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飛び越えたその度ごとに。

Mr.Childrenの最新アルバム『miss you』のリリースより
もうすぐ三か月が経とうとしているけれども、
ぼくはまだ、このアルバムがね、
どういう作品なのか? って、
あんまりよくわかっていない。

現在開催中の最新アルバムをひっさげての
ホールツアーはチケット取れず訪れられなかったので、
アルバムの真の雰囲気みたいなこともわからないままだし、
また、アルバム発売日のころには
聴きたい音楽がたくさんリリースされたので、この
『miss you』もなかなかヘビロテでは聴けなくって、
すこしずつすこしずつ聴きながら、
このごろになってようやく、アルバムの音楽が
この身体に馴染んで来た感もあって。
最初に聴いたときにも、これは
すごいアルバムだ! って思ったけれど、
今はね、もっと、なんだか
このアルバムがすきだなあ〜。

とは言ってみても、たとえば、
この『miss you』というアルバムがさ、
Mr.Children史上最高傑作の作品なのか?!
って問われたとしても、ぼくは、
なんというかよくわからないな。

これはぼくの想像なのですが、
おそらく、このアルバムより
Mr.Childrenの音楽を聴き始める、
というよりも、これまで、ずっと
Mr.Childrenを聴いてきた人たちへと向けられた
作品のようにも感じられる。
つまり、たとえば、現在41歳のぼくは
中学生のころよりMr.Childrenが憧れで、
そしてその後、10代、20代、30代、と、
Mr.Childrenを聴き続けてきた。
そんなぼくらに届けられた作品のよう、と申しますか。

このごろのMr.Childrenの作品で申しあげますと、
平成30年、アルバム『重力と呼吸』がリリースされて、
令和2年、アルバム『SOUNDTRACKS』のリリース、そして
令和4年、二枚のベストアルバム
『Mr.Children 2011-2015』及び
『Mr.Children 2015-2021 & NOW』では
『永遠』と『生きろ』という新曲が収録され、また、この年には
デビュー30周年アニバーサリーのツアーのタイトルとして
さらなる50周年へと向けた入り口という意味の
『半世紀へのエントランス』の開催を経て、
このたびのアルバム『miss you』がリリースなされた、
というご活動の流れだとはぞんじますが。

とくにはさ、令和2年リリースの
『SOUNDTRACKS』という作品は
「彼岸性」が表現されているとされるけれども、
つまり、なんだか、やっぱり
彼岸的な物悲しさを感じられるアルバムで。
たとえば、「Mr.Children」が
いわゆる「大人」に成ったかのごとく、
とも言われているとも思うのですが。
だからこそ、その後のアルバム(つまり『miss you』)が
どのような作品になるのか、って、
想像できがたかったと申しますか。

それでNEWアルバムがリリースされて聴いてみれば
『SOUNDTRACKS』の次のアルバム作品として、
もうこれしか無いとも思える、というか。
つまり、Mr.Childrenの音楽って
アルバムごとのその都度で、
次の先のフェーズへと進んでゆく、
みたいなふうにも感じているのですが。
アルバム『miss you』とは、やはり
新しい地点へと進み始めたように思われて、
やっぱり、すごい! ってぞんじるけれども。

でも、それさえもね、
アルバムの1曲目として収録されている
『I MISS YOU』の中では、、

淀んだ川があったって
飛び越えた その度ごとに
でも その意味さえ
わからなくなるね

I MISS YOU/Mr.Children

‥‥というふうに歌われているもんだから、
いわば、これまで、どんどん
飛び越えて来られてきたようなその「道」すらも、
自己否定するかのごとく、そんな音楽からは
厳しさと強さを感じられて、その感じが
ちょっと、聴いていると
じんわり泣けてきそうにもなっちゃうけれど。
それさえもね、おそらく、これからへの
優しい希望のようにも思えるから。
ぼくはまだまだ聴き始めたばかりの
この『miss you』というアルバムを、
繰り返し聴き続けてゆけたい。。。

迷って 試して 信じて 疑って
庇って 叱って 祈って 歯向かって

令和5年12月20日

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