乃の心を敬明にせよ。
先月の13日は、
【必】という漢字についてブログ書きまして。
そのなかでね、
「【必】という漢字はさ、
画数は少ないけど、形はふくざつだ。
「心」に一本、はらいが入っている、
ってゆうのは、関連があるのかどうか。」
って、書いたんだけれども。
それはでも、ある意味、冗談で。
【必】と【心】って、
コンピュータのフォントで見ると似てるけど。
じっさいには、書き順が全然ちがうから、
漢字としては関係ない。
そうだとしてもね、
これを知ったときに、この似方って、
なんだかおもしろいなあと思ったので、
ブログで書いたんだった。
そうこうしながら、そういえば、
【必】だけでなくて、
この【心】という漢字ってえのも、
不思議な形だよなあ。と感じまして。
また、【心】が入っている漢字とゆうのも、
いろいろあるよなあ。とも想って。
この1か月はさ、そんな、
【心】が入っている漢字を探していたの。
まずは、いつものごとし、
【心】の漢字を、白川静先生の
『常用字解(第二版)』で調べてみると、、、
【心】 シン/こころ
心臓の形。古くは心臓が生命の根源であるとともに、思考する場所であると考えられていた。甲骨文字には心の字はない。甲骨文字の文の字形は、正面から見た人の形の胸の部分に文身(ぶんしん/一時的に描く入れ墨)の模様をかいているが、それが心臓の形である。心臓の意味から、金文には「乃(なんぢ)の心を敬明にせよ」のように、すでに心を「こころ」、徳性の本づくところという意味に用いている。国語の「こころ」は「凝(こ)り固まるところ」の意味である。
‥‥とのことでして。
【心】とは、
「心臓」の形を表している。
かつて、「心臓」は「生命の根源」であり、
「思考する場所」と考えられていた。
甲骨文字の時代には、【心】の形はなかった。
甲骨文字では、、
「人」の形をした【文】という漢字の、
胸の部分に「文身」が描かれていて、
それが、「心臓」の形だった。
時が経ち、金文の時代では、
「乃の心を敬明にせよ」ということばから、
【心】は「こころ」の意味になっていたことがわかり、
また、「徳性の本づくところ」という意味で用いられた。
「乃の心を敬明にせよ」
「徳性の本づくところ」
という、このふたつのことばは、
なんだかむつかしいです。
「こころ」とは、意味として
「凝り固まるところ」というのは、
初めて聴きましたが。
どことなく雰囲気的に、
わかるような、わからないような。。。
そして、いろいろ、
【心】が入っている漢字も探してみまして。
たとえば、このうえの文章中ではさ、
【思う】【想う】【感じる】【聴く】【徳性】【意味】
の漢字に【心】が入っているし。
そしてまた、たとえば、
【愛】と【恋】という漢字にも入っているし。
「こころを込める」のか?「したごころ」なのか?
このほか、一文字系の漢字では、
【息】【恵】【志】【急】【芯】【窓】
【念】【慶】【悠】【恩】【総】【恥】
などなど。
「秘密」という熟語の「秘」&「密」という漢字には、
どちらも、【心】ではなくって、
【必】のほうだったわ。
熟語系では、
【丁寧】【懸命】【配慮】【状態】【誌面】【哀愁】
【困憊】【憑依】【怨念】【憤懣】【悶々】【憲法】
などなど。
どれも、これも、よくも、わるくも、
「こころ」がつよく関連している感じがするー。
その他の漢字でもね、
【憂う】【悲しむ】【慰める】【癒える】【優しい】
【忘れる】【怠る】【愚か】【悪い】【忌まわしい】
【怒る】【隠れる】【認める】【応じる】【惹かれる】
というような。
ある漢字では、白川静先生のおっしゃる
「こころ」とは「凝り固まるところ」の意味である。
というのもどこかわかるような気もするー。
そんなこんなで、
【心】が入っている漢字って、
探せば、けっこういろいろあるんだねえ。
丁寧に、懸命にやっていたら、
困憊な状態になってきて、憤懣を感じたから、
一息つくため、窓をあけると、
急にひとがとおって恥ずかしかった。
だから、隠れた。
令和2年6月13日
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