さよならは終わりでは無い #2
鈴『最後の2週間くらい、私のワガママ聞いてよ...』
○「わかった、いいよ」
昨日、彼女の鈴花に引っ越すことを伝え彼女との最後の2週間が始まった。
本来なら今日も学校があるはずで、鈴花が毎日のように僕を呼びに来て2人で登校をする。
今日もそのはずだった。
鈴『おはよ』
○「おはよ、鈴」
鈴『ちゃんと寝れた?』
○「いや荷造りが大変だったから全然。それにしても急に旅行とか準備がキツイって...」
鈴『仕方ないでしょ?あと2週間しかないんだから』
○「それはそうだけど...」
遡ること昨夜、鈴花からLINEで『○○、明日から旅行行こう!準備しといて!んー、5泊できるくらい!』と送られてきて母親から"最後くらいワガママ聞いてあげなさい"と言われ了承した。
僕はどこに行くのかも知らない。鈴花が昨日突発でホテルを取ったらしい。まぁ、よく鈴花の親も了承したものだ。
本来なら、今日は学校。サボって鈴花と旅行に行く。少しだけ罪悪感はあったけど、行くしかないからそんな罪悪感は捨てた。
○「それで、どこ行くの?」
鈴『とりあえず東京駅まで行って新幹線に乗ろ!』
○「はぁ...」
そうして、最寄りから東京駅まで来た。
鈴『やっぱり新幹線といえばお弁当でしょ〜!』
○「そうだね」
鈴『何食べるの?』
○「牛タンかな」
鈴『私は海鮮でいいや〜』
こんな話をしながらお弁当を購入し、新幹線乗り場に来た。
"新大阪行"と書かれた新幹線を前に僕は気づいた。ずっと鈴花と僕が行きたかった大阪に行くんだなと。
僕と鈴花の関西旅行が、今始まろうとしていた。
#3へ続く。
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