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秋華賞の考察~ソダシについて~

純白の桜の女王ソダシ、そう書くだけでまぶしい。これまでの白毛馬の概念を覆した存在、これだけでソダシが現れた意義は大きい。突然変異であらわれたシラユキヒメとその一族には特有の難しさがあった。気性の危うさが能力を妨げていた。美しさに秘める危うさは、それはそれで魅惑的でもあったりするが、ソダシはそういった危うさを競馬で見せない。ゲートを嫌がるところなど端々には感じられるが、競馬で自身の能力をきっちり示す。ここにゴールドシップを担当した今浪厩務員と須貝調教師の手腕が光る。

さて、ソダシの特徴を示すレースについて考える。まずは札幌2歳S。個人的にはソダシのレースでもっともインパクトがあり、端的にソダシの適性をあらわした競馬だと考える。舞台は札幌芝1800m。そのレースラップは

12.3-11.0-11.7-12.1-12.1-12.1-11.9-12.0-13.0

まずこのレースが2歳夏であること。その時点でこのラップを先行、4コーナー先頭から押し切ったこと。ここにソダシの恐ろしさがある。先行争いがあった序盤と直線部分の最後の200mを除くと、すべて11秒台後半から12秒台前半。緩みは一切ない。安田記念でお目にかかるような「妥協なき流れ」だ。コーナーを4つ回る競馬で、これだけ一定のラップを踏むのは、尋常ではない持続力の持ち主。さすがに2歳だったので、最後は止まり、ユーバーレーベンに迫られたものの、それをしのいだ。まるで父クロフネのNHKマイルC。4ハロン型を越えた、究極のスピード持続性がソダシの武器だ。

ゲートも上手で、いつも先行できて、かつ止まらない。秋華賞の中心にいるソダシはそんな馬。ではライバルはどうするのか。少なくとも逃げ・先行型はソダシの近くでは競馬しない。緩い流れに持ち込もうものなら、ソダシは早めに自力でつぶしにくる。札幌記念を勝ったことで内回り2000mの予行演習は済んでいる。恐々と乗ったオークスとはまるで違う競馬になるだろう。逃げ馬が飛ばし、縦長に持ち込むよりなく、秋華賞は締まった流れになる。どこからでも動けるソダシがどこから動くのか。競馬は4ハロン型か3ハロン型になるかはそこにかかっている。相手関係を読んで競馬に向かえる令和のマーク屋・吉田隼人騎手、瞬発力勝負には持ち込ませない。

そうなれば、秋華賞でソダシと共存できるのは4ハロン型競馬に強いタイプ。昨日の考察からファインルージュ、アールドヴィーヴル。そして持久戦だったオークス好走のユーバーレーベン、アカイトリノムスメだろう。前者は札幌2歳Sの流れを強引にまくって2着、評価しないわけにはいかない。後者はクイーンCが優秀で、序盤400m通過後からゴールまで11秒台を6ハロンも刻んだ。思えば母アパパネは瞬発力より持続型。グルグル回る競馬に対応できれば、対抗できる。

週末の天候が微妙だが、開幕週を見るかぎり、阪神の馬場は連続開催に備えて強固。多少の雨なら問題なさそう。ソダシからこの4点で勝負したい。

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