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「じゅしんでんわ」にまつわるストーリー。

ロールプレイングゲーム『MOTHER2 ギーグの逆襲』では、
ネス(主人公)は、とある場面で
「じゅしんでんわ」というアイテムを手にいれる。
「じゅしんでんわ」とは、
「じゅしんでんわ」と呼ばれるぐらいだから
携帯電話ではあるけど、発信はできず、
受信しかできない。

受信しかできない「じゅしんでんわ」は、
ときに、ストーリー的に重要な電話が
かかってくることもあるし、また、公衆電話から
デリバリーのピザを注文した場合、
運送屋さんにグッズの運送を頼んでいる場合、
そして、「どうぐやのかんばん」を使って
ネスたちが道具屋になる場合(←なにそれ?)において、
ストーリー上、ネスたちが特殊な地域に居て
ピザ屋さん、運送屋さん、道具屋のお客さんが
どうしてもネスの元へたどりつけなかったときには、
「じゅしんでんわ」に電話がかかってきて、その
たどりつけない旨を告げられる。

このような場合においても、
ネスの持っている携帯電話は受信しかできない
「じゅしんでんわ」なのだから、その場で
ネスのほうから電話をかけることはできない。
電話をかけられるのは、世界の各地にある
公衆電話及び黒電話だけなのだ。
つまりはさ、
「じゅしんでんわ」が、もしも
「じゅしんでんわ」ではなくて、
電話をかけられる携帯電話だったとすれば、
ゲームのストーリーも変わってきてしまうんだろうなあ。

それは、でも、ゲーム『MOTHER2』の
ストーリーだけでもなくって、
ドラマでも、マンガでも、映画でも、小説でも、
携帯電話が登場するか否か、つまり、
携帯電話が登場する以前か以後かの時代によって、
物語は大きく変化するんだろうなあ。

たとえば、村上春樹さんの長編小説作品『1Q84』では
近未来小説ならぬ、1984年という年をめぐる
近過去小説と言われているけれども。
その時代には、携帯電話は一般的ではないので
連絡を取るには固定電話及び公衆電話のみで、
(物語にはポケペルが登場していたと思うけど、
現実の1984年にはポケベルはまだ無かったらしい。
つまり、『1Q84』の主人公・青豆が紛れ込んでしまった
「1Q84年」という時代はやはり、実際の1984年とは
どこか違っている、ということだろうか?)
スマホも、メールも、ネットも、SNSも、そもそも
LINEは小説刊行の2009年で登場していないし、
なので、そんな時代だからこその連絡手段によって
物語がなかなか進まないのを垣間見ることができる。

ちなみにね、総務省ホームページ
「携帯電話の登場・普及とコミュニケーションの変化」によれば、
1979年、民間用の自動車電話のサービスが開始され、
1985年には自動車の外でも通話できる
ショルダー型の端末「ショルダーホン」が登場する。
そしてさらにちなみに、
「ポケットベル」の源流となる
無線呼出サービスは1968年に開始されたが、当初は
呼び出し信号の送信によって着信音を鳴らすだけだったのが、
1987年、端末の画面に数字を表示できる機能が追加された。
まさかの、携帯電話よりもポケベルのほうが
あとの年だったのか!

スマートフォンの「iPhone」は、Wikipediaによれば
2007年、初代機種がアメリカで発売された。
日本及びその他世界22地域では、
2008年「iPhone 3G」が発売、それから15年が経った
2023年現在、どのくらいの人数かは存じないですが、
世界中の多くの人々がスマートフォンを使っているのでしょう。

それはでも、たとえば
人々の生活だけでなく、
人間関係や仕事、もしくは、
戦争の方法さえをも変化させてしまったのだろうか。
もしも、1600年、
「関ヶ原の戦い」の時代にスマホがあったら、
その戦況もいろいろ変化していたやもしらない。

そんなスマホの時代に、
ぼくらは暮らしている。

そんな時代のなかでも、
「きろく(休憩)」をとりたければ
パパに電話したいし、
ホームシックになってしまったら
ママに電話したい。。。

まあ ネスちゃん。
どうしたのかしら
そんな さみしそうなこえで。
うちが こいしくなったのかな?
‥‥ま そんなひも あるわよね。
ママの セクシーでステキな
こえを きいて
げんきになりなさい。
‥‥なった?
なったわね。
じゃ アイロンをかけてる
とちゅうだから。
バーイ♪

ガチャン ツーツーツー

ネスは
ホームシックを こくふくした。

『MOTHER2 ギーグの逆襲』より。

令和5年10月17日

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