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毎朝のルーティーンと人々の繋がり。

映画『PERFECT DAYS』を観てから、
「ルーティーン」について考えているの。

映画の主人公である役所広司さん演じられる平山さんは、
朝、目覚めたらこれをする、というような
ルーティーンが定まっていて、日々、
朝、起きたらそのルーティーンを行う。
でも、なぜ平山さんは、そんな
ルーティーンの行動を取られているのか?
って考えてみても、ぼくには、その
理由もわからないし、もしかすると
理由なんてのは無いやもしらないか。

元メジャーリーガーのイチローさんは、
現役時代、バッターボックスへと立つときには
毎回、同じ動きを行う、且つ
毎回、同じ練習メニューを行う、
もしくは、日々の生活の中でも
毎日、決まったものを食べる、などなど、
ルーティーンが定まっていたとぞんじますが。
この解釈といたしまして、
日々、決まった行動を取ることによって
今日及び今回のじぶん自身のコンディションを確かめる、
というような批評を聞いたことがあるのですが。
つまり、日々、決まったメニューを行うことで
じぶん自身の身体の状態における
微細な違いを感じ取ることができる。

とは言えども、
『PERFECT DAYS』での平山さんは、
イチローさんのごとくルーティーンを
こなしているとも思われないのですが、
でも、なんだか、平山さんにとって
いちばんちょうど良い過ごし方のひとつとして、
朝のルーティーンがあるのやもしらないな。

映画『PERFECT DAYS』における
朝の光景として印象的だったのはね、
毎朝、老人が落ち葉を掃くほうきの音だなあ〜。
このほうきの音によって、
平山さんが目覚める、と言っても過言で無い。
このほうきの音が、だんだん、
ぼくとしてはちょっと奇妙にも感じられてきて、
つまり、なんとゆうか、その音が
「タイムループもの」の一日の始まりのようにも思えて、
また、同じ日が始まってしまうのか?!
って、不思議な感覚を思ったのよね。
でも、もちろん、平山さんは
タイムループなぞしておらなくって、
同じようにも見えるけれども、でも
まったく違う一日が今日も始まってゆく。

いわば、いちばんのルーティーンとは、
落ち葉を掃く老人の生活なのではないか?
とも思うことができるかなあ。
おそらく、老人はこれまでもずっと
毎朝、この場所で落ち葉をほうきで掃いていた。

『PERFECT DAYS』とは、役所さんの演じられる
「平山さん」が主人公の映画なのだけれども、
たとえば、日々、ルーティーンのごとく落ち葉を掃かれる
「老人」もまた、
どのようにして、朝、目覚めてから
どのようにして過ごされるか? という光景も、
別の視点としての物語にもなるような気がいたしました。

毎朝、老人がほうきで掃く「音」によって
平山さんが目覚める、というような、いわゆる
じぶん自身の「ルーティーン」によって、
誰かへと影響を与えているみたいな、そんな
人々の繋がりがなんだか良いなあと感じます。

令和6年1月14日

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