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転倒について 第11回 《環境要因からの観点》

図1

転倒の仕方として多いのは

①スリップ

②つまずき

③よろめき

ですが、

今回はこれらが生じる状況を考察していきます。

まずはスリップから

図2

根本的には、摩擦係数の低い床面を歩く際にスリップという現象が生じます。

例えば、

図5

浴室など、濡れた床面が環境としてはあります。

また、

図6

少しわかりにくいですが、写真の

フローリング床はワックスがけにて、ベタベタして非常に摩擦係数が高い(滑りにくい)です。

それに比べフロアマットは滑りやすく摩擦係数が低め(滑りやすい)です。

人間は摩擦係数が高い時と、低い時では歩き方の戦略が変わってしまいます。

極端に言いますが、

摩擦係数が低く滑りやすい床面だと

画像5

前足部から接地して、足趾の屈筋に力を入れ、滑らないように歩きます。



逆に摩擦係数が高く滑りにくい床面では

画像6

正常歩行通り、踵から接地して歩きます。


図7

摩擦係数が高い床面を歩いていて、急に摩擦係数の低い床面に移動した際、

踵から接地するため、そのまま滑ってスリップしてしまいます。


逆に摩擦係数の低い床面を前足部からの接地で歩いていて、急に摩擦係数の高い床面に移動した場合、つまずく原因になります。

図8

人間は床面の摩擦係数によって、無意識に歩き方を変えているので、急に摩擦係数の変化した床面に移動しても、急には対応できません。


図3

つまずきに関しては、


股関節屈筋と足関節底屈筋(push off)の筋力低下により足部のクリアランスがだせない場合など、内的要因(身体機能的な要因)も関わってきます。

まとめると

スリップとつまずきでの転倒を減らすには、摩擦係数が統一され、極端に摩擦係数が高すぎたり、低すぎない床面環境が大事だということです。



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