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書籍紹介:やまのおみやげ 原田泰治

信州出身の画家、原田泰治氏の絵本です。田舎の風景を描いた作品、というと茶色とか、くすんだ色合いをイメージしてしまいますが、原田氏の手にかかると「ふるさと」「田舎」といったフレーズが一気に色鮮やかに、かわいらしく彩られていきます。


そういえば夜、高速バスに乗ってくると、我家に近づくにつれ、稜線を境に山々が実に黒々としているのです。吸い込まれそうな山の黒。

普段住んでいるからあまり感じないこと。日々の生活の中でたまにふと思い出して、自分が今どこか遠くから初めてここへやってきた旅人の気分になってみたりします。

そうすると、茶色っぽい、くすんだイメージでみていた田舎の風景の中に、はっとするほど鮮やかな光景や建物があったりします。

「ストレンジャー」の気持ちで心のシャッターを切ってみると、自分の住んでいる田舎も、この絵本のように見えるかもしれない。そんなことを思わせてくれる一冊でした。

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