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制作ノート 2021.09.14

自粛期間の最終日。
二週間近い制作の日々が終わろうとしている。

午前中、三木成夫の「生命形態学序説」の続きを読む。
植物と動物の体制における双極性など、非常に興味深い内容。一度整理してまとめておきたい。

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もう一度、相称性(シンメトリ)ということに立ち返ってみる。
放射相称と左右相称、どちらをも絵のなかに取り込むことで、そこに生命の様相が立ち込めるのを見つけようとする。

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絵具をつかって展開しようとするが失敗。左右の均衡が不自然になると、自然のリズムは途端に力を失ってしまうかのようだ。筆による描写の表情も、どこか生ぬるい。一旦間をおいて、塗りつぶすことにする。
二週間の、最後の制作。

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画面をひっくり返し、筆の勢いを強めて、不均衡さの中にある流れを読み取りながら、力をふきこむ。色調においては調和をはかる。これが功を奏したのか、かたちとしては不安定なものの、シャマンのような気配が感じとられた。
目を二つつけてみる。ますます何かが現れてくる。

真正面を向いた生命が、こうも鮮やかに目覚めたのは初めてかもしれない。

見方を変えれば、トーテムポールのようなものも見えるし、顔周辺の形のなかに、生きもののシルエットがぼんやり浮かぶ。このあたりは、新しい絵の着想になりそう。

産むことの苦しみを、そろそろ感じ始めていた頃だった。産まれかけただけでも、幸せだ。静かな高ぶりが押し寄せてくる。


週末は、小さなライブペインティングを行う予定。少しずつ前へ進みたい。

いただいたサポートはすべて、旅のために充てたいと思います。