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第14回 訪問リハビリテーションフォーラムに参加して面白かった部分/感想/嫌味など

2023年4月16日(日)に第14回 訪問リハビリテーションフォーラムが開催された。来年は介護保険、医療保険、障害福祉サービスの3つが改定となる「トリプル改定」の年となる。

そのため、注目度は高く、1,500名以上の参加があったそうだ。
また、ケアマネージャーも180名ほど参加があったらしい。

今年の夏に向けて、改定にまつわる議論がさらに活発になる。
医療・福祉分野は汗をダラダラ流しながら見守るだろう。

明日の飯がかかっている。
値上がり、値上がりのオンパレードに関連して大手企業は春闘でベースアップを宣言している。さぁ、2040年に200万人以上の人手不足が予想されている「医療・介護・福祉」の診療報酬を下げるんかいな?

いや、上がるは無い。これは期待できない。
新型コロナウィルスでこれだけ財政ダメージ、高齢化、少子化を抱える国だ。下がるのが あたりまえだのクラッカー。

わたしのなりわいとしている、この訪問リハビリ業界に特化したフォーラムはとても貴重。

そんなフォーラムに参加したので、個人的に「なるほどなぁ」「おもしろいなぁ」と感じた部分を書き殴っていく。

フォーラムの概要

実際に告知されたリーフレット

高齢化の総括

引用:総務省統計局 https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1291.html

− 高齢化の姿

一般的に「高齢化」とひとくくりに話される。
実は高齢化「率」が増加するだけで、高齢化「総数」は変わらない。
高齢化2025年(来年)をピークとして65歳以上の高齢者は一定人数になるのだ。
なら、医療・介護職の人手不足にならなくね?余らね?
なんて声が聞こえて来そうである。

− 介護は75歳以上で急激に必要となる

引用元:https://kaigokeiei.net/index.php?QBlog-20190527-1-

65歳以上で高齢者にまとめられるが、介護が必要になるのは75歳以上。
75歳を超えると、介護保険の認定率は30%を上回り、85歳以上で60%を超える。この75歳以上の年齢層が増加の一途になっているのだ。

しかも、人口1人当たりに給付費は70〜74歳で6.7万円なのに、90歳〜94歳だと126万円となる。2,000%増だ。激増だ!

個人的には「これじゃぁ生活期は人員不足になる」と素直に感じた。
年齢層が上がるにつれて、セルフケアは難しくなるからだ。
よく「訪問リハビリは終了を‥‥」というセラピストを見かける。
主語が大きすぎる。そんなひとまとめにしないでくれ。

「90歳超えてセルフケアできるんですか?」なんて聴きたい。
あなたが90歳になった時に30歳の若者から「自分のことは自分でしましょう」をすぐに飲み込めるのだろうか?「ウルセー!」ってならないか?

訪問リハビリの特徴

− 訪問リハビリは早期介入で効果絶大

引用元::https://info.shaho.co.jp/iryou/archives/201706/1832

注目されていたのは「退院直後」に訪問リハビリを利用した方が効果が上がる点だった。このデータは私の臨床経験と相違が少ない。退院直後に訪問リハビリを入った方がADLアップしやすいのだ。

このデータを反映し、2021年介護報酬改定で「医療からの訪問リハ」では退院直後3ヶ月までは最大120分/週 を 最大240分/週まで引き上げた。

この改定は素晴らしい。
でも!これが案外使えないのだ。

− 240分訪問リハ ”しにくい” 問題

引用:https://www.youtube.com/watch?v=l9asOFT_-Sw&t=78s

この240分の訪問リハを使うには「介護保険の認定3以上」が必須になる。
例を見ても、40分×6日で20,000単位を超えてしまうのだ。

要介護3の方でベッドも、車椅子も、デイサービスも、ヘルパーも使わず、訪問リハだけを使うなら、論理上は使える。実際はムリ。使えない。
制度ができたことは素晴らしいんだけどなぁ‥

− 訪問リハビリ保険種別の訓練内容

病院の疾患別リハビリテーションと介護保険におけるリハビリテーション「訓練内容の比較データ」にて

四肢・体幹のトレーニング「337:371」のアンケートデータを元に「介護保険では機能訓練が多くて、ADLアプローチが少ない」と説明されてた。

「ん?このデータでそんな事を言えるの?」という感じ。
いや、例示されたデータの数字ほとんど変わらんだろ。
「介護保険でADL練習してない」みたいな軽い発言をこのデータで、しないで欲しい。

− グループホームへの介入

グループホームについて、要介護度が増加している件について言及されていた。これは全くその通り。

現行制度ではグループホームへ訪問リハビリできるのは、
「難病別表7」「ガン末期」に限られている。
※入れない根拠はコチラから(引用:ビジケア)

相談・依頼をもらっても、訪問リハビリ出来る対象者が極めて少ないのだ。
そこを意識しておられるのは素晴らしい。どうか改定をお願いしたい。

特にSTの介入。要介護5が11.7%も居るのに対して、摂食・嚥下へのアプローチが「医療外来」しか使えない。要介護5といえば、いわゆる「寝たきり」の方々なのだ。

半田一登 前PT協会会長からのお言葉

半田一登 前会長より、注視していることを共有されていた。

・春闘のベアで軒並み給与アップ、物価上昇のさなか、来年のトリプル改定で医療職の報酬を引き下げるのか?
・下がった中で労働の人員は確保できるのか?

これは誰もが注目している点。
「ズバッ!」って言ってくださった。好きです。

まとめ 感想

全体を通して、制度の話が多かった印象がある。
予防理学療法や、栄養についての言及もあったが、こちらは改定してもさほど影響が無いように思われたため、割愛している。

今後の生活期運営としては、75歳以上の高齢者が増える中で、どうやって事業所が人員をキープできるのか?堅持する、と心に決めた。
ん?キープ増やさないといけないんじゃない?のという意見が飛んで来そうだが、まずはキープしないといけない。

人員を増やすのには痛みが伴う。
スタッフ間のコミュニケーション形態も変化せざるを得なくなるし、孤立するセラピストが出て来てしまう。
誰もが思っているだろう。うちの会社が大きくなれば良い!なんてね。

これは狭すぎる視点だと思ってる。もっと大きく。
「ただ1つの事業所が繁栄する」という視点ではなく、「地域が発展する」という視点を持てるか?にかかっているだろう。

管理・運営する人だって、循環器が強けりゃ、認知症に対するアプローチを得意とする人がいる。全ては担えない。
そんな事業所ごとに「強みを活かして地域を守る」
これが日本に求められる生活期の姿なのではないだろうか?

そのために何が必要か?
横の連携だろう。それができ、求められる業界へ発展することが、今後ますます求められるのではないかな?
なんて、戯言をいいながら、今回はお開きとします。


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