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マネーフォワードで働くグローバルメンバーに、日本企業で働くポイントについて聞いてみた

こんにちは!マネーフォワードCTO室秋山です。

CTO室は、組織横断的な技術的課題の解決であったり、マネーフォワードが提供する複数(ときには全て)のサービスで使われる基盤となるサービスを開発することをミッションに持つ部署です。そんなCTO室には現在21名のメンバーが在籍しており、その半分にあたる11名がグローバルメンバーです。

今回、社内でもグローバルメンバー比率が高いCTO室から、台湾とベトナム出身のエンジニア数人に、日本企業で働く海外エンジニアがマネーフォワードでどのように働いているか、日本企業で働くときのポイントなどをヒアリングして、まとめてみました!

登場人物紹介

シャオさん:2020年2月に入社したCTO室メンバー。台湾出身。プロダクトから共通基盤サービスを適用する仕事に携わっている。最近ハマっているのは、給付金で買ったカメラで撮った写真をインスタグラムに投稿すること。
ラムくん:2019年11月に入社したCTO室メンバー。ベトナム出身。プロダクトから共通基盤サービスを適用する仕事に携わっている。趣味はサッカー。先日の横浜F・マリノス戦ももちろん観戦。
秋山:グローバルメンバーの成長を見守るCTO室長。この記事の発案者。最近ニンニク入りラーメンを食べた結果、二日間の家庭内隔離の憂き目にあう。

台湾メンバーはドラマやアニメからの影響が絶大

シャオ:私は大学から日本語を勉強し始めて、「日本で長く暮らし、いろいろ体験したい」とずっと考えていました。そして大学院の時、交換留学生として、大阪で素晴らしい一年を過ごしました。そこで留学だけでなく日本で働きたいと思い、就職活動に参加し、マネーフォワードの20年新卒として入社しました。今回の記事で、自分の経験をシェアすることにより、日本で働く(または働きたい)海外エンジニアの参考になれば嬉しいです。

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さっそく、社内の台湾メンバーへのヒアリングまとめをご紹介します!

1. なぜ日本で働きたいと思いましたか?きっかけはなんですか?
・大学から日本語を勉強し始めて、日本旅行と留学の経験もありますし、日本語を活用できないと悔しいと思います。
・ずっと台湾にいたいとは思わないです。他の国でやれることが増えそうだし、台湾で得られない経験を重ねることができます。
・若いうちに海外で働きたいです(実はライブ・コンサートのため?!)
・漫画とアニメがきっかけで日本語を勉強し始めて、日本で働きたくなりました。
・ユニクロのクリエイティブディレクター・佐藤可士和に憧れていますので、日本で働きたくなりました。
2. 職場の人間関係は台湾と違いますか?
・外国人として優しくしてくれるのではなく、お互いの個性が合うという理由で仲良しになりたいです。
・やっぱりお互いの背景や文化などを詳しくわからないので、遠慮することはもちろんあります。
・初めて出会った方は、苗字に「さん」を付けると聞きます。それだと距離感を縮めるのはちょっと難しそうです。(台湾では一般的に英語名で呼びます)
・「敬語」というシステムが存在している時点で、人と人の距離・関係性を意識的に分けようとしている気がします。
3. 来日前、日本の職場に対する印象はどうでしたか?実際に入社したら、来日前の印象と変わったことはありますか?

<来日前の印象>
・スーツを着るべきだと思っていました。(台湾ではスーツを着る機会がほぼないので、毎日スーツを着て仕事するのは体が縛られる感覚でした)
・飲み会、残業ばかりのイメージでした。ドラマの中で、職場以外、居酒屋で食事するというシーンがたくさんあり、飲み会に対する印象がめちゃ強いです。
・上司の指示が絶対。謙譲語と尊敬語ちゃんと使わないと怒られる。また、自分の意見を出せないイメージです。海外でもめちゃくちゃ人気があるドラマ「半沢直樹」の影響で、上司の指示が絶対という観念が強く心に根付いています(笑)。
・空気読むという文化があります。本音と建前があって、それを知らないと、失礼なことになるんじゃないかな。

<印象が変わったこと>

・私服が着られました。
・コミュニケーションしやすかったです。
・まだ敬語をうまく使えなくても「です」「ます」を使えば大丈夫です。
・思ったより優しい人が多いです。
4. 日本で働いてみて、慣れないこと、困難なことはありますか?
・日本語では言いたいことがうまく伝わりません。
・打ち合わせの時、相手の意味を勘違いしました。
・質問をする際に、詳しく深く聞けません。
・「今度一緒にご飯を食べようか、カレンダーに入れますね」→ 主語が誰か判断できません。
・日本語の軽微なニュアンスの違いがわからないです。

台湾人の日本の職場に対する印象は、「半沢直樹」「獣になれない私たち」など、ほぼドラマやアニメからです。でも、さすがにこれは少し大げさだと思っています(笑)。

私も働き始めてから、日本に対する印象が変わったところがあります。例えばマネーフォワードでは、仕事の内容によって違うかもしれませんが、ほぼ私服で働いてます。そして、年齢、経歴を問わず、いいアイデアがあれば採用されるし、チームでフラットにディスカッションもできます。

また、ヒアリングの結果、言語がやっぱり一番難しいということが分かりました。マネーフォワードでは、メンター制度やVPoEとの面談だけでなく、独自の日本語1on1制度である「TERAKOYA」など、グローバルメンバーに対するサポートもしっかりしています。特に「TERAKOYA」は、仕事中に日本語が話せる時間が少ないエンジニアにとって、日本語で会話できる機会を設けてくれて、本当に助かります。日本語の能力が向上するだけでなく、他部署のメンバーとの交流にもなります。

最後に、日本で働きたいと思っている海外の方には、私の実体験から、いくつかお伝えしたいことがあります!まず、日本企業と台湾企業は、採用の時に重視するポイントが違うと感じました。台湾企業の「即戦力になるか」に対して、日本企業は「人柄が社風と合うか」を重視しているように思いました。そのため日本で就活する時は、自分の考え方やパーソナリティと合う会社を探すのが良さそうです。その上で、以下の5つのポイントを準備しておいた方が良いと思います。

<日本で働く前に考えたいポイント>
・日本で働きたい理由は真剣に考えた方がいいです。単純にテレビやアニメを見て日本の生活に憧れるのではなく、海外で仕事をすることで、自分に対して何を得られるのか、一度考えて欲しいです。
・やっぱり一番大事なのは日本語です。職場でのコミュニケーションは基本的に日本語なので、日本語能力を高めるのはとても重要です。

<面接時のポイント>
・面接では、大学で一番苦労したことや困難だったこと、それをどうやって解決したか、そこから学んだことなどをよく聞かれます。
・自分の研究と大学でやったことについて、明らかに述べられます。
・大学で学んだことは会社に貢献できるのか、どんなサービスに活用できるのか答えられます。

ベトナムメンバーの日本で働くさまざまなメリット

ラム:ベトナムメンバーへのヒアリング結果については、私からお話しします。私は学生時代から海外で働くことを夢見ていました。別の国で暮らし、まったく新しい文化に触れ、さまざまな経験を積めるのは、素晴らしいことであり、誰もが人生で試してみるべきだと思っています。

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ベトナムメンバーにも日本とベトナムの働き方の違いなどをヒアリングしましたので、ご紹介します!

1. なぜ日本で働きたいと思いましたか?きっかけはなんですか?
・海外の職場環境にチャレンジしたかったから。
・日本の給料がベトナムより高かったから。
・インターネットで日本が好きになったので日本に行きたかった。(桜、富士山、アニメ…)
・日本人の働き方を感心して、学びたいと思ったから。
・日本語を勉強したかったことと、ベトナムで開発者として日本語が上手になった人の方がいろんなメリットがあると思ったから。
2. 職場の人間関係はベトナムと違いますか?
・礼儀がそこまで重視されていないベトナム人にとっては最初来日するとちょっと厳しく感じますが、すごく時間が立つとすぐに慣れることが出来ます。
・マネ―フォワードのような若い会社は、礼儀正しさのプレッシャーが少ないです。
・日本人と話すと、思ったより仲良くになるのは簡単でした。
・外国人ですが、ほとんど差別を感じたことはありません。
・日本には飲み会がたくさんあり、皆さんと楽しめて距離を感じません。
3. 来日前、日本の職場に対する印象はどうでしたか?実際に入社したら、来日前の印象と変わったことはありますか?
・来日前は、日本での仕事は厳しいと思っていたのですが、日本で仕事を始めたらとても働きやすかったです。
・思ったより交通が便利、医者が熱心でした。
・学生の頃はアニメが大好きだったので、想像ではアニメイベントにも参加したり、漫画家に会ったりしたかったのですが、現実は1、2回しか行きませんでした。
・学生時代は日本にあまり期待していなかったので、がっかりしませんでした。
・日本語は学校と現実では大きく異なります。
4. 日本で働いてみて、慣れないこと、困難なことはありますか?
・性格的には、ベトナム人と日本人はとても話しやすいので、ほとんど問題ありません。
・仕事的には、日本の働き方でわからないことがあればいつも他の人にサポートしてもらっています。
・生活的には、人によって違うので、慣れるための時間が異なります。すぐに慣れる人も、1年後に慣れる人もいます。

働く国はいろいろ選べるのですが、勉強の面でも仕事の面でも、一番いい選択肢のひとつは日本ではないでしょうか。日本で7年間働いている私の先輩は、「日本は先進国なのでとても住みやすい」と言っていました。

日本で働くメリットについて、いくつか考えてみました。一つ目は、社会インフラがとても良いことです。非常に便利な交通システムがあり、日本ではGoogle Mapだけでどこにでも行くことができます。公園や木もたくさんあり、道路もとてもきれいでゴミもほとんど落ちていませんし、新鮮な空気が吸えます(笑)。社会福祉も手続きが簡単で、充実しています。また、最近はスマホとネットだけで何でもでき、とても便利です。

二つ目は、文化が素晴らしいことです。多様で伝統のある歴史を持つ国を調べたいなら、日本はぴったりです。日本は非常に多様な文化を持つ国であり、さらにこの国特有の文化がたくさんあります。日本にくれば、ここでしか味わえない文化を楽しむことができます!茶道、剣道、相撲観戦、花見、着物…さらに日本の歴史を学ぶのも面白いです。さらに、渋谷や新宿のような世界で一番にぎやかな場所があるかと思えば、富士山のような雄大な山、緑の草原、沖縄のような澄んだ海、歴史のある寺院、静かな田舎も…日本は綺麗な景色がたくさんあります。マネーフォワードに入社してからは、いろんな飲み会に参加したり、同僚と一緒に花見に行ったり、日本食を食べたり、日本式の挨拶をしたり…毎日が楽しいです(笑)。

三つ目は、日本人の性格の良さです。幼い頃から、日本は資源が少なく、自然災害が多い国とよくテレビで目にしていました。それなのに日本が世界で3番目の経済大国である理由は、「人」だと思います。私は一緒に仕事をする同僚を見て、すぐにそう気づきました。私と同じベトナム出身のメンバーも、「日本人はいつも注意深いし、一生懸命仕事をしてすごい」と言っています。さらに、外国人に対する差別がなく、「TERAKOYA」などの会社からのサポート制度だけでなく、いつも社内のメンバーから助けてもらっています。また、社内には優秀なエンジニアがたくさんいて、学べる環境もあります。

最後のメリットを忘れていました、一般的にベトナムより給料が高いことも魅力です(笑)。

現在、ベトナムだけでなくアジアの他の国々からも、多くの若者が日本を働く場所に選んでいます。あなたも日本で働いてみることをおすすめします!

グローバルメンバーの「ファーム」のような役割を担うCTO室

こうしてみると、日本の印象というか、入り口としてテレビやアニメの存在はやはり大きいですね。「半沢直樹」などは、日本人が見る時はある程度誇張されたものという前提で見ますけど、それが日本の第一印象だとするとなかなか衝撃的な気がします(笑)。実際に日本で働いてみて、印象は良い方に変わっていたようで安心しました。

シャオさんラムくん二人の話にもありましたが、マネーフォワードでは主にグローバル新卒メンバー向けに日本語学習をサポートする「TERAKOYA」という制度を実施しています。一部のチームでは英語で業務を回していたりもするのですが、まだまだ日本語でのコミュニケーションが大半を占めていて、そのコミュニケーション能力は重要です。日本語に関しては非ネイティブではあるものの、高い技術力を持ったグローバルメンバーの立ち上がりをサポートする「TERAKOYA」は重要な取り組みだと感じています。

CTO室は業務的なコンテキストが比較的少ない仕事が多く、グローバルメンバーが活躍しやすい部署です。グローバルメンバーが技術を武器に活躍しつつ、日本語や他部署とのコミュニケーションに徐々に慣れたあと、プロダクトチームに移籍する(もちろんCTO室で活躍し続けることもあります!)、CTO室はそんな「ファーム」のような役割も担っていたりします。今後も様々な国からグローバルメンバーがJOINしてくれる予定です。

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そして、グローバル環境の豊かなマネーフォワードで働くことに興味を持っていただけた方は、是非お話をさせてください!ご連絡をお待ちしております。

(撮影時のみマスクを外して取材を行いました)

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