事業創発のためのおすすめ3冊!
こんにちはHAYAです。今回は会社がおすすめした事業創発のためのおすすめ3冊があり、せっかくなので読んでみましたので内容と感想をお伝えしたいと思います。
1.イノベーションの競争戦略 優れたイノベーターは0→1か 横取りか?
内田和成 編著
内田さんは私が早稲田MBA Essentialsというオンライン講座を受けた時の有名な講師の一人でした。どういう経緯か覚えていませんが、10年前くらいに「仮説思考」という非常に有名な本を読みましたが、それも内田さんが書いたものであったことを今さら気づきました。内田先生自体はオンライン講座を受けてとてもユーモアのある気さくな方という印象を受けました。
本著の主たるメッセージは
「新しいことを生み出すのがイノベーションであり、それをどのように生み出していくかが日本企業に欠けている課題だ」という従来のイノベーション理論を覆し、「新しいことはたいした価値ではない、人々の行動変容こそがイノベーションである」という新しいコンセプトを生み出しています。私は個人的に昨今なぜUIやUXが大事だと思っていたかについて肉付けされたと思っています。どれだけ良い技術であっても面倒くさいとお客様はついてこない。ついてこないと行動変容に至らないという決定的な課題だと感じました。また価格戦略や自社の強みをオープンにすることの重要性も感じました。お客様の行動変容を起こすためには、誰でも無料で使える(=スイッチングコストがかからない)というのは圧倒的にお客様のハードルをさげる鍵となっているとも感じました。
イノベーションを引き起こす源泉(ドライバー)は、社会構造・心理変化・技術革新の3つであり、イノベーションを起こす企業はそのドライバーをうまく捉えて顧客に価値を提供している。
このドライバーを捉え、新しい価値を提供し、その新しい価値が顧客の態度を変え、さらには行動を変える、この一連の流れをイノベーションストリームと呼んでいる。この最後の行動変容まで起きないとイノベーションと呼べない(=成功しないか一過性のブームに終わる)。
行動変容を起こすポイントは変化の中で何が求められているかを理解し、適切な価値を提供すること、その際に価値を新しく作る必要はなく、既存価値を転用することで、人々の行動変容をおこすことは可能。
日本企業のイノベーションを起こせない真の阻害要因はせっかくのアイデアや技術をビジネスに昇華することができないこと。ビジネスにさえすれば新しい価値を生み出したのかが誰であるかはどうでもよい。
新しい価値を「自ら」生み出す必要はないし、新しい価値は技術革新によってもたらせるというより社会構造の変化や消費者や組織の心理変化からもたらせることが多い。
面倒くささやリスクを極力取り払うことで、心理面の壁をなくし人々が行動変容を起こしやすくする。
イノベーションは技術革新と誤訳されて久しいですが、新しい価値を生み出し人々の行動変容をもたらすものと定義し、自分としては、社会構造や心理変化に敏感であり、そこに(他者がもともとやっていたものであろうとなかろうと)適切な価値を提供させていきたいと思わせる一冊でした。
2.ニュータイプの時代 ー新時代を生き抜く24の思考・行動様式
山口周
山口さんの本は、私は過去「外資系コンサルのスライド作成術」という本でお世話になりましたが、あまり内容の記憶ありませんでした。有名な本は「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか」です。ニュータイプとか言葉がベタ過ぎて、ぱっと見、あまり期待していなくて読んでみたのですが、読んだ感想は非常に面白い!です。自分はニュータイプでありたいと思いましたし、伝統的な大企業にいると自分もオールドタイプに染まりそうになりますが、自分らしくあるため、この本には非常に勇気づけられた気がします。以下、ざっと目次を拾いながら、自分の感想を述べたいと思います。
第1章 人材をアップデートする6つのメガトレンド ーニュータイプへのシフトを駆動する変化の構造
①飽和するモノと枯渇する意味
②問題の希少化と正解のコモディティ化
③クソ仕事の蔓延
④社会のVUCA化
⑤スケールメリットの消失
⑥寿命の伸長と事業の短命化
第2章 ニュータイプの価値創造 ー問題解決から課題設定へ
1 問題を解くより「発見」して提案する
2 革新的な解決策より優れた「課題」
3 未来を予測せずに「構想」する
次期商品を考えるときに、ちょっとした漸進的進化の提案ばかりになってしまうのは別に今の商品で満足しているので決定的な問題がないからだと再認識。そして潜在的ニーズは何かとか深堀をするのでしょうが、もっと大きな意味での課題設定できる力が大事だと感じた。また未来を予測して何かをヒットさせるというスタイルもよく横行しますが、自分が(商品を通して)どういう未来を作りたいかが大事だというのはその通り。イノベーションは手段であって目的ではない、まずは自分が解決したい課題は何なのかを考えて行動していくと結果的に手段がイノベーティブと言われるといことになる。
第3章 ニュータイプの競争戦略 ー「役に立つ」から「意味がある」へ
4 能力は「意味」によって大きく変わる
5 「作りたいもの」が貫通力を持つ
6 市場で「意味のポジション」をとる
7 共感できる「What」と「Why」を語る
「役に立つ」だけを追い求めると陳腐化してしまうというのを論理的に解説。日本企業がまさに陥っているところだというのは身をもって感じる。そして意味あるものの値段がつくというのもその通り。そして意味づけで、人の能力も変わっていく。よく大企業で横行してしまう共感されないビジョンをかかげるのではなく、共感をともなうWhyとWhatを自分自身でも考えていきたい。
第4章 ニュータイプの思考法 ー論理偏重から論理+直感の最適ミックス
8「直感」が意志決定の質を上げる
9「偶然性」を戦略的に取り入れる
10 ルールより自分の倫理観に従う
11 複数のモノサシを同時にバランスさせる
論理ばっかりに陥るということは仕事で実感。上司や幹部を説得するのに論理じゃないといけないと思っていたが、このVUCA時代に論理の探索では、適切なタイミングで行動して結果を出していくということもできないと感じた。綿密な計画を立てることに時間をかけるより、偶然性を戦略的に取り入れてAgileに動いていくということを肝に銘じたい。またルールも最新技術で追いつかないので自分の倫理観に従っていくということも大事。
第5章 ニュータイプのワークスタイル ーローモビリティからハイモビリティへ
12 複数の組織と横断的に関わる
13 自分の価値が高まるレイヤーで努力をする
14 内発的動機とフィットする「場」に身を置く
15 専門家と門外漢の意見を区別せずフラットに扱う
Out of comfort zoneをワークスタイルでも実践していく必要があるのかもしれない。別にComfortから離れるというより自分の好奇心に従って殻に閉じこもらずにやりたいことに挑戦するということが自分のスキル向上にもつながるし、社会に役に立つと感じる。これまでの専門家や経験談は当てにならないということで、若手や門外漢など色んな意見をフラットに聞いていく重要性を再度認識した。
第6章 ニュータイプのキャリア戦略 ー予定調和から偶有性へ
16 大量に試してうまくいったものを残す
17 人生の豊かさは「逃げる」ことの巧拙に左右される
18 シェアしギブする人は最終的な利得が大きくなる
「逃げる」ことはそれも勇気であり、別の角度からトライすることが重要。基本的に伝統的な大企業は引き際が苦手であるというのはその通りだと思うし、何かをやるときにこれまでのものをやめられないということも自分の仕事にも当てはまるので肝に銘じたい。オピニオンをいうことを恐れる文化があるがそれが企業を破滅に導くということを念頭に、自分としてはオピニオンはこれからも言っていきたいと思うし、別に一か所にとどまらず、必要に応じてPivotすることを素直に取り入れて行きたい。
第7章 ニュータイプの学習力 ーストック型学習からフロー型学習へ
19 常識を相対化して良質な「問い」を生む
20 「他者」を自分を変えるきっかけにする
21 苦労して身につけたパターン認識を書き換える
リベラルアーツと傾聴の重要性。これは自分が常に好奇心旺盛であること、自分に正直であることと似た意味だと感じる。もっと世界を知りたい気持ちに嘘をつかずに学んでいく姿勢が大事だと感じた。
第8章 ニュータイプの組織マネジメント ー権力型マネジメントから対話型マネジメントへ
22 「モビリティ」を高めて劣化した組織を淘汰する
23 権威ではなく「問題意識」で行動する
24 システムに耽落せず脚本をしたたかに書き換える
最終章でいっていることは結局は自分の仕事観や人生の意義に直結する話だと思った。「他人の人生を生きるな、毎朝鏡を見て今日やることは本当に自分が明日死んだとしてもやりたいことかを問え」というスティーブジョブズの言葉と通じるところがあるし、さらに彼の言葉を借りれば"Stay Foolish, Stay Hungry" 自分の問題意識を大切にそれを基に行動して、現実的にシステムを修正していく勇気が大事だと感じた。
3.実践型クリティカルシンキング
佐々木裕子
佐々木さんは私は知りませんでしたが、日銀・マッキンゼーで働いた後に独立してチェンジウェーブを創立して活動されているお方です。本とは関係ないですがTEDx Tokyoでプレゼンされていました。
クリティカルシンキング自体は、グロービスの授業を受けたことがありましたが、復習の意味も込めて読んでみると新たな気づきもあるものだと感じました。この本自体は非常に読みやすい構成で書かれており、私は1時間半で読み終えることができました。以下、本で書かれているポイントです。
クリティカルシンキングとは…
目指すものを達成するためのツール
クリアになっているか、常にチェックする3つのこと…
①目指すものは何か?(いつまでにどのくらいのレベルで?)
②今と目指す姿のギャップ(=課題)は?
③ギャップを埋めるための具体的な施策は何か?
クリティカルシンキングで必要な2つの力
①目指すものを定義する力
「なぜ、具体的に、いつまでに」目指すかを決める
Specific 具体的
Measurable 達成できたかどうかを事実で判断できる
Action Oriented アクションに落とせる
Relevant 意義が明確
Time-limited 期限が明確
②ズームイン・ズームアウトする力
これを鍛えるための3つの質問「なんで?ほんと?具体的には?」
課題特定をするときのコツ
・ピラミッドストラクチャーで分解
・なぜを4~5回繰り返す
・MECEな切り口に分解する
・意味ある切り口になるように何度も試す
打ち手を考えるのは難しくない、上手くいかないときは
・目標設定があいまい
・問題の本質がつかめていない
クリティカルシンキングを目標設定のために使おうと改めて感じた一冊でした。やはりよくある会社に陥りがちなことは打ち手ばかりを考えていて、目指すべき姿と問題の本質をつかめていないことだと思います。本にも書いていましたがこれまでの日本というのはこういったビジョンや課題の本質は何かを考えることが苦手で、軍隊のように働くことが良しとされていた時代でもあったので、まさに変わる時だと感じます。自分の人生の目標でも仕事の目標でも何でも、紙と鉛筆をつかって、SMARTのフレームワーク等も活用しながら何度も書き直したり熟考して、腹落ち感のあるアクションにつなげられるようにしたいと思いました。
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