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【創作BL】シスコン貴公子の真実の愛②

 ルーヴェンス・ティンクはそのとき、十歳だった。

 領地をもたない法衣貴族であるティンク男爵家の屋敷は、貴族としては小さいながらも、きちんと整えられていた。母は女主人として家を守り、父は、当時はよく知らなかったけれど、貿易関係の業務に就いていた。

 さっぱりと清潔で、整頓されていた家は、多くの大人たちによって、すべてをひっくり返されていた。

 父はその場におらず、母親は怖い顔をした男たちに囲まれ、さめざめと泣いていた。

「旦那様がそんなことをするわけないじゃないですか!」

 世話をしてくれていたメイドが、喚いて食ってかかる。男たち――憲兵は、暴力によって彼女を止めた。倒れ込んだ彼女に駆け寄るが、ピクピクと震えるばかりで、返事がなく、ルーヴェンスは恐ろしさのあまりに、彼女の名前を呼び続けた。

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3,218字
万が一続きで中編サイズのものを書くことになったときには、500円に値上げします。(たぶんない)

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