払う必要がありますが、この修理代も申請をすれば出してもらえます。


今回は補聴器の福祉制度について書きました。発行や支給までの期間は、各自治体によっても異なると思いますので、参考程度にされてください。
また地域によっては、等級の判定と補聴器の選定を1度にまとめて行うこともあるそうです。これも各地方自治体によって異なりますのでご確認ください。


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