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かがなべて神聖な【九】。

今は九月だし、
今回のね、漢字を調べてみるシリーズの
「リッシンベン調査団」では、
【九】の字について調べてみたい。

漢数字については、以前、
【七】の漢字を調べてみたのですが。たとえば、
【一】や【二】や【三】や【十】ってゆうのは、
どことなく、わかりやすいような気がすれども、
その以外では、一見シンプルに見えるとしても、
どうしてこの形になったか、という由来とかは、
ぜんぜんわからない。
それは、【九】の形も同様で、
つまり、たった二画の線で、
もう「9」としか思えないんだもん。

そして、今回も、
いつものごとく、白川静先生の
『常用字解(第二版)』を紐とくと、、

【九】 キュウ(キウ)・ク/ここのつ・ここの
象形。身を折り曲げている竜の形。竜に虫(き/昆虫のむしではない)の形と九の形とがあり、九は竜の頭が岐(わか)れている形で、おそらく雌(めす)の竜であろう。雄(おす)の竜の虫(き)と組み合わせた形が禹(う/中国の洪水を治めたとされる神の名)である。数の「ここのつ」の意味に用いるのは、その音を借りる仮借(かしゃ)の用法である。国語の「ここのつ」は、かがなべて(指折り数えて)数の尽きるところという意味である。中国では九は神聖な数とされ、九歌・九章はみな神を祀(まつ)る歌の名である。九に神聖という意味があったのであろうと思われる。

なんだか、いろいろ、
情報が多かった。

まずは、【九】とは、
「竜」が身を折り曲げている形。とのことで。
そして、「竜」には、【虫】の形
【虹】のときにも出ていたなあ。)と、
【九】の形があり、この【九】とは、
竜の頭が岐れている
(「岐」が「わかれる」と読むのも知らなかった。)形で、
おそらく、メスの竜である。
オスの竜の【虫】と、
メスの【九】を組み合わせた形が、
洪水を治めたとされる中国の神様の【禹】である。

日本語の「ここのつ」とは、かがなべて、
数の尽きるところ、の意味である。
という、白川先生のご説明での
「指折り数えて」の意味の
「かがなべて」という語句も知らなかったなあ。
「かがなべて」について『広辞苑第七版』によれば、
「(一説に、「日々並べて」の意という)日数を重ねて。」
とありました。

中国では、
「九歌」や「九章」というのは
神を祀る歌の名であり、
【九】は神聖な数とされる。

あぁー、なんだか、【九】とは、
壮大なドラマの漢字だったんだなあ〜。

そんな、【九】月を、
過ごしている。

令和3年9月13日


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