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3月の味覚と明かり|燻製キャラメルナッツ(軽井沢いぶる)と和蝋燭 【前編】

根雪残る軽井沢。今回は3月の定期便に添えた「燻製キャラメルナッツ 80g」を製造されている軽井沢いぶるさんの工房兼ショップへ取材に伺った様子をご紹介します。
凛とした空気の中で、燻製の香りに浸る軽井沢の空気をお楽しみください。

新月に届く和蝋燭の定期便灯火日和ともしびより味覚と灯りコース 
和蝋燭と美味しいあれこれ
3月3日 燻製キャラメルナッツ 80g(いぶる軽井沢様)

軽井沢いぶるさんの店舗前にて

はじめに

和蝋燭の定期便に添える一品を選考するのは楽しくも、かなり大変でした。
HAZEのお客様にお届けしたいののは、作り手の想い・志です。
美味しいだけじゃない部分を探り、辿り着いたブランドが軽井沢いぶるさん。

工房長の中村さんとの対談を、前編・後編に分けてご紹介します。
燻製の香り・食材の風味を120%で味わい、余韻に浸る贅沢な時間。
前編では、和蝋燭の灯火に通ずる、自分のペースに戻るきっかけになる美味しい時間について…

燻製キャラメルナッツの香りを深く吸い込んで、ごゆっくりお読みください。

工房長 中村さんと櫨 佳佑

レシピ通りでは通用しない燻製のおもしろさ

—— 中村さんが燻製に魅了されたきっかけは何ですか。
「元々、都内で10年ほどフランス料理のコックとして働いていました。そんな中、燻製を作った際レシピ通りに調理をしても上手くいかない時があったんです。
同じ素材でも季節によって水分量が違ったり、一筋縄ではいきませんでした。気候や自然を感じないといけない、その調節する難しさがおもしろいと感じたんです。」

—— 和蝋燭と似ていますね。櫨蝋も気温によって固まる時間が左右されるので、自然と共に制作している実感があります。
「きっとHAZE和蝋燭と同じなんですが、僕はもう一度燻製のおもしろさを掘り起こしたいと思っています。
機械的に燻製すれば全部が全部ただの燻製味になってしまいます。
うちの商品は、時間はかかるけど素材の個性が感じられる、素材の良さを引き出せる燻製です。
素材の味や風味が効いているから、燻製が苦手なお客様も思わず「美味しい!」と好きになってくれます。」

—— 醤油や胡椒、オリーブなど品揃えが多いのも魅力ですよね。
「そうなんです。燻製という狭い世界だからこそ、選べる楽しさを提供したいと思っています。シチュエーションやその日の気分で使いたいものがあるはずなんです。お客様お一人お一人の生活に合わせて、気軽に使っていただきたいです。」

一回限りでは終わらない、人と人で繋ぐブランド

—— 日頃、ブランドとして大切にされていることはありますか。
「はい。うちは軽井沢本店も、都内の販売店でも、一組のお客様に一人のスタッフがつく、対面接客を大事にしています。」

—— え、そうなんですか!それは手厚いですね。
大量生産しているわけではなくて、こだわって手間をかけて燻製を作っているからこそ、お客様にはうちの商品を大好きになってほしいんです。
ちょっと好き じゃなくて、めちゃめちゃ好きになってもらいたいです(笑)
そのためには、一回買って終了するような関係ではなく、回数を重ねてお客様の好みにあったものが提案できる…ずっと続く関係を築きたいと思っています。」

—— お客様との関係性が素敵です。それもブランドの魅力ですね。
ありがとうございます。やはり食べていただくなら、美味しさを100%実感して頂きたいんです。ストーリーも含めて食べてみると、全く感動が違うと思います。
こちらは手間をかけて制作していますが、ご家庭では気軽に使ってほしいと思っています。特別になりすぎない、生活の一部にある燻製を目指しています。

自分のペースに戻る時間のつくり方

—— 和蝋燭の定期便では、灯りの中で燻製の香りに浸る時間を過ごしてほしいと考えています。
「いいですね。今の時代、情報を浴び続けて疲れてしまうこともあると思います。自分のペースに戻すのって難しいですよね。
僕は焚き火をする時にも、気を散るものがない状態が好きです。省かれた中で、その世界に浸っています。」

—— 余韻に浸る時間が、心の糧になりますよね。
「僕はウィスキーが好きなんで、よく燻製の香りの癖とウィスキーの相性を探っているんです。それが接客にも活きていますし、その時間が好きですね。」

—— 実は、私も近頃ウィスキーにハマっていまして…いぶるさんのインスタグラム投稿(燻製×ウィスキーのバレンタイン限定商品)を楽しみにしています。

「そうですか!ありがとうございます。ウィスキーって、シチュエーションが大事ですよね。シチュエーションで酔う、と言うか…」

——そうですね、そういう時に和蝋燭を灯してほしいと思っています。
「いつもはハイボールで飲むけど、ゆっくりした時間を過ごしたいから、ストレートで味わいながら飲むとか、焚き火をただぼーっと見ながらちびちび飲むとか。
それって実はとても贅沢な時間ですよね。日々の生活の中で、その時間を作ることが難しいかもしれませんが、海外旅行をするワクワクと同じような楽しい時間の一つとして見出してほしいです。」

次回

後編では、燻製が苦手な人も、思わず「美味しい」と虜になってしまう商品の魅力に迫ります。

伝統技法と現代ならではの技術を駆使するお姿が、自分たちの和蝋燭作りと重なり、この一品を添えたい。と思ったブランド軽井沢いぶるさん。
その根底には、燻製業界の固定概念に縛られない柔軟さを持ち合わせた職人の探究心がありました。

軽井沢いぶるさんのHPをご覧になりながら、お楽しみにお待ちください。


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