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【父・G】「心からのありがとう」 その日何回言っただろう?

年のわりに元気だった父にも、年齢相応のイロイロがやってきました。
ちなみに、95歳 卯年 です。

コロナウィルスの流行で外に出ることが極端に減ったあたりから、徐々に歩くことが簡単ではなくなっているようです。

それに加えて、ここ1か月ぐらいの間で、
足のむくみ、食べる量の激減、よく眠れていないなど
イロイロな変化が一度にまとめてやってきました。

今まで「通院」というものに、ほとんど縁のなかった父ですが
これはさすがに見てもらわないと!と感じ、
11月下旬に内科のクリニックへ。

特におおごとにはならず、数種類の薬を服用して
むくみも食欲も徐々に良い方向に戻ってきています。

それは喜ぶべきこと。
でも、95歳にして「回復する」という強靭さに
多少、おどろいています。


そんな、日常とちがう時間を過ごす事になった時
強く感じたことがありました。

私の知らなかった世界はなんと優しいものなのだろう


クリニック往復のためにお願いしたタクシーの運転手さんたち。

父が車に乗り終わるまで、しっかりドアを抑えて
「気を付けて下さいね、ゆっくりでいいですよ」と
声をかけてくださいました。


クリニックの看護師さんたち。

高齢者に慣れているのだと思いますが、
優しく声をかけて下さりながら、
父に手を添えてくださいました。


診察して下さった先生。

先生の質問に、考えながらゆっくりとモゴモゴ答える父を
せかすことなく、しっかり聞いてくださいました。


クリニックの待合室で診察の順番を待っている患者さんたち。

父がよろよろと待合室へ向かっていると
一番近い椅子に座っていた方が
「こちらにどうぞ」と席を空けてくださいました。

父の歩くスペースを広くしようと
ご自分の足を思いきり引っ込めてくださいました。


今まで私と全く関係のなかった世界。
父の不調というキッカケで知った世界。

なんて優しい世界なんだろう。

あまりにも自分中心で、
不満ばかり言っている私の頭の上から
タライが3つぐらい落ちてきたような、そんな感覚でした。


その日私は、たった2時間ぐらいの間に30回以上言ったと思います。

心からの「ありがとう」という言葉を。



【オマケ】

父がよく眠れないと言っていた頃、
時々幻覚のようなものを観ていたようです。
でも、その幻覚が笑えるのでここに書き添えておきます。

父「段ボールが送られて来たんだよ~
  ネコがいっぱい入った段ボール箱が~」

箱いっぱいのネコ?.
想像するだけで、かわいいじゃないかぁ~~~(笑)

その後、たまに「ネコ、送られて来た?」と尋ねてみると
父は笑って「送られてこない」と答えるので
最近はよく眠れているようです。

よかった、よかった。


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