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「大企業かベンチャーか」悩む学生さんを目の前にした人事のあなたへ

 こんにちは、HeaRで人事をしている田島彩名です。よくある「大企業か、ベンチャーか」の論争について、4月を前に目にすることが多くなってきました。

 今回は、「大企業にするか」「ベンチャーにするか」悩む学生さんを前にした時に、人事が考えなくてはいけないこと、伝えなくてはいけないことについて、CX(候補者体験)の目線から考えてみたいと思います。

1. してほしくないこと

 人事として学生さんと面談をする時、人事担当者はついつい自分の会社や働き方、業界をよく見せようとしてしまいがちです。

 それ自体は悪いことではありません。そもそも、求職者さんをアトラクとするために、会社や業界の魅力を伝えることも人事の仕事です。その一方で、自社の競合、また対極な働き方をしている会社を貶して自分の会社を持ち上げることは絶対にやめてほしいと思います。

 ベンチャー対大企業の構造はこの時によく起こります。

「ベンチャー企業なんて行先がわからないんだから、大企業の方が」
「大企業なんていったら歯車の一つ、自分で考えるベンチャーの方が」
「あの会社に比べてうちはここが良い」
「あの業界はこれから縮小していく。うちは違う」

 このような面接の方法は、一時的には学生さんに響くかもしれません。まだ社会に出たことのない学生さんは、会社の良し悪しを判断する基準が曖昧です。業界研究や様々な人と会っていても、経験としての判断基準を持っていない以上、目の前の人事のいうことの影響力は非常に大きいです。

 このような伝え方をすることは目の前の学生さんの選択肢や行先を狭めます。短期的には会社に入ってもらうことができるかもしれませんが、長期的にみて良い効果は絶対に生まれません。

 「この会社を選んで良かった」と心から学生さんに思ってもらうための要因は、他の会社や業界への不安感や不信感であってはいけないと思うのです。

 納得して会社に入ってもらうために、このような伝え方は絶対にやめましょう。

2. ポテンシャルの見抜き方

 学生さんの採用は基本的にポテンシャル採用です。一口にポテンシャル採用といっても大企業、ベンチャーそれぞれで意識すべきポイントは全く違います。

大企業で見るべきポテンシャル(一例)
・積極的かどうか
・協調性があるかどうか
・責任感があるかどうか
・役割への理解

 もちろん配属される部署や職種によって見るべきポテンシャルは異なりますが、一般的に必要となる項目はいくつかあります。

 大企業の場合は、配属されてからすぐにOJTなどの訓練期間があります。実地で行う作業などについては会社に入ってから覚えることができますが、本人の性質や行動特性についてはポテンシャル採用で見抜く必要があります。

 チームで動く時に協調性があるか、積極的に自分がやれることを探せるか、割り当てられた仕事を責任感を持ってこなせるかなどはSTAR面接によって判断可能です。

ベンチャーで見るべきポテンシャル(一例)
・自分なりの仕事(プロジェクト)の進め方があるか
・調整力があるか
・発案力があるかどうか

 一方、ベンチャーでの採用に関して私が見るべきとオススメしているのは最低限この三つです。ベンチャー企業の多くは社員が少なく、入社後のOJTなどが整っていない場合があります。その時に大切なのが、候補者さんが「とりあえず自分で動いてみることができるかどうか」です。

 そのために、自分のプロジェクトの進め方や調整力、発案する力や経験を聞いておくことができると安心です。


 さて、ここまで書いてきましたが、一番大切なことをお伝えします。

「マッチした会社に入ってもらうことが人事のつとめ」
「アンマッチなまま無理やり会社に入れても、会社も人も不幸になる」
「魅力を伝えるのは大事、でも他と比べる必要はない」

 学生さんの可能性や選択肢を否定しないこと、そして会社側で必要なポテンシャルをしっかり定義すること。この二つを大切に、採用面接をしていきましょう!

スタートアップでがんばっております。ぜひ翼をさずけてください。