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ブックレビュー:『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』サンキュータツオ

国語辞典=重い、手間、どれでもいい?

国語辞典を購入されたことはありますか?
そもそも国語辞典を買おうと思ったことはありますか?
僕はありません。
家(実家)に2冊あったような気がしますが、それらは購入したものではなく、中学か高校の入学時に学校から支給されたものです。
しかも、ほぼ一度もその辞書は使っていないと思います。重くて持ち運びが面倒だし、いちいち紙をペラペラとめくって探すのが手間なので。
もちろん、意味の分からない言葉を調べる必要は出てくるので、高校のことからずっと電子辞書を使っています。
ただ、日本語よりも英単語を調べるために欲しくて購入しました。電子辞書ならば重さも気にならないですし、バッグのなかでも幅を取りません。
今思うと、革新的な道具だと思います。

なので、紙の辞書にはこれまでほとんど縁がありませんでした。
さらにネット環境の整った現在では、スマホでググれば、日本語も英語もそのほかの言語もすぐに調べられるので、多くの人にとって紙の辞典はよりいっそう縁遠い存在ではないでしょうか?
(僕にとっては実家に置きっぱなしにするほど二重の意味で遠い存在です)

そんな方々に向けて、芸人であり、大学講師であり、辞書マニアでもある(出版当時)サンキュータツオさんが『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』を書かれました。

国語辞典はどれも同じではない

本書の「はじめに」で、読者に以下のように質問しています。

 さっそくですが、国語辞典について、こんなふうに思っている人はいませんか?
・どれも似たり寄ったりだ。
・中学校入学のときに買った一冊を一生使えばいい。
・ことばの正しい意味が載っているだけでしょ。
・授業で必要だから買ったけど……。
・読めない字があって、よほど困ったときにだけひくもの。
・ひいても、自分の疑問や迷いを解決してくれない。
・解説の羅列だけでおもしろくない。つまらない。

『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』p14~15

まさに仰るとおり!って思ってしまいました。
辞典はどれも大差なくて、ただいくつかの出版社からどれも言葉の意味を調べるという趣旨のもと、大差のない辞典が数種類ほど出版されているものだと思っていました。
なので、言葉の意味を調べるにあたって、どこの出版社から出ている何という辞典なのかなんて、気にしたことありません。使っている電子辞書に入っている辞典の種類も知りませんでした。
(確認したら、小学館から出ている大辞泉のデジタル版とブリタニカ国際大百科事典でした。)

読めば見方が変わる!

本書を読むと、国語辞典への思い込みが一変します。
僕はまんまと手のひらを反すように、国語辞典が身近で面白いと思えるようになりました。実家に眠っている辞典を手元に呼び寄せたいくらい。
読みながら、国語辞典をめくりたいなー、本屋に行って国語辞典を比較してみたいなーって思えます。

noteに書いたり、記事を読んだりしている人はおそらく言葉にも気を使っているはず。
そんな方々は本書をきっと楽しく読めるだろうし、国語辞典への距離感がグッと縮まると思います。

本書前半で国語辞典という大きな括りで、意味や使い方、歴史的経緯等をざっくりと説明。後半部分で国語辞典のそれぞれの特徴と使い方をキャラクターに見立てて解説してくれています。
文庫本でもあとがき含め244ページと軽く、話口調で書かれているのですらすらと読めると思います(人によっては読みにくいかもしれませんが)。

なので、実際に手に取って読んでみてほしいので、これ以上内容には触れません!
これではブックレビューになっていない気もしますが、ぜひ本書を読みながらそれぞれの国語辞典の特徴を知って、自分に合った辞典を読み書きの相棒にしてみてください!

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