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「花束みたいな恋をした」(2021)

今年2本目の映画の感想を書きたいなと思います!もしかしたらネタバレになってしまうところもあるかもしれませんのでご了承ください🙇‍♂️

 まず、この映画の序盤の恋愛の発展の仕方が共通の趣味、考え方、価値観がどハマりして仲良くなるのですが趣味の中身なども含めてドンピシャで理想の恋愛でした(自分は本をほとんど読んだりしないのですが笑)。今自分が大学生ということもあり好きな物を共有でき、素でいて相性が良いようなそんな関係がとても感情移入(というか共感と言った方が良いのでしょうか)しやすかったです。

 映画の後半になるにつれ、社会に出て現実を見る麦くんと社会に出ても自分の感覚を大事にする絹の間で価値観のずれが出てくるのですが別れ話をするファミレスのシーンが僕の中で印象に残ったところでした。昔の自分たちを投影したような若いカップルにより、自分たちが変わってしまったことに気づかせてしまうなんとも切ないシーンで僕の脳の感情を司る部分はバールのようなもので殴られたような感情になりました。(少し強引すぎました笑)

この映画では軸としてAwesome City Club、漫画のゴールデンカムイ、今村優子さんの小説などが出てきます。これらを通して2人の価値観が少しずつ変化しているのが見られるのがとても好きな表現でした。余談なんですけど、映画を見終えたあと本屋に走り今村優子さんの小説を買い、映画の半券を挟ませてもらいました。

 僕は大学に入ってから共通の趣味による人の繋がりの大切さを知ったのですが、この映画ではこの先にある儚さも知れました。僕はこの映画を物語の中で例えると付き合い初めのころの価値観で見ていたのですが、社会に出始める頃にまた見たらどのように思うのかな。そんなことを"電車に揺られながら"考えて感想を書かせて頂きました。

~色々レビューを読んで~

"好きな映画や小説の方向性がほぼ同じな2人は、若干マニアックな分、誰とでもこの感覚を共有できるわけじゃない。だからこそ、同時に終電を逃がしたり、信号が押しボタン式だったりと言うような嬉しい偶然に助けられた2人の距離感は、一気に縮まっていく。それを微妙な台詞の間や絶妙なタイミングで挿入される双方のモノローグを駆使しつつ描く恋のプロセスは、ちょっと恥ずかしい表現ながら、思い当たる"あるある"が随所に詰まっていて思わず引き込まれる。恋愛ドラマによくある熱情の吐露や劇的な展開は皆無だが、丹念に救いとられた薄い和紙を一枚一枚重ねていくような演出と脚本と、演じる俳優たちの魅力で普遍性を手に入れているのだ。恋の始まりは幸福と希望に満ち溢れ、反対にその終わりは、沈没して行く船を手繰り寄せるような虚しさに満ちている。"

理想としてはこんな文章を書けるようになってみたいですね。あとこのレビュー読んでモノローグという言葉を習得しました。書こうか迷ったけど、表現が長ったらしくなると思い感想には入れなかったのですがこのモノローグで2人の感覚の合致が分かるところが良かったです。

僕は今までに見た映画の本数が多くないのでよくある恋愛映画かどうかはわからないのですが、結構好きでしたね。最後に綺麗に書かれた文章を見つけたので使わせていただきます。ここまで読んでいただきありがとうございました。

"大好きな人と共有した時間を『花』とするなら、その思い出たちは『花束』で、過ごす時間が増えるにつれ、少しずつ花は枯れて、振り返ると『良い思い出』として美化された恋として心に残ってる。"

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