#読書録 無意識に買わせる心理戦略

書名
 無意識に買わせる心理戦略
著者
 サイモン・スキャメル=カッツ

ポイント
1. [ブリストル郊外の大型スーパーマーケットでの調査]
•店内に120台のカメラを設置し客の動きを録画
•毎日12時間、合計5,000時間以上かけて400人の買い物客を追跡
•わかったこと: 買い物客の来店頻度週に2,3回、週に1回の人がそれぞれ3分の1、全体の3分の2がこの店で、必要な食材のほとんどを購入
•定期の買い物: 1週間分の食料を買う
•臨時の買い物: 足りない食料を買い足す
•3分の2が臨時の買い物客
•定期の人は約五十品目を38分で購入、宣伝文句に目を留めやすく陳列棚を順に見て回った
•臨時の人は15品目以下を22分で購入、中央の通路や入口を歩いて棚を見ては通路に戻る

2. [買い物客が視覚的な手がかりとしているもの]
•パッケージの色と形
•店内で使われている特売の表示の色と形
特売の内容は読まれないことが多い

[アクセンチュアのアメリカでの調査]
•特売品のうち半数以上が特売品とは意識されずに購入されている
•特売品のコーナーも買い物客に記憶されているので、特売の内容も読まれない
•「今なら1個の値段で、2個買える!」という特売も買い物客の8割が一個しかかごに入れなかった

3. [決定木分析]
•フォーカスグループの消費者に「なぜXという商品を買うことに決めたのか?」と質問
•消費者は無思慮な買い物をしていると思われたくないので、順を追って合理的に考え選択をしたと示そうとする
•買い物客が5, 6段階の決定木方式で商品を選んでいると言っている

[ソフトドリンクの例]
①どのサブカテゴリか
②メーカー品かプライベートブランド品か
③どのサイズか
④どの味にするか
⑤値段
•しかし買い物客がこれらの思考をしているなら、週1回の「定期」の買い物は14時間もかかる計算で、買い物客はそんなことはしていない
•買い物時間の短縮要因としては、「定期」の買い物では、繰り返し買われているカテゴリの商品の69%が毎回同じブランドであることなどがあげられる

4. [店が提供する品目数と客が実際に買う品目数との大きな差]
•スーパーであらゆる商品の比較検討を行っている買い物客はゼロ
•買い物客の「選択肢を増やして欲しい」は「わたしの欲しいものを置いて欲しい」という意味

[ダノンのイタリアでの試み]
•小売店に自社製品の品揃えを40%減らすことを提案
•売り場の変化に気づいた客はわずか15%
•変化に気づいたと答えた人の大半は、品揃えが増えたと錯覚
•売り上げは商品を減らす前と比べ、20%以上増加
•品数を増やしすぎるとかえって商品が見えにくくなり、逆効果

ブリストル郊外の大型スーパーマーケットでの調査
店内に120台のカメラを設置し客の動きを録画
毎日12時間、合計5,000時間以上かけて四百人の買い物客を追跡
わかったこと
買い物客の来店頻度週に2,3回、週に1回の人がそれぞれ三分の一
全体の三分のにがこの店で、必要な食材のほとんどを購入
定期の買い物:一週間分の食料を買う
臨時の買い物:足りない食料を買い足す
三分の二が臨時の買い物客
定期の人は約五十品目を38分で購入、宣伝文句に目を留めやすく陳列棚を順に見て回った
臨時の人は15品目以下を22分で購入、中央の通路や入口を歩いて棚を見ては通路に戻る

先進国の大型スーパー
四人に一人が店全体を見て買い物をしたと回答したが、ビデオ調査の結果、全体を見渡しているのは2パーセントもいなかった
この認識と行動のずれは、認知地図による
店内レイアウトを記憶し自分の欲しい買い物をするためのもの

買い物客が視覚的な手がかりとしているもの
パッケージの色と形
店内で使われている特売の表示の色と形
特売の内容は読まれないことが多い
アクセンチュアのアメリカでの調査
特売品のうち半数以上が特売品とは意識されずに購入されている
特売品のコーナーも買い物客に記憶されているので、特売の内容も読まれない
「今なら一個の値段で、二個買える!」という特売も買い物客の八割が一個しかかごに入れなかった

決定木分析
フォーカスグループの消費者に「なぜXという商品を買うことに決めたのか?」と質問
消費者は無思慮な買い物をしていると思われたくないので、順を追って合理的に考え選択をしたと示そうとする
買い物客が五、 六段階の決定木方式で商品を選んでいると言っている
ソフトドリンクの例
どのサブカテゴリか
メーカー品かプライベートブランド品か
どのサイズか
どの味にするか
値段
しかし買い物客がこれらの思考をしているなら、週一回の「定期」の買い物は十四時間もかかる計算で、買い物客はそんなことはしていない
買い物時間の短縮要因としては、「定期」の買い物では、繰り返し買われているカテゴリの商品の69%が毎回同じブランドであることなどがあげられる

店が提供する品目数と客が実際に買う品目数との大きな差
スーパーであらゆる商品の比較検討を行っている買い物客はゼロ
買い物客の「選択肢を増やして欲しい」は「わたしの欲しいものを置いて欲しい」という意味
ダノンのイタリアでの試み
小売店に自社製品の品揃えを40%減らすことおを提案
売り場の変化に気づいた客はわずか15%
変化に気づいたと答えた人の大半は、品揃えが増えたと錯覚
売り上げは商品を減らす前と比べ、20%以上増加
品数を増やしすぎるとかえって商品が見えにくくなり、逆効果
   

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