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1.序論 1-2.目的

目的はこんな感じです。

1-2.目的
前近代の日本の建築の室内装飾では、掛け軸や屏風の表装、畳の縁等に織物が使われていた。これらは染織史の分野で様々な調査研究が行われ、実態の解明がされている。近代和風建築においても、前近代同様に掛け軸や屏風の表装、畳の縁等に織物が使われているが、建築の近代化に伴い、それに対応した室内装飾として織物の新しい使われ方も始まる。その代表例が明治宮殿である。近代和風建築については、文化庁が推進して各都道府県教育委員会が「近代和風建築総合調査」を刊行しているように様々な調査研究が行われ、その建築史的な価値の解明がすすんでいる。ただし、建築の近代化に対応した織物の使われ方という分野については十分に解明されていない。本研究では、建築史でも染織史でもあまり研究されることのなかった近代和風建築にみる室内装飾織物について、いくつかの事例に焦点をあて、どのような加飾技法・地色・文様・材質の織物がどのように使用されているかを調査し、調査をもとに考察する。本研究の目的は、近代和風建築にみる室内装飾織物の選定と利用の実態、および、室内装飾において染織がどのような役割を果たしているかを明らかにすることである。

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