見出し画像

限りなく森に融合した小屋のお話

その小屋は長野県茅野市にほど近い原村の『エコラの森』にあります。特定非営利活動法人 エコラ倶楽部が地域の人たちと森林保全活動をしている森です。原村で『いっちゃん農園』を営む友人を訪問した際に近くをドライブ途中に目にしました。小さな小屋で中は一間になっていて炉があり、正面の出入口とは別に茶室の躙り口のような小さな出入口もありました。ここではワークショップなどが催されるそうです。

最初に小屋を見たとき、なぁ~んて森に溶け込んだ佇まいなんだろう・・・、と思いました。よくよく見てみるとその理由がわかりました。その小屋の床下から屋根までを突き抜けて4本のカラマツが生えているのです!別の言い方をすると、正方形の位置にまっすぐに生えた4本のカラマツに小屋が差し込まれているのです。
もともと森がありカラマツが生えている所に後から小屋を建てたわけですから、順番を考えてみたら当然のことです。ですが、こんな小屋、私は初めて見ましたので衝撃でした。撮ってきた写真を何度見返してみても、ワクワクが止まりません。遠くから眺める小屋の全体像、床を突き抜ける木、屋根を突き抜ける木、もう最高です!

画像1

画像2

少し調べてみましたところ、茅野市には屋根を突き抜けた木の建築が他にもありました。神長官守矢史料館、茅野市高部公民館などです。茅野といえば諏訪大社の7年に1度の式年造営御柱大祭(御柱祭)が有名です。諏訪大社のホームページによると祭の起源や由来は詳らかではないそうです。おそらく、茅野市周辺では昔から森や木への信仰心があって、森や木を尊重する精神文化が根付いているんだろうと思います。その精神文化が建築にも表現されているのではないかと想像します。私のワクワクは、私の中にある森や木に対する思いの何かが、小屋を見たことで誘発されたのかもしれません。

限りなく森に融合した小屋が私にワクワクをくれた、建物がたりです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?