嫌な事こそ発信すべき理由
もう9月も中旬を過ぎたというのに
日中はうだるような暑さが続いている。
もしかすると暑いまま年末まで
突入するのではないかと疑い始めた
そんな先日の通勤時のこと。
私が電車の座席に座っていると
隣にとある男性が立った。
ちょうど本を読んでいるところだったので
ソフトモヒカンのオジサンが立ったということぐらいは
認識していたのだが、
近づいてきた時から妙な音が
聞こえていたのである。
一体何事かと思い本から顔を上げると
私の横に立ったソフトモヒカンオジサンは
空調服を着ていたのである。
私はこれまで空調服を着たことがないので
それを着ることでどれほど涼しいのかは
実感したことはない。
しかし、朝からこれだけ暑いのであれば
空調服を着たくなる気持ちはわからなくもない。
そう思い本に顔を戻すと
私の顔に何かが当たるのを急に感じた。
一体何かと思いながら再び顔を上げると
驚いたことにオジサンが着る空調服の排気が
私の顔の位置に出ていたのである。
別に気にしない人は何とも思わないであろう。
しかし、私はこの空気がソフトモヒカンオジサンの
体を抜けてやってきたと思うと
何とも言えず嫌な気がしたのだ。
実は過去に同じような経験を電車の中で
私は経験したことがある。
その時は手持ち電動ファンを使うオジサンが
汗をブルブルかきながら座席で体に風を送っており、
その風が袖のスキマから抜けて
私の顔に向かっていたのである。
別に涼むことは何ら悪くないし、
オジサンとしては一刻も早く汗を止めたいと
思っていたのであろう。
だが、今回の空調服オジサンも然り、
その排気がどのような影響を与えるのかを
想像する意識はあっていい気がするのだ。
こうして文章に書いて客観的に見てみると
私自身も「そんなこと気にしなくていいのでは?」と
思わなくもない。
しかし、実際にオジサンが発するあの
生暖かい空気を顔に当てられて
気持ちがいいものではなかった。
これは私が過剰なだけなのだろうか。
そう思い調べてみると案外電車の中で
他人の体温に触れるのが苦手という人は
多いようであるし、
中にはそのような人は”感覚過敏”の可能性が
あると書かれている記事もあった。
人が座った後の座席にすぐに座ると
その人の体温を感じることがあるが、
それが私は以前から苦手であった。
そして、これまでそれが苦手だということを
誰にも言うことなく生きてきた。
しかし、私と同じように座席の体温を
苦手と感じる人は沢山いることが
今回調べてみて分かったのだ。
何事も”〇〇過敏”や”○○障害”のような言葉で
カテゴライズすることは
あまり好きではないのだが、
少なくとも自分だけではないと知ることで
気が楽になることもあるものである。
今回ソフトモヒカンオジサンの出す風で
私は何とも言えない不快感を持ったが、
それがキッカケで自分の持つ特性が
自分だけのものではないことを知ることができた。
そして、これもこうして記事を書いて振り返り、
調べたからこそ得られたことである。
自分が不快に感じたことを記事にするのは
一見ネガティブなことであるが、
実はそれをしてみることで得られるものは多い。
これからも不快だと思ったことに遭遇した際には
記事に書いてみようと思うので
ぜひお付き合い頂けると嬉しい。