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全都道府県が緊急事態宣言の対象地域に

本日「基本的対処方針」が変更され、全都道府県が緊急事態措置の対象地域に指定されました。特に、東京都及び大阪府、北海道、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県は、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていく必要がある「特定警戒都道府県」と呼ばれることになりました。以下、主な変更点をまとめます。

特定警戒都道府県の設定

これまでの7都府県に加えて、北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府の6道府県が追加された13都道府県を特定警戒都道府県(←特措法の用語にはありません)と呼ぶことにしています。

その後、北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府では、4月14日までの累積報告数が100人以上となっており、かつ、茨城県、石川県及び岐阜県については直近1週間の倍化時間は10日未満、北海道、愛知県及び京都府については過去にあった流行の影響を除いた直近1週間の倍化時間が10日未満となっている。また、これらの道府県では感染経路の不明な症例の割合も、直近1週間ではほぼ半数となっている。このように、東京都及び大阪府、北海道、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県については、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていく必要がある(この13都道府県を総称して、以下「特定警戒都道府県」という。 (基本的対処方針 p.5)

特定警戒都道府県以外の県も含め全都道府県を指定

以上の特定警戒都道府県以外も全県が緊急事態措置の対象となっています。以下に理由が述べられています。大都市を抱える特定警戒都道府県以外でも、特に地方都市は医療提供体制が脆弱です。都市部からの人の移動によるクラスターの発生も見られています。さらなる国民の行動変容を、大型連休期間も含め全都道府県が足並みを揃えて行うべき、という観点で指定されています。

これら特定警戒都道府県以外の県についても、都市部からの人の移動等によりクラスターが都市部以外の地域でも発生し、感染拡大の傾向が見られる。そのような地域においては、医療提供体制が十分に整っていない場合も多く、感染が拡大すれば、医療が機能不全に陥る可能性が高い。緊急事態宣言が出された以後、多くの国民に行動変容の御協力をいただいているが、人流データ等を見ると、緊急事態措置を全国に拡大することにより、さらなる国民の行動変容の御協力をお願いする必要がある。具体的な感染者数の推移をみても、例えば3月の中旬から連休にかけて、警戒が一部緩んだことにより感染が拡大したと考えられる。国、地方公共団体、関係機関等を含めた国民が一丸となって、大型連休期間も含めまん延防止に取り組むべきこの時期において、全都道府県が足並みをそろえて感染拡大防止の取組が行われることが必要であることから、全ての都道府県について緊急事態措置を実施すべき区域とすることとする。 (基本的対処方針 p.5-6)

以下にも、大型連休期間における人の移動を最小化することを目的として指定することを明記しています。なお、特定警戒都道府県以外では、まん延の防止に関する対策のうち、施設の使用の制限、職場への出勤に関するテレワーク等の推進、国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な業務を行う事業者に対する業務の継続要請は、それぞれの地域の状況をみて知事がその実施を判断することとしています。

特定警戒都道府県以外の特定都道府県にあっては、感染者が少ない都道府県があるものの、全国的に感染拡大の傾向が見られることから、地域の流行を抑制し、特に、大型連休期間における人の移動を最小化することを目的として緊急事態宣言の対象とするものであることにかんがみ、上記③⑫⑬の措置については、感染拡大防止を主眼としつつ、地域の感染状況や経済社会に与える影響等を踏まえ、都道府県知事がその実施について、判断を行うものとする。(基本的対処方針 p.16)

改正のポイントは大型連休対策

大型連休期間も、が今回の改正の一つのポイントです。以下のように、大型連休期間は、都道府県を跨いだ不要不急の移動を自粛するよう、住民に協力を要請する、としています。観光施設等への人の集中にも注意を求めています。

⑩ 特定都道府県は、不要不急の帰省や旅行など、都道府県をまたいで人が移動することは、まん延防止の観点から極力避けるよう住民に促す。特に、大型連休期間においては、法第45条第1項の規定に基づき、都道府県をまたいだ不要不急の移動を自粛するよう、住民に協力を要請する。また、域内の観光施設等に人が集中するおそれがあるときは、当該施設に対して入場者の制限等、適切な対応を求める。政府は、必要に応じ、当該不要不急の移動の自粛に関し、法第20条の規定による総合調整を行う。

その他の変更点

クラスターに関係する催し物や「三密」のある集まりについての開催の自粛の要請は、法第24条第9項及び法第45条第2項に基づき行うことを明記しています。

② 特定都道府県は、クラスターが発生しているおそれがある場合における当該クラスターに関係する催物(イベント)や「三つの密」のある集まりについては、法第24条第9項及び法第45条第2項に基づき、開催の自粛の要請等を強く行う。

また、外出の自粛要請を行うにあたっては、外出の自粛の対象とならない外出の具体例として、生活の維持のために必要なもの等についても併せて示すこと、としています(以前は、具体例としては〜のようなものが考えられる、という記載でした)。

⑨ 特定都道府県は、①の法第45条第1項に基づく外出の自粛要請を行うにあたっては、基本的対処方針等諮問委員会の意見も踏まえ、期間、区域を示すものとする。その際、外出の自粛の対象とならない外出の具体例としては、医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、必要な職場への出勤、屋外での運動や散歩など生活の維持のために必要なもの等についても併せて示すものとする

連休後は・・・?

緊急事態宣言は5月6日までです。期間終期(5月6日)までの間に適切に評価を行う、としていますが、新型コロナは強敵です。入院期間が長くなるので、埋まった病床はすぐには空かず、当面は通常の医療を圧迫し続けます。社会の努力により患者の発生数は一時的に減少傾向を示すことが期待されます。しかし、対策を緩めるとすぐに患者数が増加し、またすぐに医療体制が限界を迎えてしまう可能性があるので、当面は、社会全体で十分に注意を払って行動していく必要があります。

国立感染症研究所感染症危機管理研究センター長。見解は所属組織を代表するものではありません。