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ゲーム「神なる君と」感想

 昔から心惹かれていた本作品。女子高生がいきなり神になってしまう恋愛シミュレーションのようだ。類似作品である「神様はじめました」や「かみちゅ」が大好きだった私としてはやらざるを得まい。
ましてや、それがつい先日遊んだ「夏空モノローグ」と同じライターだと言うなら絶対楽しいに決まってる!
そうして高すぎるハードルを上げに上げまくって挑んだのだったが……。

 最初に結論を言ってしまうと、シナリオは面白いんだけど、期待していた要素がほぼなかったので期待はずれだったという感じでした。どうやら期待を上げすぎてしまった気がします。ウーン!

ジャンル:“恋”と“願い”のAVG
プレイ時間:約35時間
媒体:PSP

■ プレイできるのはPSPのみ

 そもそもこのゲームをプレイできるのはPSPのみ。
移植を熱望する声は多くても移植されていません。今はPS5やNintendo Swichの時代なのに今更ながらPSP。これだから昔のハードを手放せないんだよなぁ!
もし今からやりたい人がいるとしたら、PSPも持ってない場合は中古で購入するしかありません。なんという無情さ。
夏空のモノローグはiOS移植あったのに……。

 そして私のPSPは異音がする、くたびれPSP。
1つのボイス付き台詞を読み込むたびにキュルル…ギュルギュル!と元気よく鳴く声を無視しながら恋愛シミュレーションをやる羽目になりました。


■ あらすじ

公式サイトから引用します。

「――約束の時が来た。君との約束を。
そして……千年の約束を今、ここに果たそう」

どこにでもある田舎町の小さな神社。
静かな境内で、そんな声が聞こえた。

一迅の風が吹き、
意識を失ってしまった彼女が再び目を覚ますと、
彼女は“神様”と呼ばれる存在になっていた。

神社に祀られる神様となった彼女。

優しく。温かく。
そして切ない、神の少女の恋物語。

――いざ、開かれん。

神なる君と「ストーリー」

 これだけだと神の不可思議な要素盛りだくさんだと期待してしまうのですが(私は期待してしまった)、実際はそうではありません。
女子高生がいきなり期間限定で神様業を押し付けられ、神として人の願いを叶え(ただし神の御業は無し。ほぼ人力)、その中で攻略対象との恋を育む物語です。



■ ゲームシステム

構成が特殊

 通常の恋愛シミュレーションはこんな感じです。

  • 共通ルート
    選択肢によってルート確定

  • 個別ルート

本作ではこんな感じ。

  • 共通ルート

    • サブキャラシナリオ1

    • イベントシナリオ1

    • サブキャラシナリオ2…以下4まで繰り返し
      これらの選択肢によってルート確定

  • 個別ルート

 サブキャラシナリオの充実っぷりよ!これが大好きです。
このサブキャラシナリオは4種類存在し、1種類x4話分存在するので4回繰り返さないと全部見れないという訳ですね。ボリューミー!

 ただし、サブキャラシナリオはボリュームがあるので合間合間にイベントシナリオがあることによって失速してしまうのが残念。
サブキャラシナリオで何か悩んでたり、会わなかったりするキャラが、イベントシナリオで気軽に挨拶してくるとかが、ちょっと、ねえ!
もうちょっとフラグ管理もしてくれないかなぁ!


願い絵馬システム

公式から引用します。

物語の最中、主人公が神の修行と称し、人々の願いを叶えるというミニイベントを選択するシステムです。

神なる君と「システム」

 夏空のモノローグでも結構近いものがあったので馴染み深いやつです。これが上記の「イベントシナリオ」ってやつ。
夏空のモノローグでは「ループ研究報告(LRC)」でしたが、ランダムで面倒くさかったんです。でも本作ではランダムではなく選択制。全12種類だというのが分かりやすく、願いをちゃんと叶えられたものはクリアマークも付く。進化したな~という印象です。
 ただ、願いを叶えるためにお守りを持っておくと便利だよ、3種類ある内の1つしか持っていけないよ、と言われるのですが、正直どういう基準なのかよくわかりません。ありがとう攻略サイト。


■ おまけが豪華すぎる

 1エンディングをクリアするとおまけが解放されます。
よくあるのはスチル一覧やイベントシーン一覧などですが、今作ではスチル一覧はありますが、特殊なのが背景一覧と語録、それぞれにボイスコメントが入っているんです。
背景の1枚ずつにボイスコメントがあり、収録されている語録の1つ1つにボイスコメントがある。全部にボイスコメント!凄まじいおまけです。


■ 神の力は基本的に使わない(使えない)

 がっかりポイントの1つ、神の力は使わない(使えない)。
神として人の願いを叶えるということが主軸ですが、解決方法は基本的に人力です。神の力を与えられて役に立ったのは、神や妖を見ることができたことくらい。
隠しルートをやると神になった意味がわかりますが、そこ以外では神の力を得たからこその出来事がないので、無理にこの設定にしなくていいんじゃないかな~って気がしてしまう。


■ 神話について深堀りされることはない

 これが今作最大のがっかりポイント。
今作では日本神話に由来する名前がそこそこ出てきます。
主人公の名前は「神木咲耶」。コノハナサクヤヒメ。
サブキャラが運営してる店の名前が「すさのお」。スサノオノミコト。
サブシナリオに一瞬だけ出てくるクシナダ。クシナダヒメですね。スサノオの妻です。
名前は明確に出ていませんが、本作で重要な「大妖」もとある有名な妖怪です。
「出雲」についてはちょっと話題に出る。
神が住む世界を「天の世界」としてる。たぶん高天原のことかな。
しかしこれらが深堀りされることは一切ない!!

 なんというか、雰囲気日本神話なんですよね。雰囲気日本神話ならオリジナル神話でもよくない?って気持ちです。日本は土地の神を信仰するので土地神の話だけすればいいのでは……と思わずにいられなかったなぁ。


■ ライターは複数

 夏空のモノローグはクレジット上だとライターが一人だった気がしますが、こちらはライターが複数。
 実はシナリオにちょっと不満があったりします。エンディングはルートごとに2種類あるのですが、キャラごとの差異が激しかったりするので、なんだかな~と。
 夏空のモノローグではギャグも結構好きだったのですが、本作では楽しいギャグと寒いギャグが両方出てきてしまうので、ギャグで人を選んでしまう作りなんですよ。もったいねえ~~!!
なので一人で書いてたらどうなったんだろうと夢想してしまいます。夏空のモノローグが好きだっただけに……。


■ ルートのやり直しに意味を持たせられてない

 夏空のモノローグがすごすぎたんだよな~~!!
夏空のモノローグはループものというのもそうですが、恋愛シミュレーション特有の、ルートをクリアするために「ゲームをやり直す」ことに意味を持たせていたんです。
本作にはそれがなかったなぁ~~!





~~~~ネタバレするよ~~~~






以下、かなりのネタバレしてます。注意。

■ 共通ルート

 あらすじでも語った通り、主人公はいきなり神としての力を渡されます。星祭り開催までという期間限定での神様業ですが、それまでは神として人の願いを叶える修行をしなければならない。そのため作中では人の願いを叶えるために奔走します。人力で。
 神としての力を使うことはなく、恐らくこの共通ルートで伝えたかったことは「神でも運命には抗えない、神でもできないことがある」ということだと思うのですが、そもそも神として力を使ってないので、そりゃ人には限界があるだろうよという印象を受けてしまうかなぁ。
主人公は頑張ってて可愛いんですけどね。


■ サブキャラシナリオ

駄菓子屋兼祓い屋のふーさん

 大好きなシナリオです。学生時代、自らのミスで大妖の呪いの力を呼び出してしまうが、その呪いを友人が肩代わりし、友人を救おうと祓い屋になった。しかし戻ってきた時には友人は死んでしまった過去を持つ、ふーさん。
その友人の幽霊騒ぎについての話だったのですが、自責や後悔、無力さが素晴らしいお話でした。過去は消せないので過去について解決するわけじゃないのですが、本当に綺麗な話です。
ここでは唯一主人公が役に立ってた印象かな。誰にも聞き取れなかった友人の言葉を伝えてあげる、良い役でした。

三神

 三神という、猫と熊とペンギンという謎の組み合わせの神がいるのですが、このサブシナリオで何故なのか判明しました。
100年前の元サーカス団の動物で、火事があって死んでしまったと。そこから神化したらしいです。大事にしている土地が悪徳業者によって工事されそうなのでそれを防ぐお話。
 神や妖をテーマにしている系統でよくある感じですね。陰陽師の亜紀ちゃんが有能だった話。話は普通。

新人陰陽師の亜紀ちゃん

 国家機関の秘密結社に属している新人陰陽師の亜紀ちゃん。土地神交代の申請がなかったので確認のためにやってきて、なおかつ土地の監視業務を遂行している子です。かわいい!
大妖の力を封じるアイテムが盗まれたのでそれを追う話です。
 盗人は姿を変えられる妖で、過去恋仲だった人が大妖の力を封じるための生贄になってしまったため、今回は自分が犠牲になることによって大妖の力を封じなおそうとしていたお話でした。亜紀ちゃんがこの妖に恋してたのがかわいかったなぁ。別にイケメンとかそういうんじゃなくて、相手に接して恋していくのが可愛い。そして振られるのが最高。
 ただ、大妖の力を封じるための生贄が、みんなの力を少しずつ貰えば問題なしだったのが勢いでなんとかしてる感じがして面白かったです。なんとかなるんだ……。

狛犬の頼仁

 神社の狛犬、頼仁が子育て(?)する話。
タイムリープした霊犬である子犬が出てきた時点で展開の推測はできる話ですが、やっぱ親子ものの話っていいよな!いきなりタイムリープが出てきて困惑したけどな!
過去があって未来があるのは当然として、未来の出来事が過去に影響するってのはやはり良いですね。


■ 攻略対象と各エンディングについて

 攻略対象は全部で5人。4人のエンディングをすべてクリアすると隠しキャラが解放されます。
すべて攻略順で書いていきます。
各ルートは2エンド存在するのですが、正式名称も無さそうなので表記揺れを無くすために「グッドエンド」「ノーマルエンド」と表記します。

 一通りやってわかったのですが、ルートに入った後の選択肢は「主人公のメンタルをいかに保つか」っぽいんですよね。共通ルートでキャラと親しくしたら確実に恋仲になれる。なれるけど、その後の障害を主人公がいかに乗り越えられるか、その時のメンタルはルート後の選択肢によって変わる、みたいな。
つまりプレイヤーたる我々はキャラを攻略させるのではなく主人公のメンタルを保つための応援係なのです。

ニノ神 弓鶴

 学園の生徒会長兼妖。実際は元神です。悪態をつくけど行動は優しいので人望も厚いとかなんとか。妖の姿は猫耳猫しっぽがつくだけです。コスプレか?
 神の国から物見遊山がてらに地上に遊びに来たら仲の良い友達ができ、その友達が大妖の生贄になるというので助けようとした結果、諸々あって神から妖に堕とされた弓鶴。その呪いを解呪するためには善行をして徳を貯めないといけないが、ルートに入った結果、主人公と恋仲になって主人公の危機を救うために貯めてた力をすべて使ってしまい、人になってしまう話。
 個人的には天女伝説っぽいな~と思っていて、天から来た天女(弓鶴)が衣を奪われた(神としての力を奪われた)ことによって天へ帰れず、天へ帰りたいとずっと嘆いてるんです。天女伝説っぽくない?
でも「元神」で「ニノ神」が神としての名前だそうなのですが、元ネタはわからなかったな~。たぶんオリジナルなのかな?

  • ノーマルエンド

  エンディング前までは「ずっと一緒にいようね❤離れたくないよ❤」とか言ってたのに「神の力を取り戻せるかも!数年離れるけど待ってろ!じゃあな!」と潔く離れていくエンディング。嘘だろ!?
主人公は寂しがってるし少し止めるけど、でも弓鶴が帰りたがってるし……と強く止められません。その状態に弓鶴は全く気付きません。嘘だろ!?
強欲な人は結構好きなので、シナリオとしては好きだけどぶん殴りたくなる気持ちになりました。

  • グッドエンド

 特にノーマルエンドであった話題は出ず、亜紀ちゃんの機関にスカウトされて金も手に入れられ、住居も手に入れて主人公と暮らし、人としての生活も盤石そうなエンディング。
恐らくノーマルエンドであった話をあえて無視して主人公と一緒にいるのだと思うのですが、そうなるとノーマルエンドは故郷>主人公だったってことが見せつけられたわけですね。こいつほんとぶん殴ってやろうか。

 弓鶴のせいでノーマルで悲しい思いをしたくないので次のルートからグッドを先にやることにしました。

水庭 苓

 生前の記憶がない旧校舎の地縛霊兼主人公の背後霊、苓くん。
幽霊との恋愛の話なので、成仏しないかするかが論点かなと思ったら成仏前提でした。
そもそも幽霊の状態で現世に留まりつづけるには限界があり、その限界を迎えてしまう話。
この話は主人公がとっっても可愛かった!消える存在に恋するのが儚くて悲しくて、でも縋ってしまうのが綺麗だったな。苓くんの薦めで教師目指してみるのも良い。この主人公はかなりのおバカなので、とんでもない努力をしたんだろうというのがわかってなお良いです。
このルートは唯一大妖が関係ない話です。なんでなのかはわからん。

  • グッドエンド

 教師になった主人公が生まれ変わりの苓くんを待ち続け、実は生きてた苓くんと再会できるエンディング。
綺麗なお話だったので結構好きなのですが、なんでか10年経過してるのが謎でした。
実は隠しルートで発覚するのですが、亜紀ちゃんが生身の苓くんに会うことによって幽霊の時の記憶を思い出させることができるようです。隠しルートでは1年後、本ルートでは10年後。なんで?

  • ノーマルエンド

 生まれ変わりの苓くんを待つために教師として教育実習頑張るぞ!の話。これからグッドエンドに繋がりそうです。別エンドというよりはグッドエンドの前日譚な印象。

竹清 八雲

 主人公の兄貴分な幼馴染。勉強はできる明るい運動バカ。
主人公はルートに入るとわかりやすく好意を自覚していきますが、八雲は遠ざけるのが良い。遠ざける理由が、「特待生として離れてしまう」ことかと思ってたんですが、実は呪いの影響だっていうのも良い。主人公を悲しませないために遠ざけるという建前で、自分が兄貴分としてかっこよくいられる姿だけ見せたい、かっこ悪い姿を見せたくないために遠ざけるっていうのがすごく良かったな。最終的に折れるのが可愛かった。
呪いは眠り続ける呪いで、眠っている間は時間が止まり、いつ目覚めるかわからないというものでした。

 ちなみにこの呪い、弓鶴と関係があります。
弓鶴が妖に堕とされた要因として、友達が大妖の生贄になってしまった後に友達を蘇生させたのですが、この友達の子孫が八雲なのです。
死ぬ運命を覆したせいで眠り続ける呪いとなって八雲に現れる……ということらしいですが、なんで眠りなのか、なんで時間停止するのか、なんで家系の呪いなのに八雲にしか出てないのか(過去そういう人が同じ家系にいたという話題も無い)、その辺が色々わからなかったなぁ。
 弓鶴が八雲に近づいた理由としてこの呪いを解こうとしたそうですが、解呪に賭けて数年眠り目覚める(ただし失敗すれば眠り続ける)方法しかないのはいい。いいんですが、弓鶴ルート!!貴様!!八雲へのフォローはどうなるの!?

 八雲ルートをやっててようやく気づいたことなのですが、主人公が接触したから事態が進行する訳ではなく、どのルートでも平等に時は進んでるようなんです。なので、苓くんはどのルートでもいずれ消えるし、八雲はどのルートでも呪いが進行するし、いやー悲惨!
となると八雲は弓鶴しか頼れないのですが、弓鶴ルート、お前……忘れてただろ……という怒りがふつふつとこみ上げてきます。

  • グッドエンド

 八雲の解呪は成功すれば5年くらいで目覚める、それ以上は失敗だろうと弓鶴から言われて待ち続けて10年経過したエンド。
主人公のメンタルを支え続ける醍醐味がここで発揮されます。ここの描き方がうまいんだぁ!こんなん挫折しちゃうよ普通なら!
ようやく目覚めて幸せな未来になったので、本当に良かった。

  • ノーマルエンド(と言うよりバッドエンド)

 7年待ったけど弓鶴の「もう待たなくていい、記憶を弄って忘れさせてやる」という誘惑に屈したエンド。ちなみにグッドエンドではこれを跳ね除けています。
ちなみにこちらのエンドでも八雲は起きます。10年後に。主人公は別の家庭を築いています。そりゃそうだよね、記憶ないもん。
起きるという結果は変わらないけれど、主人公のメンタルを維持しないとたどり着けないエンディング。
八雲には可哀想なことをしてしまったなぁ。けどごめんね、八雲にとっては数日でもこの主人公にとっては7年経過してたんだ……。そんな気持ちになるエンディングでした。

榊 鳴海

 神社の跡取り兼幼馴染。
神の力を受けた主人公を祀ることになったが、なんとなく嫌そう。
なんでだと思ったら、榊の家は昔大妖と榊家の娘が恋をしたせいで悲劇が起こったので多くの土地神から呪われ、榊家の人間と神・妖が恋をしてはいけなくなったことでそうなったと。
鳴海は元々主人公のことが好きだったので神になるのを嫌がってたのは納得したのですが、期間限定の神じゃん……?と思っても一度でも神となったらアウトだと言う。これが納得できなくてうまくのめり込めなかった話です。
キャラは大好きだったのに……。

 結局呪いはあっても恋人になってみよう、あがいてみようという展開になり、そして鳴海に五感が奪われる呪いが発動します。一気にやばい感じしてきた。
ただ五感が奪われている割に日常生活が送れているし、車椅子もいらなさそうだし、手を引けばなんとかなるっぽいので、これものめり込めなかった要因です。悲惨なのに鳴海は生活できてるのが違和感あったな。
 最終的に、解呪するためにはお互いの大好きパワーがあればなんとかなるかも!と言われるのですが、ここもよくわかりませんでした。なんで?ラブパワーは偉大なりってこと??

  • グッドエンド

 ラブパワーを主人公が信じ切ったエンディング。何事もなかったかのように日常生活に戻れた話です。良かったとは思うけど、ラブパワー要素入れるなら全体的にもっとラブパワーで働きかける感じにしてくれないと唐突すぎてついていけないんだよ!
一番好きなキャラなのにシナリオが好きになれませんでした。

  • ノーマルエンド(と言うよりバッドエンド)

 ラブパワーを主人公が信じきれなかったエンディング。信じきれないので、神として「縁を切る」宣言をします。神として宣言すると過去にまで遡ってお互いの縁が無かったことになるんだとか。いやそれ記憶改変じゃねえか……。
主人公が自らそれを選択し、縁を切っても若干鳴海のことが心に残っていて、感じるものがあれど他人としてすれ違うのが、物悲しくて結構好きでした。でもやはり呪いが元神でもだめなのはなんでなんだろう……。


天津国星縁尊

 鳴海の神社で祀っている本来の神。つまり主人公に神の力を譲渡した存在です。通称ミコト。
本性は隕石。隕石を月の欠片として神格化された神です。
こちらは隠しルートで、他4人のエンディングを迎えないと出現しないルートです。こういう隠しルート、いいですね!
このルートの選択肢はいかにミコトをやる気にさせるかの選択肢だったのかな~って気がします。
 ただしハードスケジュール版サブキャラシナリオ攻略は許せん……。ミコトいれば全部すっきり解決するのか?いやだー!

 本ルートは隠しルートなわけですが、謎の解明に焦点が当たってすっきり解決!かと思いきや、これがねー、肩透かし食らったんです!

 「1000年前の約束」、このキーワードで主人公はなにかの生まれ変わりとか、実は本来神なのではと思ったのですが、何も関係なかったです。

「大妖」は都落ちした九尾の狐で、諸々あって死んでからは神社の大木の下に埋め、亡骸と力をミコトは抑えようとしていたこと、抑えきれなくなったらミコト自ら犠牲にしてでもなんとかすると「大妖」と約束していたこと。
ミコト自らを犠牲にして「大妖」の力を抑え込もうとした儀式の日、偶然幼い主人公が訪れて、ミコトと主人公それぞれに大妖の力(呪い)が分散されてしまったこと。
呪いをミコトの身に移すため、主人公に神の力を付与して神の力でミコトに呪いを移し、消えようとしたことが実態でした。主人公を生かすこと、これがミコトが主人公にした約束だった。

 主人公がミコトを恋しく思うようになり、ミコトがやりたいことを認識し、ミコトを犠牲にしなくては自分が死ぬことを自覚して悩みに悩んでミコトを生かすという我を通したのが最高に良かったです。
この時だけは神としての力を使ってミコトを従わせたので、すごく好きなシーンだったなー!神になった意味をここでようやく見出だせた。

  • グッドエンド

 主人公のためにミコトが自らの記憶のみ過去にタイムリープさせる話。シュ、シュタインズゲート……!
そして主人公はミコトです。そりゃそうだ。ミコトが頑張る話。
このルートで八雲が兄貴分として主人公を慮ってミコトに発破をかけるのがとても良かったなぁ~!
 頑張ってタイムリープしたけど、結局どうにもならずに幼い主人公は儀式に乱入してしまい、呪いが分散されそうになるがミコトがすべて呪いを受け止めて消える……かと思ったらなんか復活した話。
ミコトは消えてるので当然主人公は神にならず、復活したミコトと再会してするお話。
正直この辺も感動的なところもありつつ、なんでだ……?という疑問が消えません。なんとかなった!良かった!な雑さがのめりこめなかったかなぁ。

  • ノーマルエンド

 主人公はミコトと呪いを分散せず、ミコトが消える話。なのでタイムリープも存在しない。
主人公はミコトがいない自らの人生を歩み、思い出の中のミコトを思い出しながら前を向く話。神と人との別離とするとすごく綺麗で切ない話なのでは?と思ったエンディングです。こういうのいいよぉ!


■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は約35時間。プレイ時間はシステムで記録されてないのでたぶんこのくらいだろうという時間です。

 振り返ってみると文句も言いつつ面白かった。面白かったんですが、夏空のモノローグという巨大な壁を乗り越えられなかったな……という印象です。
あとは期待していた分野の説得性が強くなかったのも敗因。
比較対象が無く、ハードルを上げすぎない状態では面白いと思います。夏空のモノローグという比較対象はデカかった。デカすぎたんだ。でも比較しちゃう。同じライターだもん。
あとはプレイ可能媒体がPSPだけというのも敗因の1つでしょうか。

 プレイし辛い、同ライターのもっと面白い作品がある、そうなってしまうと薦めづらい作品だったかなぁ。

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