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こんなに一生懸命やってるのに、なんのムーブメントも起こせない。

「いいですねー」
「あれこれ愉快に動きつつ、ぜひご一緒に、世の中の波、じわじわ引き起こしてゆきましょう!」


いつだったか、もうだいぶ前のことになるけれど、尊徳の七代目の孫の中桐万里子さんにこう相談させてもらった。


「死ぬほど一生懸命やってるのに、なんのムーブメントも起こせない。僕は日本とか世界を変えたいんじゃなくて、歴史そのものを一新させたいんです。この世知辛い覇道の世を思いやりの王道の世へと」

「誰もがそうだと思ってくれてるのに、なんで僕がやるとなにも起こらないんだろうかと。TikTokみたいなエロアプリは世界で流行るのに、僕の本はもう高久書店さんにしか置いてもらってない」


これはギャグではなくて大真面目で言っていて、心の底から死ぬほど悩んでいるのである。

にのきんサロンという中桐さんのサロンがある。

FBのグループで中桐さんや彼女の仲間の方々と交流できる場所で、驚くべきことに月会費は1500円なのである。僕はちょっと前まで貧乏すぎてクレジットカードを毎月飛ばしていたから、それすら延滞してしまったことがあるけれど、友人の岡村のおかげで今はちゃんと払えている。

2年以上お月謝を滞納されていた方との激烈バトルなどを通して、お金の催促というものがどれだけ面倒臭いものかと自分で痛感した今、なんとも申し訳ないことをしたと心から反省しているのです。中溝さんにも、本当に申し訳なかったのです。。。

かけてしまった迷惑は、いつか必ず埋め合わせをさせていただくと心に誓っているけれど、僕がなんのムーブメントも起こせない非力な奴だという相談に中桐さんがかけてくれたのが冒頭の言葉だった。

この言葉にはどれだけ助けられたか分からない。「俺は非力だ」という考えが頭をもたげてくるといつも、携帯の中にあるこの励ましを見返すのだ。

『二宮金次郎の幸福論』という本がある。

中桐さんの著書だ。

ちなみに表紙にある金次郎の顔は、弟子が描いた本物の似顔絵である。金次郎はなぜか自分の似顔絵を描くことを許さない人だったから、極めて貴重な肖像なのだ。どうしても小学生のいたずら書きのように見えてしまうけれど、貴重なものは貴重なのである。

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こんなことが書かれていた。

「この頃、わたしは仕事をはじめたばかりで、活動がなかなか前に進まないことや、自分の仕事があまりにも小さいことなどを不安に感じていました。こんなんでいいのだろうか・・・と」(57ページ)

まさしく俺と同じことを、中桐さん自身も感じたことがあったのだ。
中桐さんは彼女のお母さんに助けられた。

皆既日食のツアーから帰ってきたお母さんが、こうつぶやいたそうだ。

「ゼロとイチの違いに感動した」

太陽が一欠片でも見えていれば、世界は闇にならなかったからだ。
そして中桐さんにこう伝えてくれた。

「100なんか目指さなくてもいいじゃない。世界は、たった一の光で十分に明るいのだから。どんなに小さくてもあなたなりの活動がそこに『ある』ことを大事にしてゆけばいいと思う」

僕は100ばかり見てしまっていたのかもしれない。どんな勉強も積小為大、基本の積み重ね以外ではあり得ないのに。「なぜ俺は100を作れないのか」と悩んでいた。

「金次郎の像で一番大事なのはどこか分かるかい?」

中桐さんはお婆ちゃんにこう問われたのだそうだ。

「本?」

「いいや」

「薪?」

「いいや」

「一番大事なところはの・・・」

「一歩踏み出している足なんじゃよ」

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金次郎は弘法大師が湧かせた温泉よりも、農業の方が偉大だと言う。

「温泉の奇跡は一度限りではないか」
「田を耕して稲を実らせれば、誰でも永遠に身を立てられるのじゃ」


『金次郎の幸福論』にこうある。


「彼が愛し、大切にしたのは、鍬で大地を掘り起こすこと。春に苗を植えること。草取りをすること。実りを待つこと。ともすれば、些細にさえ見えるそんな作業でした。しかし彼は、この小さな作業にこそ、生きていることの意義や価値を味わっていたのです」

「ともすれば見逃してしまいがちな小さなものに光を当てる。それが金次郎流なんです」


一燈照隅。
100ではなくて1を。


完成ではなく、踏み出しているかどうかだった。
遠くではなく、ここに起こせる小さな奇跡なのだ。

一の価値を見据えられない奴に、百を作れるはずがなかった。


一燈照隅。
100ではなくて1を。


一つでも進めたら、もう上出来じゃないか。

お読みくださいまして、誠にありがとうございます!
めっちゃ嬉しいです😃

起業家研究所・学習塾omiiko 代表 松井勇人(まつい はやと)

下のリンクの書籍出させていただきました。
ご感想いただけましたら、この上ない幸いです😃

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サポートありがとうございます!とっても嬉しいです(^▽^)/