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第3章④ 化学性診断(窒素、リン酸)

このnoteでは、土壌医検定の問いのテーマから内容整理や関連する内容をアウトプットしていきますのでご参考にしていただければと思います。

<注意点>
問題の選択肢や解答は掲載しません。
また、内容につきましても個人的なまとめのため、保証はできかねますので、ご了承ください。

今回の対象
第3章 作物生育と化学性診断

まだ、化学性診断は続きます!
もう一息です!


問13
窒素に関する記述の中で、正しいものはどれか。つふぃの中から一つ選びなさい。
問14
窒素施肥量と作物の品質に関する記述の中で、正しいものはどれか。次の中から一つ選びなさい。
問15
リン酸質肥料を施肥しても、作物がリン酸を利用しにくい土壌がある。次の中から正しいものを一つ選びなさい。

新版 土壌医検定試験既出問題集より

(1)窒素

窒素のイメージは空気中に多く存在(約8割)するぐらいで何の役に立ているかも分かっておらず、地味なイメージでした。

しかし、窒素は作物のタンパク質を作るのに必要で、作物の生育・終了・品質に最も影響する大切な要素です。

土壌中の窒素
・有機態窒素・・・土壌微生物によって分解され、無機態窒素に変化
・無機態窒素・・・作物によって直接利用される

作物に利用される無機態窒素の種類
・アンモニア態窒素・・・酸素の少ない灌水土壌の作物が好んで吸収
・硝酸態窒素・・・酸素の多い畑作物が好んで吸収

アンモニア態窒素
畑作物では、アンモニア窒素が多いと根の活性、光合成が低下し、生育が阻害されることが多い。

硝酸態窒素
土壌中の硝化菌の働きによってアンモニア態窒素から硝酸態窒素となる。
硝酸態窒素は通常、硝酸イオンがカルシウムと結合した硝酸塩で存在し、水があるとイオン化する。
硝酸イオンはマイナスイオンなので土壌に吸着されず、土壌のEC値が高まる。

新版 土づくりと作物生産より

陽イオンの交換(CEC)、土壌のEC値!前に出てきましたね!

窒素の施肥量について、少ないと作物の生育が悪く、収量が上がらない。
・なぜならば、作物のタンパク質を生成する重要な元素であるから
 
かといって窒素の施肥量が多いと悪影響がでる。
 ・水稲などの倒伏、玄米のタンパク質増加による食味値の低下
 ・ホウレンソウの総ビタミンC含有量の低下
 ・トマト、ナスでは、落蕾、落果、トマトの乱形果
 ・スイカのつるぼけ(蔓だけが伸びて実がつかない)

窒素の過剰施肥の改善
・窒素の施肥量を減らす
・クリーニンググロップを作付し、窒素を吸収させ収穫物を圃場外に出す
・ハウス栽培などは雨にあてたり、灌水除塩を行う

(2)リン酸

リン酸の役割
・呼吸で発生するエネルギーを伝達し、細胞内の生合成に重要
・新しい細胞、根の発達、分げつ必要
一般に作物の育成初期に多く必要

リン酸の特徴
・硝酸イオンと同様にマイナス荷電であり、土壌に吸着されることはほとんどない
・多くはカルシウム、アルミニウム、鉄と結合した形で存在
カルシウムと結合したリン酸は作物に利用されやすい
 ⇒水に溶けやすいため
黒ボク土はアルミニウムを多く含むため、リン酸が固定されやすい
 ⇒作物の吸収に利用されない
・土壌pHは5.5~6.5がリン酸利用効率が高い
 ⇒pHが低くなるとアルミニウムや鉄の溶出量が多くなり、リン酸が固定されやすい
 ⇒pHが高くなると石灰と結合し難溶性のリン酸化合物となる
・水田では灌水により還元状態となり、リン酸が有効化しやすい

新版 土づくりと作物生産より

主な農作物の有効態リン酸含有量の適正範囲

水稲  :10~20mg/100g
レタス :50~80mg/100g
キャベツ:20~60mg/100g
トマト :30~80mg/100g
タマネギ:60~80mg/100g
ダイコン:20~60mg/100g※100mgまでは施肥量によらず収量はほぼ一定
果樹  :10~50mg/100g

新版 土づくりと作物生産より

レタス、タマネギがリン酸の施肥効果が高いですね。
ダイコンはリン酸が少なくても生育に大きな差はないようです。
水稲は20mg/100gまでは収量は増加しますが、それ以上は増加は見られないようです。
⇒水田は灌水状態なのでリン酸が有効化しやすいからですかね。

おさらい

問13
窒素に関する記述の中で、正しいものはどれか。つふぃの中から一つ選びなさい。

畑(野菜)が吸収しやすい窒素、灌水土壌(水稲、レンコン)が吸水しやすい窒素を押さえておきましょう。
前者は硝酸態窒素、後者はアンモニア態窒素ですね。

問14
窒素施肥量と作物の品質に関する記述の中で、正しいものはどれか。次の中から一つ選びなさい。

窒素の施肥量について少ない場合は作物の生育が悪いということですが、
多い場合の悪影響を押さえておきましょう。

問15
リン酸質肥料を施肥しても、作物がリン酸を利用しにくい土壌がある。次の中から正しいものを一つ選びなさい。
黒ボク土ですね。
なぜか?も押さえておきましょう。
また、土壌の種類も振り返っておくと良いですね。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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