コロナ禍でライブはどう変化した?

はじめに

全国ツアー、地方公演・東京ドームを走り抜いた櫻坂46。
自分は地方と東京ドームとで、合計9公演参戦した。

素晴らしいライブだったと思うのと同時に、過去に経験したライブとはまた違う空間に変容してるなと感じていて、かなり意識して過去と現在、とりわけコロナ前後のライブの楽しみ方やTwitterで起こる問題の要因を毎公演考えていた。

特に東京ドーム2日間では、ドーム規模だからこそ見られる圧巻の景色の美しさに触れた人、リアクションがパフォーマンスに影響を与える影響が大きいと実感した人も多いと思う。
※リアクションだけが影響しているわけではない。

初めて参戦するFFさんや知人、古参のFFさんや知人ともこの問題を話しながら、立場も知識も楽しみ方も違う中、どうすればみんなが盛り上がれるのか議論するのは良いことだと思う。

しかし、それが煽り合いになるのは気分の良いものではないし、声高にSNSで叫ぶほど、他所から見て盛り上がってないライブと印象づいてしまうことは指摘しておきたい。

肌感の部分もありますが、今ライブ会場で何が起こってるか、新規・古参それぞれに知ってほしいことと併せて書きました。

長文ですがぜひ読んでみてください。

議論の前提を整理しよう

大前提として、櫻坂46は2020年のコロナ禍に活動を開始したグループ。最後の声出しライブは、2019年のCDJ。(有観客ラストは2019年紅白)もうすぐ丸3年経とうとしてる。

欅坂46から櫻坂46に改名したこの3年間で、何が変わったかトピックごとにまとめた。
1~5では櫻坂46のライブ環境を整理、その上で、6~7で起こっている問題をまとめる。

1.ファン層の変化
2.楽曲の増加と多様化
3.声出し禁止
4.ファンサの増加
5.双眼鏡所有者の増加
6.ハレーションとマナー問題
7.マナー違反時の対応
8.今後について

1.ファン層の変化

欅時代からのファンの中にも、ライブ参戦経験の有無は分かれるし、声出しライブ経験者は3年前からライブ参戦していたことになる。
そして櫻坂になってからライブ参戦した人は、当時のことは円盤でしかしらないという現状。

欅時代は楽曲・MVから興味を持つ人が多かった印象で、アイドルに興味なかったけど、楽曲の世界観を楽しみにライブに行きたいというファンが多く、
ペンラはざっくりとMVや楽曲名、衣装や演出から合わせればいいやみたいな感じだったと思う。なにより、今よりも推しメンカラーを使う人がいなかった。だからベースは緑で、特定の楽曲やユニットで色を変えるみたいな文化だった。
私自身、推しメンカラーを知ってはいたが、点灯した記憶もない。

次に櫻になってどう変わったか。
新規さん複数人と話してみて、そこさくや外番組から興味を持つ人もかなり増えたことが印象的だった。
つまり、メンバーやグループの雰囲気きっかけで好きになった人も多くて、ライブに来て改めてパフォーマンスの魅力に気づくという流れ。
そもそも推しメンが好きだから、推しメンカラーで参戦したい人の母数が、かつてより増えていることを実感した。

もちろん、楽曲から好きになった人もいるが、その方々含めて、3年前のライブの常識なんて知らなくて当たり前だよねとも思う。

2.楽曲の増加

櫻坂の楽曲で思うのは、おそらく欅時代のテンプレではコールを上手く入れられないリズムの曲も増えたんじゃないかな?と思う。

もし、コールが入れづらい構成になっているのであれば、その点勉強してみたい気持ちもあり、ここは音楽に詳しい方にぜひご助力・解説いただきたいのだけど、例えばコールって曲のリズム?で「はいせーの!」を入れるタイミングがなんとなく分かるんだけど、うまく言語化はできない。

櫻になってから、そういうかつてのコールの入れ方は当てはまらない気もしていて、配信見てても、ここでコール入れられるんだっけ?みたいな。

そして、具体例が存在しないので、現状答えは存在していないし、合意形成を図るのも難しいという状態。

個人的には、コール・合いの手・合唱・クラップ入れるとか、新しい形式を模索しても良いと思っている。

3.声出し禁止

ここで一旦、櫻坂から離れて、ライブ一般の話をさせて欲しい。
特に声出し文化を未体験の方にお伝えしたいのだけど、声出しはそれ自体が楽しいって人がライブ参戦者には多い。

席がいかにステージから遠くとも、音楽を聴いて、一緒に歌ったり合いの手入れたりコールすることで空間そのものを楽しむというスタイル。

櫻坂がどうこうではなく、広くアーティストのライブなら声出ししたりクラップしたり、一緒に歌ってレスポンスを返したい人の方が多いことは知っておいてほしい。

そして、もうすぐ来るであろう、声出し解禁。
先ほど説明したように、声出しライブに行きたい人たちが、一気にライブ市場に戻ってくるので、業界としては声出しをいかに演出・誘発するか、その結果、最高のライブだったとグループ名とともに拡散されるかが勝負になるはず。

Buddiesが内輪で揉めてるうちに声出し解禁され、スタートダッシュで出遅れてしまうと、グループにとって大きな損失になることは想像に難くない。

私自身、声出し解禁一発目のライブに参戦できるなら、そういう方には申し訳ないが本気で声を出して、コロナ禍を耐えたお祝いムードを作りに行くと思う。櫻坂も櫻坂以外も。
そのライブの反応を持って、どの曲でコールが必要とか不要とかはまた議論されるんだろうなって感じはする。

同時に、あまり不安がらなくて良いとも思う。
推しメンが目の前に来た時、思いっきり「キャーーーー」っと叫んでみてほしい。
声を出してみるとすんごい楽しいから。

コール文化とか怖いなと思って参戦した欅坂のライブも、目の前におぜが現れた瞬間、びっくりするくらい大きな声だしてて、恥ずかしがってる方が損だなと思うようになった。

4.ファンサの増加

欅坂時代、ファンサもらいたくてライブ参戦している人はあんまり多くなかったと思う。円盤見ても、うちわやボードを持っている人はごく少数で、ファンサもそんなに求められていなかったと思う。

声出しができないコロナ禍では、当然ペンラを振ることがリアクションのメインになる。声出し禁止のパートでも書いたように、声を出せないなら楽しめなさそうって考えて、コロナ禍でのライブ参戦していない人もまだまだいるんじゃないかな。

そんな中でも、グループとして最大限楽しんでもらえるように努力した結果が、ライブ中のファンサ量の増加で、100均やCDショップで応援グッズコーナーが大きくなるほど、この3年でアイドル業界の一般常識となってきている。
当然うちわやボードを持っていく人がかつてより大幅に増え、ファンサをもらうという楽しみ方も増えたと私自身は理解している。

5.双眼鏡所有者の増加

そして、意外と馬鹿にできず、ライブが一見盛り上がってないように感じてしまうのが双眼鏡。

声出しができなくなり、席が遠くとも楽しめるよう、双眼鏡を買った人が増えたことを実感している。
パフォーマンスや推しメンの表情をよく見たいって気持ちは当たり前だと思うし、私自身、3年前よりライブ中に双眼鏡を覗く時間も増えた。

余談だけど、摩擦係数で「まっさっつー!」の時に、双眼鏡からペンラに持ち替えできなかった時は本当に萎えた。

そして、この双眼鏡所有者の増加は、リアクション問題ともつながる。

双眼鏡覗いている間にノれる人っていないと思うし、曲間の演出や、ダンストラックから曲の開始時のフォーメーションを観たくて双眼鏡を覗くってよくやるよねという話を知人ともしていた。

要は、その時ペンラの色は変えられないんだよね。
セトリ分かっていれば、予めペンラの色を変えるとかできるけど、それもネタバレと言われかねないので、とりあえず双眼鏡覗き終わったら変えるみたいなことが現場では起こっていると思う。

人によっては1番終わるまでとか、曲中ずっと双眼鏡で観てる人もいるから、ペンラカラーを変え忘れてるって人も結構見かけたし、双眼鏡覗く人が増えたのだから、そりゃ地蔵って呼ばれる人が多くなったとしても不思議じゃない。

なので、ペンラは揃った方が綺麗だよねと思う人は、変え忘れてないかな?とちょっと意識すると良いのかもしれない。
あとは、「まっさっつー」はペンラ思いっきり振りつつ、モニターで表情も確認しようみたいな楽しむコツは、参戦回数を重ねていくうちに自然に覚えていくものだよなとか思います。

※今回の全国ツアー、見どころ多すぎて3回目くらいまで、どこ観るか・いつモニター観るか全然定まらなかった。

6.マナー

過去と現在で起こってる変化を書いたけど、かなり差があることを、少しは伝えられたと思う。

そして、実際にはこれらの要素が組み合わさって、Twitterで議論される色々な現象が起こっている。
例えばBuddiesはファンサがもらえる曲だから、花道周辺は推しメンカラーにしていて、スタンドは白×櫻ピンクが多い。だけどこの曲はメンバー指定のペンラカラーだからモヤモヤする みたいな。

そして、これらの変化は、コロナ禍で急速に「ライブの楽しみ方」が変化したことで起こっている。

分かりやすいのは、パフォーマンス観えない問題。
過去もあったんだけど、ボードやうちわの絶対数が欅のライブは少なかったし、声出ししてれば満足って人も多かったから、席運が不運だったねで済まされることも多くあまり話題にならなかった。

※もちろん、推しメンタオルの掲げ方についてはかつてから存在するのと、出回っている画像はタオルの端を折っていないことは気になる

今はボードやうちわも増えたし、櫻坂はありがたいことに色々な性年代の方に愛されてるから身長差も激しい。

そうなると、パフォーマンスが観えなかったことが、昔よりもライブの満足度を下げる要因として大きくなっていて、マナー啓発レベルから、明確なルールとして設定されるようになった。

影ナレで「タオルやうちわを掲げるのは胸の高さで」って追加されたのは今年になってからじゃないかな。

このルールが引かれるようになったから起こった弊害もあって、全国ツアーの消灯時、Deadendで拳を上げたいけど、胸の高さ以上になっちゃダメ?みたいな疑問から棒立ちしてしまったという声も聞いた。

また、ファンサをもらうために胸の高さ以上にタオルやペンラ、ボードにうちわを掲げ続けるのと、楽曲のリアクションとして一瞬胸の高さや頭の上に掲げるのは全然意味が違うと思う。
※例えば「まっさっつー」の時に、一瞬頭上よりペンラが高くなる など

前者は個人の欲が優先されていて、後者は全体の一体感・パフォーマンスを盛り上げる観点が強く、この胸の高さより上に掲げないというルールは、主に前者に適用されていると思うが、裁定はファン同士で決めるより、運営が明示しないとダメでしょと正直思っている。

そして何よりも、ルールとして設定されてしまった以上、そのルールを破る人が出ると、また規制が増えるのが個人的には嫌だったりする。

7.ルール違反時の対応

この点も、ルール違反だと思ったら、現地で直接言えという話があるが、私は正直オススメしない。
これは私の経験上、一度だけ現地で注意したことがある。

他グループ推しの方が、スティックバルーンを明らかにテンポをずらして叩き、つまらないなど発言していた時だ。
視界に入れずに済むなら無視はできるのだけど、スティックバルーンはどうしても音が気になってしまい、頼むからテンポを合わせてくれないかと。

この時、注意するまでに2~3曲はやめてくれないかと祈っていたし、注意した後は、むしろ気まずいなーって意識から、ライブそのものに集中・没入できなくなったことを覚えている。

ルールを守れない人は、声かけるのも躊躇われるヤバい人と認識されているわけで、現地で声かけるためにはそれなりの勇気がいるし、その時点で非常に高いストレスになることを伝えておきたい。

そう言うと、係員呼べって話も出てくるのだけど、呼んでる間パフォーマンス観れない憎しみが増すだけ。
だから、その場しのぎに双眼鏡覗いて視界に入れないようにしたり、身体の向きを変えるとかステージを観ることを諦めてモニター観ることで視界に入れないようにするという人がFFさんとも共感した点だった。
 
盛り上げたい気持ちもわかるんだけど、節度を守らないことで盛り上がれない人を生んでいることは自覚してほしい。私は常々、自戒しながらライブに参戦している。

8.今後について

この文章はなんで問題が起きるか?を書いたもので、どうあるべきかまで具体案は言及してないしするつもりもない。

出来る限り古参や新規、盛り上がりたい・パフォーマンスを観たいといった立場の異なる人たちの意見や考え方を拾ったつもりだ。

議論する際には、問題が何で、その問題がなぜ起こっているのか、前提を共有しながら話さないと水掛け論が続くだけ。

私としては、全国ツアーを通じて観て・聞いた現状を考えると、欅時代の常識に戻すのは無理なほど、不可逆な変化なんだと思う。
だからこそ、運営がもっと介入・意識的に情報出さないと、まぁまとまらないよねって立場を取っている。

ファンレベルの話で言えば、東京ドームで一面ペンライトのカラーが揃ったのは綺麗だった・迫力があったといったことを実感した方もいると思う。
まずはファン同士、立場が違う人たちがなぜそう考えるか想像してみてほしいし、伝え方を工夫してみて欲しい。

ライブの一体感をどう作るか設計するのは、まずは運営の仕事。
それに協力するのはファンの心持ち次第。

その点、運営はいつも言葉足らずな部分があるから、ファンの中で大義名分を掲げあった論争に発展するんだと思う。

感情的な言葉を使ったり、煽ったりするのは辞めてほしいし、感情的な言葉で返すのも控えよう。

本気で一体感のあるライブの素晴らしさを伝えたいのであれば、コールは楽しいぞって伝えたいのであれば、そのためのコンテンツを作って提案していこう。

この文章が、少しでも議論の叩き台になれば、またファン同士の無駄な論争が少しでも収まることに役立てば幸いです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?