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スラムダンクと海。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』は、
海がとっても重要だなあと感じました。
つまりはさ、まずは物語の主役である
湘北高校のメンバーたちが暮らす湘南の海、
そして、映画の主人公である湘北高校の
宮城リョータが幼少のころを過ごした沖縄の海。
この二つの海の光景が、
深く関連しながら映画の物語が進んでゆく。

映画における根幹的なネタバレで申しあげますと、、



バスケットのインターハイにて、
湘北対山王工業の試合が終わり、その後、
山王の沢北は宣言通りアメリカのチームに入り、
その試合がこれから始まろうとするシーンでは、
相手チームの中に宮城がいた。つまり、
湘北の宮城もアメリカでプレイするようになった。
このことはね、やっぱり、最初
『THE FIRST SLAM DUNK』を観たときかなり衝撃で、
また、SNSでの感想でも賛否両論だったけれど、
ぼくとしては納得もできるなあ、とも思ったんだった。

とある旧高校の教室の黒板に描かれた
『スラムダンク、あれから10日後-』のストーリーでは、
三年生の赤木と木暮が引退した後
チームのキャプテンとなった宮城は、
リーダーシップに関する書籍を読みながら
【よーし 鬼キャプテンでいくか‥‥!!】
と決意をしたけど、映画『THE FIRST SLAM DUNK』では
それがいつの時なのかは描かれてなかったけれど、
宮城はアメリカへ行った。
もしかしたらそのときというのは、原作漫画で沢北が
【夏が終わったら オレはアメリカだ】
と言われていたように、その年の
インターハイの試合の直後なのやもしらない。

たとえば、沢北が
アメリカへと行くとして、映画の中で
沢北と同学年として強く意識をしていた宮城が、
このことを知り、ふと、
湘北のチームのキャプテンのことよりも、
自身がアメリカへ行くことを考え、
そう思ったら誰の意見も聞かずに行動する、
というのは宮城の性格的にありえることだとも思えるし。
そしてまた、ぼくがいちばん納得できるのは、
宮城リョータの兄・ソータのことです。

ソータは、リョータが幼少のころ
海難事故で亡くなる。
このときリョータは一緒に釣りにゆきたいと思いながらも、
船に乗せてくれず、陸から離れてゆくソータに対して
「もう帰って来んな!」と告げてしまい、
結局、それが最期となってしまう。

このことから解釈できるのは、リョータにとって
海の向こうに兄・ソータがいる、ということが
心の中でインプットされている。だから、つまり
山王の沢北がアメリカへ行ったことが引き金となって、
そして、自身の兄の存在を追うかのようにして
リョータもアメリカへ、つまりはさ、
海の向こうの「海外」へと行くことになった。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』のラストシーン、
リョータと彼の母・カオルが話す場所も
海の浜辺だし、かつ、
原作漫画でのラストシーンの場所も
海の浜辺だった。
そう考えてみれば「海」というのは、
スラムダンクという作品にとって、
とても大事な場所だなあ、とも思うのよね。

令和5年8月31日

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