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愛とは The Godfatherより

 全3部からなる、The Godfatherという映画は、‘I believe in America.’ という、葬儀屋がヴィトーに対して、まるで懺悔のような願いをつぶやく、印象的なシーンから始まる。娘の賑やかな結婚式の裏で行われる彼らの会話は、決して「めでたい」とは言えない、陰鬱なトーンであるにもかかわらず、結婚式の華やかさをより引き立てるのだから、不思議である。

 一つ一つのワンシーンが、絵画のようで、とても美しいと感じた。私が大好きなシーンは、マイケルが病院でヴィトーを必死に守ろうとするシーン、そしてヴィトーが最期を迎えるシーンである。前者は、もうマイケルの、父を守りたい、という気持ちだけでなく、愛や、いなくなってしまうかもしれないという焦燥、悲痛さなどの、輝かしいほどの純粋な感情が、暗い映像、音、セリフ、全てから痛々しいほど伝わってきたからである。また、私が大好きなアカデミー賞を獲得したA beautiful mind や、吉田秋生のbananafishと似たものを感じとったからかもしれない。後者はもう映像を見てほしいとしか言いようがないが、動いているはずなのに、絵画の重なりのように見えるほど、美しいのだ、ヴィトーの最期が。

 イタリアにおける「家族」のつながりっていうのは、本当に大切なものなんだと思った。私にはまだ理解ができない。誰か、とても大切な人がいて、「大切に思ってるよ」という気持ちを伝えようとするときに、彼ら彼女が進む道を「選んでしまう」と、その時点で、愛から所有に代わってしまう。間違えた選択をしないように、ではなく、どんな選択をするのであれ、その後も味方で居続けることが、愛なのではないかと思った。難しいのかもしれないけれど。その愛を与えることで、自分が好きでない「彼」となってしまう、と恐れるのなら、それは依存に変わってしまうのだろう。

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