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最高の介護って


俺が必ず、この介護業界を変えてみせる!!
なんて大きなことは思わない。というか僕にはそんな力はない。出来ることはただ一つ。誰にでも出来る当たり前のことを、当たり前に続けていくことだ。

寝たきりだったおばあさんが、トイレに座るというきちんとした排泄ケアにより、オムツが外れ、見違える様に元気になった。
暴れ回っていたおじいさんが、薬を見直し、関わり方を変えることで、すっかり穏やかになり、みんなの人気者になった。

自分たちが関わることで、目の前のお年寄りの生活が、ほんの少し豊かになった。そんな日々をただ紡いでいく。そしてそれをほんの少しずつ共有していく。

「ならこのおばあさんのオムツもきっと…」
「あのおじいさんならいけるかも…」

そんな思いが広がれば、少なくともそこに携わる人は変わり、その人の目の前にいるお年寄りの生活は変わる。それは革命とは言い難い、些細な変化なのかもしれない。たが、そのおばあさんにとっては、自らの世界に革命が起きたほどの変化だと思う。暮らしを諦めていたあのおばあさんが、この身体でもう一度生きてみようと思えた。そんな思いを引き出すことが、介護にはできるんだ。

今も昔も、老いは不変だ。お年寄りの望むものは変わらないように思う。最後まで自分らしく生きたい。それを支える僕らが行う介護も、きっとこの先変わらない。多種多様な趣味嗜好を持ったお年寄りが現れても。目まぐるしく変わるIT業界が参入してきても。効率化だけを目指した価値観が世間を覆ったとしても。ただ当たり前のことを当たり前に。

目の前のお年寄りの生活を変える。それがひいては、世界を変えることになるんだ。

さぁ、まずはあのおばあさんをトイレに誘ってみよう。話はそれからだぜ。

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