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【必】は、「かならず」へ。

前回noteでは、【密】という漢字について、
白川静先生の『常用字解』でしらべながら
ブログ書いたですが。この【密】の説明には、
「必は兵器の戈(ほこ)や鉞(まさかり)の頭部を
 柄(え)に装着する部分の形である」
と記されてあって。

よくよく思えばこの【密】の中にも入っている
【必】という漢字はさ、
画数は少ないけど、形はふくざつだ。
「心」に一本、はらいが入っている、
ってゆうのは、関連があるのかどうか。

そう思ったら、どういう漢字なのか?!
って思ったので、またもや、
『常用字解(第二版)』を紐解くと、、

【必】 ヒツ/かならず
兵器の戈(ほこ)・矛(ほこ)や鉞(まさかり)の頭部を柄(え)に装着する部分の形。必は柲(ひつ/え)のもとの字である。必を「かならず」の意味に使用するようになって、別に柲の字が作られた。「かならず」の意味に用いるのは、その音を借りる仮借(かしゃ)の用法である。金文では「弋(かなら)ず」のように弋(よく)を用いるが、それが柲の部分のもとの形である。(後略)

‥‥とのことでして。

ここで書かれている【柲】は、
機種依存の漢字やもしれませんので、
申しますと、「木偏」に「必」の字です。
【必】は、ほこやまさかりの頭部を柄に装着する部分、
というのは【密】の説明でも書かれていたですが。
これを、「かならず」と読むようになってから、
「木偏」に「必」の【柲】がつくられた。

そして、「かならず」と読むようになったのは、
その音を借りる仮借の用法である。
という、この「仮借」ということばは、
ぼくは、今回、はじめて知りました。

「その音を借りる」とゆうのが、
いまいち、よくわからなかったので、
『広辞苑(第七版)』で見てみますと、、

か-しゃ【仮借】 六書(りくしょ)の一つ。ある概念や事柄を表す漢字がない場合、本来の意味と違う同音の他の漢字を借りて当てたもの。食物を盛る器の「豆(とう)」を「まめ」の意に用いる類。かしゃく。

ここでの「六書」とは、しらべると、
「漢字を分類する六つの原則」とのことなのですが。
この六書のうちの「仮借」は、
本来の意味と違う同音の他の漢字を借りて当てたもの。
たとえば『広辞苑』では、ほんらいは、
食物を盛る器である「豆」を、「まめ」の意味とする。
そして、『常用字解』では、
ほこの部分である「必」を、「かならず」の意味とする。
みたいなこと。

まだちょっとよくはわかりにくいんですが。
日本の漢字の歴史的に見て、
「この日本語を、どの漢字にするのか?」
っていう場面があったとして。そのとき、
別の漢字を借りて当てはめたのでしょう。
そのことを「仮借」と呼ぶ。的な???

いつごろそういう出来事があったか、は、
わからないけれども。
そうやって日本語ができていったと思うと、
なんだかエキサイティングに感じるなあ。
そういう出来事があったから、
今の日本語の漢字があるんだなあ。と。

【必ず】と聞くと、必ず、
KANさんの『愛は勝つ』を思い出す。

心配、ない。

令和2年5月14日


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