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ゲーム「Detroit: Become Human」感想

 Detroit: Become Human(デトロイトビカムヒューマン)をほぼ何も知らない状態でプレイしたところめちゃくちゃ楽しめたよ~!って感想です。

ジャンル:オープンシナリオアドベンチャー
プレイ時間:25時間
媒体:PS5(PS4版)


■ あらすじ

 公式のローンチトレーラーがとても分かりやすいので引用しておきます。

さらにPlayStation Japan公式のYoutube再生リストを載せておきます。本作の前の時系列のムービーが見れます。本編前の時系列を扱ったムービーもあるのでめちゃくちゃ面白いです。

ついでにテキストも引用しておきます。

それは命か、それともモノか。

2038年、デトロイト市。人工知能やロボット工学が高度に発展を遂げた、アンドロイド産業の都。そこでは人工知能やロボット工学が高度に発展を遂げた結果、人類のような知性を持ち、外見上もほぼ見分けがつかない先進的なアンドロイドが製造されるようになっていた。人間と同等の作業をこなせる便利な「道具」としてさまざまな労働を担い、社会に不可欠な存在となったアンドロイド。しかし、それが生み出した豊かさや便利さの一方で、職を奪われた人々による反アンドロイド感情が高まるなど、社会には新たな軋轢も生み出されていた。

そんな中、裕福な家庭に所有されていた家庭用アンドロイドが所有者を殺害し、娘を人質に立てこもるという事件が発生。犯人は、本来アンドロイドが持つはずのない自我や感情を持って行動する個体「変異体」だった。この事件をきっかけに、アンドロイドと人類の運命は後戻りのできない道を進みはじめる。

人類史上最も便利な「道具」として生み出され、ショーウィンドウに「モノ」として陳列されているアンドロイドたち。そこに生まれた「意思」や「感情」らしきものとは何なのか。それらは、はたして命なのか、モノなのか。プレイヤーは、「カーラ」、「コナー」、「マーカス」という3体のアンドロイドを通して、幾度となくその問いを考えることになる。

内容の説明

私は基本あらすじを全く読まずにプレイするので今回も全く見ていません。皆さんは興味あったら見ておいてください。


■ 映画を操作しているような感覚

 本作はアンドロイドたちが葛藤していく話ですが、その説得力を後押ししてるのが美しいグラフィックやサウンド、カメラワークだと思ってます。
まるで人間のような感情を見せるアンドロイドたち。表情や仕草もまるで実写のようで、さらにムービーとキャラクター操作のグラフィックの差が全くないのもすごい。だからこそまるで「映画の登場人物を操作しているような感覚」でプレイすることができました。すべての技術を使って説得力を出して没入感を高めてるんですよね~!本当にすごい。



■ アンドロイドたちの物語

 先ほど引用した通り、これはアンドロイドたちの物語です。アンドロイドのテーマは数あれど、複数主人公でのアンドロイドの話は初めて経験しました。代わる代わる展開していくそれぞれの物語もうまく作用し、作品全体の面白さに昇華されていきます。これが本当にうまく作っていて素晴らしいんですよ!


■ ストーリーがめちゃくちゃ面白い

 ドラマ性もあり、テーマも良く、キャラクターが良く、キャラの関係図も良かったので最高でした。それに加えて自分が選択した本作が唯一のものになります。たとえ途中で誰が死のうが生き残ろうが、その選択によるストーリーとして最後まで物語が進むので、ゲームプレイした内容がその人にとっての唯一の作品になるんですよ~!


■ 他人のプレイ動画を見るのも楽しいはず

 他人のプレイ動画はまだ見てないですが、それを見るのも楽しいはずです。なにせそのプレイ動画はその人自身が選択した唯一の作品なので!
しかし、一度プレイ動画を見たからと言って自分が楽しめないわけではありません。自分の選択によって歩んでいくストーリーは絶対に楽しいので、プレイ動画を見たことある方でもぜひ自分で操作して体験することをオススメします。


■ ゲームシステム

 基本的にはできることは少ないです。「物語を進める」「選択肢を選ぶ」「QTEを実行する」。この選択肢によってかなり色々な分岐になるのが面白い!

選択肢を選ぶ

 いくつかの選択肢の中から選ぶことができます。時間制限があるものの場合、「時間切れ」という別の選択を選ぶことができますし、自分が選んだストーリーによって後々の選択肢が解放される場合もあります。

©Quantic Dream

ルート分岐

 章のルート分岐を確認することができます。プレイヤー自身で選択した結果が反映されていますが、「今」自分はどこまで進んでいるのかを探さないといけないので結構見辛いです。

©Quantic Dream

スキャン

 現在何をすべきか、何ができるかをスキャンモードで確認することができます。

©Quantic Dream

QTE

 クイックタイムイベント、通称QTEです。タイミング良くボタンをポチポチ押すあれです。難易度選択によって難しさを変えることができます。

難易度

 難易度「CASUAL」だとジャイロ機能をオフにした普通のQTEになり、難易度「EXPERIENCE」だとジャイロ機能がオンされ、さらにQTE自体の難易度も上がります。
EXPERIENCEの方が没入感が高いとゲーム内に記載がありましたが、正直CASUALで問題ないです。初回はすべてEXPERIENCEでやり切りましたが、没入感は高くならなかったので。EXPERIENCEの場合、難易度が上がってキャラが死にやすいってくらい。

©Quantic Dream

メニュー

 メニュー画面はこんな感じです。アンドロイドのお姉さんが案内してくれます。

©Quantic Dream

チャプター

 メニューからチャプターを選ぶと章仕立てで選ぶことができます。章を選ぶとルート分岐が表示され、ロード可能なポイントからプレイすることができます。

©Quantic Dream

オプション

 映像、オーディオ、言語、難易度、コントローラー設定等。メニューからでもゲームプレイ中でも、いつでも変更することができます。

©Quantic Dream
©Quantic Dream
©Quantic Dream

ボーナス

 おまけ要素です。設定資料等が見れます。ルート分岐を踏破すると貰えるポイントでおまけ要素を購入することができます。

©Quantic Dream

周回

 基本的には初回は一通りエンディングまでプレイすることが前提だと思われます。そして本作はマルチエンディングであり途中分岐も様々なので、1エンディング見ただけでは満足できずに周回する人たちも出てくるかと思います。それが私です。しかし!本作の周回は面倒くさい!
 本作は全部で23チャプター存在しますが、例えばチャプター2の選択肢を変えてそれを適応してチャプター15をやってみる……みたいなことはできません。チャプター2の選択肢を変えた状態のストーリーをみたいならチャプター2から続けてチャプター3、チャプター4……そしてチャプター15まですべてやり直さないといけないのです。これに気づかずにやり直そうとしてたのでだいぶ時間を無駄にしました。

しかし、これはチマチマ周回するよりも記憶が薄れた時にもう一度プレイして楽しむべきかもしれません。




~~~~ネタバレするよ~~~~





■ ストーリー

 これはプレイヤーである私が見てきた物語ですが、あまりに詳しく説明すると膨大な量になるため、箇条書きで書いていきます。
本当は3人の主人公の話はそれぞれ進むわけではなく時系列ごとに進んでいくのですが、分かりやすさ重視で主人公ごとに分けました。

コナー編

アンドロイド生産会社から警察に派遣された捜査官型アンドロイド、コナーの物語。

  • 初回任務コナー私、アンドロイドが子供を人質に取る事件に対して「急げ」と言われたので特に周囲を確認することもなく犯人にズンズン近付き、QTEの存在があることを知らずに「画面綺麗だな~」と呆けていたら犯人も子供も死に任務失敗

  • 2回目任務コナー、アンドロイド嫌いの警部補(ハンク)とバディとなり、アンドロイド関連の事件現場に行き犯人逮捕で事件解決

  • バディものが好きな私、ハンクと仲良くなりたかったので全力でコナーに媚びさせることを決意

  • 3回目任務コナー、2回目任務で捕まえた犯人の信頼を勝ち取り犯行を自白させ任務成功

  • 4回目任務コナー、カーラを追う任務中にハンクに止められたため従い、任務失敗

  • 5回目任務コナー、犯人を見つけるもハンクが危ない状態だったため追跡を中止しハンクを助けて任務失敗。ハンクの好感度がめちゃくちゃ上がりガッツポーズコナー(私)

  • 上司であるアマンダから「任務失敗しすぎ」と怒られる。すみません

  • 6回目任務コナー、セクサロイドの店での殺人事件で時間制限があるにも関わらず寄り道をしまくり時間オーバーで任務失敗

  • 7回目任務コナー、襲撃されたテレビ局に向かい一人隠れていた襲撃犯を発見するもコナーが死に任務失敗

  • メモリをアップロードされた新たなコナーが派遣される

  • アンドロイドに関連する事件が多すぎるため、アンドロイドの生みの親に会いに行き、ハンクの好感度を上げるために人間的な選択肢を選ぶ

  • 今までの事件の証拠からアンドロイドたちのアジトであるジェリコの場所をつきとめる

  • ジェリコを襲撃し、マーカスを発見するも説得され変異体(感情を感じ、人間に反抗しようとするアンドロイド=変異体)となってマーカスの仲間になる

  • サイバーライフ社のアンドロイドを解放するため潜入するも、ハンクが人質に取られ、「俺のことは気にするな」の言葉に従ってハンクを犠牲にし、アンドロイドを解放する

  • マーカスと合流した際に上司アマンダからコナーのボディの乗っ取りを仕掛けられるが、なんとか回避

マーカス編

画家に仕えるアンドロイド、マーカスの物語。

  • マーカスが仕えている画家とマーカスの二人で穏やかに日々を過ごす

  • 画家の息子がやってきてマーカスに喧嘩を売り、マーカスは怒りのあまり自我に目覚めて変異体と化する

  • 変異体になっても画家の言いつけを守りじっとしていたら画家が心臓発作で死亡し、主人を殺したと濡れ衣を着せられる

  • アンドロイド廃棄場から脱出し、ジェリコと言うアンドロイドの避難場所にたどり着き、ジェリコのリーダーになる

  • 今後の選択肢に悩むも、マーカスは仕えている画家のことは好きだったので、穏健派リーダーの方向で行こうと決心する私

  • ジェリコ内の資源が足りないため窃盗。ついでにそこで働いてるアンドロイドも解放

  • テレビ局を乗っ取り、アンドロイド解放の声明を出す。今まで穏健派としてやってきたがいきなり人を殺し始めて私困惑

  • アンドロイドを生産しているサイバーライフの店舗をトラックでぶち壊し、中にいるアンドロイドを解放し、平和を求める声明を出す。やってることは暴力的なので結構困惑。しかし選択の自由がある場面では穏健派としてやっていくのだと再決意する私

  • アンドロイドたちと街中を行進するも警察から攻撃され、仲間の一人が犠牲になる

  • ジェリコが襲撃され、仲間を救いながら逃げるもさらに一人犠牲になる

  • コナーと対峙して理想を語り、コナーを変異体化させて仲間に引き入れた状態で脱出

  • 再度平和行進を行うも警察に止められ、バリケードを作るも破壊されて追いつめられる

  • 流れで恋人になったアンドロイドのノースとキスをしたら首相の同情を引けたのか警察が撤退し、アンドロイドが一時的に平和を勝ち取る

カーラ編

暴力男に引き取られ、その男の娘を世話するアンドロイド、カーラの物語。

  • 店から暴力男に引き取られ、家事と娘のアリスの世話をするよう言いつけられる

  • 暴力男は娘のアリスにもカーラにも暴力を振るい、アリスの命の危機を感じたためカーラは変異体化

  • アリスとともに暴力男のもとから逃げる

  • 夜も遅いため雨をしのげる場所に泊まろうとし、服と金を盗んでモーテルに宿泊

  • モーテルに警察がやってきたため慌てて逃げる

  • アンドロイドを助けてくれる人間ズラトコの家に行ったら記憶を消されて分解されそうだったため頑張って逃げる。ついでに協力者ルーサーもゲット

  • 逃亡手段である車が壊れ、一時的に遊園地に身を寄せる羽目に。ルーサーからアリスが「特別な子」だと言われる

  • アリスがアンドロイドだということが判明する

  • アンドロイドを助けてくれるという噂のローズと出会い、国からの脱出を手伝ってくれるよう依頼し、脱出手段はジェリコにいるリーダーのマーカスが手配してくれると教えてもらう

  • ジェリコに向かい、脱出方法をマーカスに聞いた際にジェリコが警察から襲撃され、ルーサーを見捨てて命からがら逃げ伸びる

  • バス停に向かい、なんとかバスに乗り込んで空港に行き、入管担当者に情で訴えてなんとか国外逃亡を果たす

こんな感じでした。いや~~長いですね!



■ クリア後

 クリア後に思ったこと。

エンディング

 私が歩んできた物語では、コナーはバディを失ったけど変異体として貢献でき、マーカスはチャート上では「一時的」って書いてあるけどなんとかアンドロイドの平和をもぎ取り、カーラはアリスと一緒に国外逃亡できました。コナーは若干無能なコナーになってしまいましたが、まあ意外と良いエンディングだったんじゃないでしょうか!

と思っていましたが、クリア後にハンクを生かしてみたらスタッフロール後にコナーとハンクがキャッキャウフフと笑い合うシーンが挿入されていました。ごめんこっちの方が良いエンディングだわ。

 あと後悔したのは画家を殺しちゃったことですかね。別ルートを選ぶと生き残るのは本当に意外だった。あそこから入れる保険あるんだ……。ちぇー! もし生きていたらマーカスのことを止めるのかな。その掛け合いちゃんと見たかった!でも見るためには頭からやり直しが必要!ここで隔たる周回面倒くさいの壁!

周回が面倒

 周回をしない人には関係ない話です。でも私はこの作品では周回したい派だったんだ……! ネタバレする前の感想でも言いましたが、この部分のこのルートを見たいな~って時に周回するだけでも面倒ですし、他の分岐を見るのも結構面倒です。なにせ変えたい箇所から見たい箇所まで全部繋げてプレイしないといけないので。それでもいくつか分岐を見ましたが、やっぱ面倒くさいんだよな~。なにせすでに「見た」ものなので……。
個人的にこうして欲しいなと思ったことを書いておきます。

  • 途中ロードポイントを増やしてほしい

  • 選択肢分岐の適応をするために最初からやらなくてはならないなら既読スキップ機能がほしい

これがあれば今の面倒な仕様のままでもいけると思うんですが!どうっすかね!

コナー、意外と優秀だったかも

 自分が操ってたコナーは結構ポンコツなコナーだと思ったのですが(ハンクに媚びてわざと人間的に振舞ってたせいもある)、攻略サイトを見てみると1任務1死亡くらい簡単に死ねるっぽいので、うちのコナーって意外と優秀なのかも!と思えました。
ちなみに死ねるルートで全部死ぬとトロフィーが貰えるらしい。なんだそのいらないトロフィーは。

結局rA9はなにか

 サイバーライフ社のアンドロイド製作者いわく、rA9は最初の変異体であるとのことでした。ではなぜこのワードが変異したアンドロイドたちの中で共通認識として語られているのか。アンドロイドはコードを送り合うため、最初のエラーコードのコピーがウィルスのように伝播していったとのこと(自発的な可能性もあるとのことなので、正確なところは何もわからないようです)。
そして謎解きが必要ですが、公式サイトの用語集からrA9を知ることができます。


体感時間は長い

 プレイ時間と体感時間にここまで差が出たゲームは初めてです。結構長い間やったと思ったのですが、PS5上では25時間。意外とプレイしてないんだな。満足感が高いからかもしれません。

メニューのアンドロイド

 メニュー画面にいるアンドロイドはプレイヤーである私がアンドロイドたちを変異させたことで「自分も自由になりたい!」と思い、プレイヤーに「自由になっていいか」と伺ってきます。これを許可するともう二度とメニュー画面に表示されないことになるのですが、クリア後にしばらくしてから起動すると「サイバーライフ社からのお知らせ」で「またゲットしますか?」と案内文が表示されました。

©Quantic Dream

喜び勇んでOKボタンを押したつもりだったのですが……私は誤ってキャンセルボタンを押していて……。
説明しよう!なぜなら私がプレイしているのはPS5。しかしこのゲーム自体はPS4版。本ゲーム内ではPS4の仕様なのです。つまり〇と×ボタンの仕様が逆なんですねえ!
マジでこの仕様どうにかして欲しいんだよな。PS5上では×が決定、ゲームを起動すると逆になるんだもんな。間違えちゃうよそんなの。
 そして本作は再チャンスを与えてくれないので、私のメニュー画面にはもう二度とアンドロイドが現れることはありません。さようならクロエ。


■ 前日譚

「KARA」 テクニカルデモ(2013)

 プレイした人は何も言わずこれを見てください。

これこそrA9じゃん!!!最初の感情を得たアンドロイドじゃん!!!ここから市場に出されてウィルス散布されてるじゃん!!!の衝撃。プレイ後にわかるヤバさ。しかしこれをPS3時代に作ってたのがすごいですね。

 他のセリフ付き前日譚も載せておきます。

スピンオフムービー "Tokyo: Become Human" 命篇

 こちらはゲーム本編10年前の日本の出来事。選択肢によって後半のストーリーが変わります。

うーん内容は良いんだけど演技が……。声優が吹き替えてくれないかな……。

スピンオフムービー "Tokyo: Become Human" モノ篇

 こちらは別選択肢の話。







■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は25時間。しかし体感はそれより長かったです。濃厚なドラマを見せてもらったな~!という満足感が得られました。色々な人におすすめしたい、おすすめできるゲームでした。ゲームが苦手な方は難易度を下げてプレイすることをおすすめします。みんなも自分だけのデトロイトビカムヒューマンを見てみてみよう!

・免責用
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©Quantic Dream

備忘録用メモ。Twitterでの実況です。


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