EQの勉強 その1

EQ/ダニエル・ゴールマンを読んだノート

1995年9月発売であり、私はこの存在を2022年になるまで知らなかった。ニュースやインターネットで情報を取り入れることも多かったが、全く知らなかった。

「EQとは、知能テストで測定されるIQとは質の異なる頭の良さ」


ここ数年だけを思い返しても、何が人をそんな酷い行動をさせてしまったのかと理解が追いつかないニュースがある。
こういう類のものは、人の感情が制御できなかったことに起因しているとされている。

「9歳の男子生徒が大暴れし、学校の机やプリンターにペンキをぶちまけ、駐車場に止めてあった自動車をめちゃくちゃに壊したとか、
海外の若者同士が不注意でぶつかったことから、乱闘が始まり、そのうち1人が拳銃を発砲したため、負傷者が出たとか。
ある報告によれば、幼い子供達が父母や継父母による殺人事件の犠牲となったケースの半分近くで、親は「子供にしつけをしようとしただけだ」と言う。子の折檻の理由は、子供がテレビの邪魔をした、泣いた、オムツを汚した、と言う程度の「落ち度」だった。」

「こうしたニュースは、人々が感じているが言葉にすることが少ない不安 つまり自分自身の感情や周囲の人々の感情がコントロール不能になりかけているという不安を、増幅した形で反映しているに過ぎないという。
私たちは誰1人として、感情の噴出がもたらす大波と無関係に生きることができない。」


こうしたニュースの直後に、感情が制御できなかったことについての科学的な解明策について語られることは、ほとんと見かけないように思う。

その背景にあるものは、そもそも感情の動きが科学的に未解明であったり、心理学の中でも放置されてきたことであるという。情動に言及するものがあってもそれはアドバイスの域を出ず、科学的な裏付けは皆無に近かったということらしい。

「しかしながら、技術発達により脳科学の研究が飛躍的に進歩し、
人間が考えたり感じたり、想像したり、夢を見たりしているときに、脳の複雑な神経細胞がどう機能しているか目で見られるようになった。脳の原始的な部分をどうすれば、うまくコントロールできるかが明らかになってきた。」

「今の時代は、純粋に理性的なもの、つまりIQとして測定できる知能の価値や重要性ばかり強調されているが、結局のところ感情が人間を支配しているときには、理性など手も足も出ない。」


例えば、不運にも家族が事故にあってしまい、子供を助けるために、自分の命を親が犠牲にするとか。
この根源の感情は、種を継承するという本能とも言えるし、親の立場からすれば愛情以外の何物でもない。

「感情は、本質的には行動を起こそうとする衝動であり、進化の過程で、私たちの脳に刻みつけられた反射的な行動指針である。」

「原始時代のように、ヒトが厳しい環境にさらされていた頃には、情動反応が有用だったのかもしれない。
一気に爆発する怒りの有無が生死を分けたかもしれないけれども、現代社会のような13歳の子供が拳銃を持ち歩くような時代においては、爆発的な怒りはとんでもない結果を招く。

だから感情と行動を切り離して、感情に支配されない行動が必要ということ。

続く

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