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BOB DYLAN Garden Theater 2023 4/12 DeadのTruckin’登場 & 音源などまとめ

‘Wnndesday is an anything-can-happen’s day’ (水曜日はどんな事でも起きる日だ)、映画「エンゼル・ハート」でミッキー・ロークが漏らした言葉を聞いて以来、36年間頭の奥から離れない台詞だ。そして今日は水曜日だったのだ。

Alan Parker film ANGEL HEART

そして有明、いざガーデンシアターへ!

デジタルサイネージだけでワクワクしてきた。開演2時間前、気の早い方々が既に到着。早く見たい。


THINGS AREN’T WHAT THEY WERE (昔のまんまではない)と小さい字で書いてあったことに後で気づいた。ご丁寧に、冒頭に宣言してあったのだ😆

セットリスト全てを何度も繰り返し聴き、歌詞を読んだ。こんな予習は初めてだ。これまでのディランコンサートには東京公演行ける全てに足を運んできた。しかし今回は今日4月12日一度きりと決めてる。

ROUGH AND ROWDY WAYS +

最新アルバムROUGH AND ROWDY WAYSからMURDER MOST FOUL以外の全曲を演る今回のコンサートは異色だ。何か深い意図があるはず。3年前、コロナ禍でJAPAN TOURがキャンセルになった後、2020年3月27日、唐突に発表された17分にも及ぶ新曲MURDER MOST FOULにはディランの言葉が添えられていた。

MURDER MOST FOUL(最も卑劣な殺人)とBOBからのコメント

「どうぞ安全に過ごされますように、油断することがありませんように、そして神があなたと共にありますように」Bob Dylan
今更人気取りをする必然性もないので、ファンに対する単純に素直な想いなのだろう。優しい人柄なのだ、と思った。

座席は5列目(1列目は無かった)センターの特等席。西洋人がチラホラ。ツアー追っかけDylan Headsらしき方々もいる。ボクの斜め後ろは菅野ヘッケルさんでびっくり。今宵はボクを視界に入れながらディランを見ることになる。なんか嬉しく誇らしい。

暗転。ベートーヴェンが鳴る。メンバーが入場、数十秒後にはWATCHING THE RIVER FLOWがスタートした。さあ、始まりだ!

ん?ボーカルが聞こえ辛い…と思ったのも束の間。ディランがマイクスタンドを引き寄せて以降、ドッと川は流れ始めた(Watchin’ the river flowだけに😅)。

ロックンロールのフィニッシュを決めた後「THANK YOU EVERYBODY!」と叫んだ。2度目のサンキューいただき(笑)
「ドラムはジェリー・ペンテコスト、ギターはダグ・ランシオ。you might know Danny is a starミュージカルコーチ トミーなんたら〜。もう1人のギターはボブ・ブリット。ドニー・ヘロンがスティールギター、30年なんたら。ベースはお馴染みトニー・ガーニエ」と楽しそうに笑い声を出しながらのメンバー紹介から地続きでMOTHER OF MOSESになだれ込む。やおら、会場は静謐な空気に包まれた。

大きな感動と共にコンサートは終わった。皆、一斉にスタンディングオベーションだ。6人が一列に並び、客席を見渡し終えるとステージライトが消え、ボブ・ディランとバンドも消えた。すると再びベートーヴェンが鳴り響いた。

バーンスタインがバイエルン放送楽団を指揮した「レオノーレ序曲3-72A」が流れる中、ヘッケルさんがボクに声をかけてきた。

ヘッケル「あのロックンロールの曲名って分かりますか?」
戸髙「分からないんですよ、曲名」
ヘッケル「いきなり演ったんだよね今日」
戸髙「ヘッケルさんが分からないの、俺分からないっすよ(笑)握手してもらってもいいですか?」菅野ヘッケルさんが嬉しそうに笑った。痩せている割に豊かで柔らかな手だった。

すぐ後、ピーター・バラカンさんと会ったので尋ねた。

Todaka「今日いきなりカバーしたロックンロールの曲って分かります?さっきヘッケルさんに聞かれたんですけど答えられなくて」
Peter 「あの、Grateful Deadのじゃなくて?」
T「あ! グレートフルデッドの何でし…」
P「TRUCKIN’」
T 「(小声になり)あ、そうかトラッキングだったんですね…」
P「(小声がうつり)そ、そ、そぅ(笑)」
T「(まだ小声で)あ、、分かりました。」
P「(笑)」
T「ヘッケルさんに2回聞かれて答えられなくて…」
P「え!?ヘッケルさん知らなかった?」
T「知らなかったです。ボクにいきなり聞いてきて」
P「うそ?ええっ!?」
T「はい、こっちが聞きたいですよ(笑)」
P「ええっ(心底驚き)…知らないのかぁ」
T「(笑)知らなかったんですよ」
P「ほんと(納得した)…あまりにもディランだけ聞いてきたからか…(笑)」
T「そうかも知れないですね(ブリティッシュジョークかな?と思いながら)」
P「ねっ(笑)」

ひとつだけ心残りがある。それは、ヘッケルさんと握手した時、ボクはディランとも間接的に握手したつもりだったが、言えなかったひと言がある。

IF YOU SEE HIM SAY HELLO.

そう、単なる親父ギャグ(If you see her say helloというディランの有名曲をもじっただけ)を言えなかったのが、心残りなのだ。ヘッケルさんは何度もディランに会っている。次会ったら握手してくれますよう🤝

もうすぐ82歳のBob Dylan、世界ツアーでニューアルバム新曲を全曲演る人は「名盤Sticky Fingers 全曲ライブ」みたいな企画コンサート以外では世界の何処にもいない。唯一無二の現役ミュージシャンBob Dylanの矜持たるや凄まじい。長生きしてまた桜咲く季節に来日してほしい。

2023年4月12日、至極の水曜日
Wednesday ,Anything-Can-Happen’s Dayでした。

2023/4/12 TOKYO DAY 2

TRUCKIN’ / Greatful Dead cover

ONLY A RIVER Nagoya 4/20 何と美しいカバーだろう

PS 誰かがレコーダー持ち込んでNOT FADE AWAYを記録していて驚きました

BROKEDOWN PALACE なんと美しく儚いアレンジだろう2023/4/14


BOB DYLAN 2023 JAPAN TOUR SETLISTS’s Apple Music PLAYLIST so far including Truckin’ , Melancholy Mood , Not Fade away ➕Beethoven’s BGM ↓

【Bob Dylan<"ROUGH AND ROWDY WAYS" WORLD WIDE TOUR 2021 – 2024>】※2023年4月12日(水)
東京ガーデンシアター 

1. Watching The River Flow
2. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
3. I Contain Multitudes
4. False Prophet
5. When I Paint My Masterpiece
6. Black Rider
7. My Own Version Of You
8. I'll Be Your Baby Tonight
9. Crossing The Rubicon
10. To Be Alone With You
11. Key West (Philosopher Pirate)
12. Gotta Serve Somebody
13. I've Made Up My Mind To Give Myself To You
14. Truckin’ (Grateful Dead’s cover)
15. Mother Of Muses
16. Goodbye Jimmy Reed
17. Every Grain Of Sand

Bob Dylan vo,piano
Bob Britt guitar
Doug Lancio Guitars
Donnie Heron Pedal Steel,Violin,
Tony Garnie Upright Bass, El bass
Jerry Pentencist Drums

1987年 Bob Dylan、George Harrison、Taj Mahal、Jesse Ed Davis、John Fogerty at Hollywood

大阪DAY 1 2023/4/6

大阪DAY 3 2023/4/8

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