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希望

先月、職場のテスターという職種の方と臨時の1 on 1を行いました。

いや、実のところ、1 on 1にみせかけて、職場の派遣の高齢のテスター職の方のテスターチーム内の評価を確認する、、という事が主目的だったのですね。

てすたー?

はい、すいません。ご説明いたしますw 職場ではソフトウェアの開発をしているのですが、開発してある程度できあがったソフトウェアをちゃんと設計どおりに要求仕様どおりに動作するかどうかを検証するヒトタチをテスターと呼んでます。

はいテスターのみなさん、騙し討ちみたいなことしてごめんなさい。

しかし、当初の目的も達成できたのですが、副産物もできました。

わが職場のテスターチーム4名のうち2名は30代のアルバイト。そのうちお一人は、いわゆるリーマンショックで就職できず、、未だ非正規雇用から抜け出せないでいます。

お二人とも開発職(ざっくり言うとプログラマー)になりたい、という事が1 on 1でわかりました。非正規雇用では生活も厳しく自分に投資できる予算も限られており、かつ開発職として実績がない30代では、いわゆるポテンシャル採用という育成前提の採用枠を若い人材にとられてしまうのだそう。プログラマー職は、なりたいからといってなれるかどうかといいますと、ズバリ適性がないと一般的には厳しいです。

「適性も必要なので、なれるかどうかの保証はないけど、勉強会やってみる?」 

「やりたいです!」

今の職場で「開発職」として雇用されるには、それなりの実績等が求められ現状のお二人にこの関門を突破するのはとてもムリ。しかし業務時間外の時間を使って彼等を助けながら育成していけば、テスターとして彼等が参画しているプロジェクトで少しずつテスターやりながら開発よりの仕事ができるのではないか、そして履歴書にもきっちりその旨実績として記載できるのではないか、と考えたのですね。

という事で「勉強会やるよ!」の集まりの前に、開発職側に「テスターを業務時間外で育成して、もし使えそうなら開発チームに合流してもらおうと思うんだけどどう?」と意向を確認するためのミーティングを開きました。

開発側から3名ご参加いただきました。3名のうちお一人は、キンピカジムでトレーニングするのが趣味の、いかついおっさんで、以後度々登場するのでニックネームをつけておきましょう。ズバリ、 ロボ。

このおっさんは月イチでスキーに行く仲間のお一人なのですが、ヘルメットとゴーグルを装着すると、ワタシには

ロボコップ

にしか見えないのですね。そうした事から、本人を前にして堂々とロボ!と呼ばせていただいております。

という事でネット上でも堂々と? ロボ でいきたいと思います。

はい、話を元に戻しましょう。ロボ+その他2名wにミーティングの趣旨を説明したところ、、、、

ロボ:「それって、単に人道的理由ですよね?」

ロボ:「そういうの、インセンティブがあれば本気出してやるんだけどなぁ」

いや、ロボ以外の2名からもけちょんけちょんに言われましたw

「本当にできると思ってるんですか?」

「中途半端な人の仕事の尻ぬぐいはしたくない」


最初は拒否反応、、、、でも信用勝ち取ったら、態度が変わる

こうした例は何度もみてきているので、ワタクシも少し粘ってみます。

が、やはり実績がない人は信用できないの一点張りで、テスターの方には申し訳ないが、ワタクシがかけもちしているもう1つのプロジェクトに引き取ろうかと考えはじめた時、ふと横をみると

ロボが目に涙をいっぱい貯めて画面をみつめている

事に気づきました。

おい、ここは泣くとこぢゃなくって、どうしたらいいか考えるところだw

と突っ込みを入れたくなりましたね。

が、彼も40代で、就職氷河期で辛酸をなめた世代に属しています。

わが身に照らし合わせて、考えを改めたようにワタクシには見えました。

その週末、職場の仲間でスキー・スノーボードに行きました。

帰りの車内で、ロボは人が変わったように勉強会について、暑苦しく、、、ぢゃなかった熱く語っていました。

翌週、「勉強会をどうするかベンキョーする会」という実に投げやりなタイトルのミーティングで、ロボ君、とーーーーても熱くテスターたちに語りけて、

ロボさん、重いですw

と突っ込まれてました。

ともあれこの取り組みはスタートしました。

自らの責任でないにもかかわらず、経済的に大変な思いをし、

結婚できる経済状態でないから恋愛もしない

こうした強烈なビハインドをもっていても、社会的には放置されている。

希望をもてないでいる。

こうした状態を抜け出し、自分の人生は自分で切り拓いていける、という事を彼等には伝えたいと思います。

少なくとも彼等には希望をもっていただけたと感じています。

生きていく上で希望は大切な事だと思います。



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