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まだ出会えぬ芭蕉布のお話のその後のその後

沖縄のやんばるにある大宜味村喜如嘉区の芭蕉布の魅力に取り憑かれていました。以前「まだ出会えぬ芭蕉布のお話」で、着尺や着物を見て触って、さらにもし可能であれば纏ってみたい•••と書きました。しかしながら、知れば知るほど芭蕉布はとても希少で高価な美術品に近い工芸品になってしまっているため、半ば叶わぬ夢かも〜、と諦めていました。そのような中、大宜味村で年一回開催される工芸の催し「いぎみてぃぐま展」にて芭蕉布羽織体験があることを知り行ってきました。そして夢を叶える機会をいただきました•••。

体験内容は簡易的に羽織るものと想像していたのですが、まさかの、琉球舞踊の先生が踊り用の衣装を琉装で着付けてくださりその上に羽織るというもの!!!想像を超える内容にもう本当に感動しました。

羽織らせていただいたのは大宜味村が所蔵する貴重な芭蕉布のうち、長着の上に羽織る琉装仕立ての薄くて繊細な帯を締めない羽織もの。織の柄はアキファティ ガラです。
それは羽織ってみると軽くて張りがあり、動いてみると広袖から身ごろに風の流れが感じられ、なんだか空気を一枚纏ったようでした。打ち合わせの襟下部分を指でつまむと蜻蛉の羽を捕まえたよう。多分、生涯このような体験はできないと思います。

約1年前にご挨拶に伺った大宜味村役場の方にこの感動をお伝えしたくて再訪しました。村が所蔵する芭蕉布を村民の方に親しんでもらいたい、多くの方がいらして殺到しては困るのでPRは大掛かりには行わなかった、今回のいぎみてぃぐま展は第20回記念であったので特別なものにしたかった、などのお話を聞き、改めて大変貴重な経験をさせていただいたのだと思いました。

観光協会、大宜味村、喜如嘉区などの多くの方のご苦労の上に今回の企画と運営が実現できたものと推察します。関係者の皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうごさいました。

やんばるの風土にぴったりな、纏ったら幸せな気分になるという、まだ出会えぬ芭蕉布にやっと出会えた、忘れられない着物がたりです。

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