冬の街

今朝の空は、異空間が開いたのではないかと思うくらい、煌びやかで厳かだった。
赤く透きとおった光を、山や川や家が吸い込んで、融け合っていた。
時間の感覚も、鮮やかな感情がどこにあるのかもわからない身体で、私も、朝を浴びた。

一月が終わりを迎える。
新年の真新しさは瞬く間に消え、何もない日常がただただ続いている。
同じことを繰り返す、慌ただしい日々。
お客さんの顔もわからなくなってくる。
そんな時、今日のような朝日や、自分の体温を浮き彫りにする凛とした風、寒空に広がる一面の星、深々と降る雪に、自分の中の空気を入れ替えなさい、と言われているように感じる。
慌てて息を吸い、背筋を伸ばす。

冬はそっと佇み、その美しさによって人の心を動かす。
冬は美しい。

#日記 #冬

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