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卒業
多分5回目のシュトレンを焼き上げた日の夕方。
奥さんと娘が先に帰って、夕陽が差し込む静かな店先で、ひとりイヤホンでBen Harperを聴いて、シュトレンをひとつひとつ包みながら、ああ、幸せだと思って
そうか、harimayaとして焼くシュトレンは今年でほんとに最後なんだな
この11年と4ヶ月、色々あったねーと思ったら、泣けてきちゃって
実はね、ほんとは、そんなに強い意志があって、このお店を始めたわけじゃないんです
ずっと人生を凄くイージーに考えて生きてきました
だから、ほんの些細な挫折をキッカケに、パンにも人生にもズドーンと疲れてしまって
結果ドロップアウトしちゃった
そんな僕を見て、いろんな方が僕の代わりに奔走してくれて
とあるパン屋さんが、引き継いでくれる人を探してるから、見るだけ見てみたら?って言われて
ほんとはイヤだったけど、その人の顔を立てて、見るだけですよって、思い腰を上げて現場を見たら、パン作りされてる空気感や匂いが懐かしくって
萎んでた心にまた血が通い始めた感じがした
多分そこから4ヶ月弱で計画立てて、融資通して、開業しました
お店をするとわかるんですが、本当にいろんなことがある
これは、甘ちゃんな自分を叩き直す為に神が与えた人生の矯正施設かというくらい、辛いけど逃げられない、そんな感じ
考えて、考えて、考えて、もっと考え続けてきた11年と4ヶ月
生きるという事の意味が、今やっとわかった気がしてます
僕にとってharimayaは、確かに自分が生み出したものではあるけれど、生きることについての道を示してくれた先生みたいな存在でした
もう卒業の時期が来たんですよね
お陰で、心から笑えるようになりました
先生の事はずっと忘れません
この場所が、また誰かの学校になりますように
#和歌山パン屋
#harimaya
#卒業
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