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点音源と二重音源によるシングルエンドとBTLの考察

「シングルエンドによるボイスコイルの駆動とBTLによるボイスコイルの駆動の違いにより、スピーカーから出力される音波に違いが生じるか?」という問題の考察の続きです。

次のリンクが参考になります。

まず、シングルエンドによる駆動でスピーカーから発生する音圧分布は点音源に相当すると考えます。z軸方向にボイスコイルおよび振動板が変位すると考えて、リスナーはz>0のz軸上に位置すると仮定します。

一方、BTLによる駆動でスピーカーから発生する音圧分布は二重音源に相当すると考えます。シングルエンドと同様にリスナーはz>0のz軸上に位置すると仮定します。

z>0の領域で、z軸上の音圧分布は、点音源も二重音源もほぼ同じですが、x軸の変位に対しては、点音源は一定ですが、二重音源は2つの逆相(z = d/2, z = -d/2)の音源同士の干渉によってxに比例して音圧は減少します。

つまり、スピーカーの軸特性に違いが生じます。

数値モデルではピストンモーションにずれや揺らぎがないため、一様ですが、実際のスピーカーユニットでは、釣り鐘モード振動などの分割振動も生じるため、x軸、y軸に関して非対称な音圧分布になります。

結論としては、BTLによるボイスコイルの駆動は逆相による信号でz=0での音圧分布は常に0となるため、シングルエンドによる駆動よりも指向性が高い音圧分布になるようです。

したがって、BTL駆動の方が音圧分布の指向性の向上により、部屋の反射の影響を受けにくくなり、ステレオ再生においては左右のチャネル間の干渉も減るということになります。

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