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LiSA/炎-THE FIRST TAKEにくらった話

ライブが近づいてまいりました。葉月ゆかです。

今年は改めて音楽のことや自分のやるべきことを考える時間がありあまるほどあって、正直困っています。

そんな折、こちらの動画が公開されまして。

「LiSA / 炎」THE FIRST TAKE


公開日に観たんですが、今日改めて繰り返し観て案の定ぼろっぼろに泣いてる。

LiSAさんの事は以前からとても好きでライブにも足を運んでいて、カラオケでももっぱら彼女の曲ばかり歌っていたりするただのファンなんですが。

この動画は歌唱力とか技術とかで「すごい!最高!」ってもちろんなるけど、見れば見るほど色々複雑な気持ちがぼやぼや浮かんできたりするわたしの情けないミュージシャン心もあったりして今強烈にしんどいからnoteに書いてます。

音楽を聴くとき、ある種フェチ的なことかもしれないんだけど、わたしはブレス(息継ぎ)とか声のアクセントでここ!!!っていうポイントが気になるタイプで、プロの方の歌にはそういう細やかな技術がいっぱい散りばめられてて流石としか言いようがないのですが、わたしがLiSAさんを好きなのは歌い方・声で魅せるそういったフェチポイントがすごくたくさんあるから。

この「炎」という曲はそもそも楽曲がものすごく良くて、CD音源バージョンを先に聴いていてその時もすごく感動したんだけど、THE FIRST TAKEという生演奏一発録りという見せ方でこうくるの?マジで?っていう部分が多すぎる。感情乗りすぎてて、鼻で吸った後口でさらに吸い込むブレスとかめっちゃ好き。


強いメッセージのある歌に対しての気持ちの入れ方って難しいところがあるとわたしは思っていて、ただ叫んだら伝わるものでもないし、自分のその時の思いだけを解って欲しくて歌うのもちょっと違うなと。

生で歌っている時の自分の気持ちって聴いてる方に全部バレてると思うんですよ。今日は機嫌がいいんだなとか、なにかつらいんだなとかそういうのちゃんと伝わっちゃうから、でもひとつのステージで歌う曲ってひとつじゃないし、それぞれ内容もメッセージ性も違うし、どう聴こえて欲しいかというところでわたしは毎度毎度すごく考える。自分の気持ちを一方的に押し付けるようなことはしたくないし、かといって「どう感じたかはあなた次第」という投げ方もしたくない。そこのさじ加減が難しいから、その時のライブが良かったのかそうでなかったのかの判断って自分ではつかないことがわたしはとても多い。

そこで強いのはやっぱり技術があること。

この動画で彼女は、エッジボイスとかウィスパーボイスを始めとした数々のテクニックをふんだんに使って、声の強弱ひとつとってもしっかりと心を表すような歌い方で歌詞以上の気持ちをグサグサ刺してくる。

正直、本当にいいものっていうのは「なんでかわからないけど涙が止まらない」みたいな、こっちの心をさらってなにも考えなくしてしまうようなものだと思う。技術力、表現力、声の魅力があってこそと思いがちだけれど、逆も言える。それをするための技術、表現力、声の魅力。ただ闇雲に声を張るだけでは伝えられないことが、それらを持ち合わせることによって出来るようになる。ただ、技術的な戦略を頭で考えて口から出しているときは気持ちが歌に乗らない。頭を空っぽにして心を全て声にのせたときに、意図しなくても培った技術がそれを支えてくれる。そこまで出来るようにならないとこのステージまでいけない。


何度も見た。すごい!泣ける!っていう衝撃だけで終わってしまうのがもったいないから。そして見るたびにどんどん泣けてきた。しんどい、つらい、という気持ちばっかり残る。


ここからはすごく個人的な話。

わたしはライブがめちゃくちゃしんどい。歌うのは好き…というか、呼吸みたいなもので、ステージで歌うたびにやっと息ができたような気持ちになる。本来の場所に戻れたような気持ちになってとてものびのびする。でもそこでわたしが出すことになるのは自分の心であって、自分の腹をかっさばいて外に見せるようなことでもある。そこがしんどい。

ライブの後はごりっごりに気持ちが削れてて、人前に出られたもんじゃない。なので、ライブ直後は気持ちが落ち着くまで外にいたり、クールダウンできる場所に避難していることが多い。けど、ライブ直後の交流も大切だしどうしても表に出ないといけない場面もあって、そこでもごりごりに精神力を削ってたりしたので、そこのサポート面でもスタッフがいてくれてる現状がすごく助かる。

でもやっぱりしんどくて、そういう向き合い方から逃げた生活の仕方をたくさんしてる。曲も書けない。しんどいからに他ならない。

その時点で一回音楽辞めてる、と思う。

ただつらい思いをすればいいなんてことは全く思わないのだけれど、伝えたり魅せるためにわたしはそういうやり方しか持ってないのに、ある種手抜きをしたようなもん。それで少し気持ちが軽くなって、ただライブができたことが楽しかったから満足!なんていうのは本来わたしがしたかったこととは違うじゃないか、と。

じゃあわたしはライブでなにがしたいんだろう。

多分、歌を通して捧げたいのだ。特定の誰かではなく、遠いところまでわたしの想いを。

今年はライブが少ないので、近づくたびに気持ちがザワザワしてしょうがない。歌いたい、歌いたくてしょうがないけど、歌ったら絶対にしんどい。ライブが少ないからこそひとつひとつで必然的に爆発するのがわかる。でもそういうしんどさも込みで音楽から離れられないのだから本当に困る。愛がなきゃやってられない。愛だけでもやっていけない。

理不尽に居場所を奪われ続けるような年だった。大好きな場所にももう帰れない。これからまだ、もっともっと失うかもしれない。そんな中で自分が無力すぎて、無力である事を受け入れすぎてしまった。情けないけどそれしか出来なかった。無関心なわけではなく、心が離れたわけでもなく、ちゃんと悲しいし全てにおいて傷ついてる。この気持ちとしっかり向き合って、しんどくってボロボロになっても歌にしたいと思う。まだ時間はかかるかもしれないけど、それでも歌にして捧げたい。わたしにはそうする必要がある。


「炎」という歌で、わたしは今年起こったたくさんの別れについて思いを馳せた。勝手に重ねて、勝手に悲しくなって、勝手に励まされた。彼女がなにに向けて歌ったかなど関係なく、そういう気持ちになった。それが正しい届け方のように感じた。

わたしにも同じような力が出せている時があったかもしれない。でもそれはわたしにはわからない。わからないから、出来ていないように感じる。その悩みも歌う限り一生続くんだろう。くよくよしてまた逃げないためには、ひとつひとつのステージでしっかり向き合えたと感じられるくらい全力でやり切るしかない。全力でやり切るための技術も磨き続けなければならない。

この覚悟を常に持ち続けるからプロなんだろうな。


とにかく心を掴まれた。すごくよかった。くらったおかげで、なにをすべきか解った気がします。ありがとう。


ゆか


追伸 鬼滅の刃はまだ見たことも読んだこともないので、これから追いつきたいと思います。


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ライブのお知らせ

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10月24日 千葉中央公園「ちばアートフェス 2020」

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10月31日 佐倉城址公園「SAKURA NIGHT FESTRVAL vol.0」

https://lando.city/sakura/ 

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