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パニック障害との付き合い方: 前編「私とパニック発作」


久しぶりに書きます。
私はパニック障害を寛解し、「将来もう一度なったとしてもいくらでも乗り越えられるな」と思える程度になりました。その過程を聞いてみたいと、言ってくださる方もいましたので、誰かの役に立てばと思い書いてみることにしました。

パニックに陥る原因は人それぞれなので、私の原因と思われるものと症状について事前に少し書いてから、これまでどうやって付き合ってきたかを書いていきたいと思います。

書いていて長くなってしまったので、「原因と症状」を前編、「どう付き合ってきたか」を後編にしています。
付き合い方が気になる方は、まず後編をお読みください。

原因

私がパニック発作を起こした主な原因は、金銭面、未来への不安です。

私がパニック発作を初めて起こしたのは、3年前のことでした。当時は、出費がかさんだり、仕事の給与の入金が遅れるなどの事態があったりして、どんどん通帳からお金が減っていく日々を過ごしていました。
「このままお金が減っていくとどうなってしまうのか。。。」という不安感で眠りにつくのが遅くなり、加えてスマホに手を伸ばしてしまい、さらに眠る時間が遅くなるという状態でした。

そんなある日にパニック発作を初めて起こしました。
いつも通りあまり眠れず朝6時くらいに目が覚めました。トイレに座り、「あぁ、仕事やだなー」などとふと考えていときに、不安感が強烈にやってきました。
動悸がして、落ち着きがなくなり、そわそわしてしまうのです。その時は「眠れていないからかな?」と思い、少し深呼吸をして、布団に戻りました。
しかし、戻ってからも動悸は収まらず、不安はどんどん増していくばかり。最後には自分で自分の身体を動かすことができなくなってしまい、恐怖のどん底で、彼女に救急車を呼んでもらったことを覚えています。
救急車で不整脈が出ていたらしく、隊員の方が少し驚いていた覚えがあります。病院についてからは点滴を打ちながら、診察がありましたが、医師も原因がわからず、特段何も診断されずに家に帰りました。

症状

症状としては、以下のようなものになります。

  • 不安感で何も手につかなくなる

  • その場にじっとしていられなくほど怖くなる

  • 人がいる場所にいられない

  • 車の運転が怖い(今も誰かを轢いてしまわないかと考えてしまい苦手ですが、発作が起こるかもしれないという恐怖はなくなりました。)

一般的な症状が多いのではないかと思います。もともと小さい頃から心配性だったのですが、その心配度合いがさらに増し、他の用事に意識を向けられなくなったりしていました。

不安で手につかない=>手につかないから作業が進まない=>不安なことが増える

上記のような負のサイクルも発生していました。

時間軸で書いてみると以下のようなものになります。あまり記憶が定かでないことも多く、詳細に覚えているわけではないので、日数はおおよそです。

1日目~10日目

  • 「発作が起こるかもしれない」という不安でパニック気味になっていた

  • スーパーやコンビニに入るのも怖く、発作後1度目にスーパーに入ったときには怖すぎて、自分が惨めで泣いてしまった。(この出来事があったので、自分でも如何に悪い状態なのかを認識できたため色々行動に移すことができました。)

  • 相変わらず睡眠はあまり取れていない

  • 運動週間は皆無

  • 不安症を治す 著:大野裕」という本を読む(「不安はなくさなくていい」という言葉に、不安をなくなきゃと焦っていた私はだいぶ救われました)

  • メンタルクリニックの予約をいれる(2~3週間ほど先にしか空きがなく、メンタルクリニックってこんなに予約取るの大変なんだと思った覚えがあります。)

上記のような感じです。
ここまではパニック障害という名前も知らず、ただ不安に問題があるのだろいうと推察をもとに情報収集をしていました。

11日目~30日目

  • 家の中でパニックになることは収まってきていた

  • 外出時は、「パニックになったらどうしよう」という気持ちが拭えず、遠出ができないままでした

  • 徒歩圏内のみが多く、車は助手席でもあまり落ち着かず、電車だとボックスシートに座れているときは安心できることがわかっていました

  • メンタルクリニックで「パニック障害」と診断され、頓服薬をいただきました。(薬の名前は覚えていません。3ヶ月ぐらいはお守りとして肌見放さず持っていましたが、飲んで悪影響が出たら嫌だと思って、最後まで飲むこともありませんでした。)

  • 母親と週に1度電話をするよう協力を仰ぐ(なんだかんだ今も続いています)

  • ストレスフリー大全 著:樺沢紫苑」を読み、できることから取り組みだす。睡眠、運動、食生活、スマホとの距離感に気をつけ始める。(樺沢先生はYoutubeもおすすめです)

2ヶ月目~4ヶ月目

  • 徒歩圏内では、不安感に襲われることはほとんどなくなったと思います

  • 仕事で難問にぶつかり、うまく進められないときなどは不安感が押し寄せる感覚がありました。昼寝をしてみたり、外の空気を吸ったりして落ち着かせながら進めていました。

  • 不安感はましになっていましたが、眠れない日もよくありました。そういう日々は本当にしんどく、不安が頭の中で無限ループしそうになるたびに、紙に書き出して、落ち着かせたり、少し外に出て夜風にあたったりお風呂に入ったりしていました。

  • 散歩を積極的に行うようになった(この散歩の習慣は今でも続いています)

  • 日記をつけるようになった

  • 好きなアーティストの平沢進も昔パニック発作に苦しんでいたことを知る(自分が尊敬している人も乗り越えていたと思うと、なんだか頑張れますよね)

  • ジムに通うようになった(FIT365というすごく安いところが偶然近くにあり、走るマシンだけ使っていました。今ならチョコザップとかが良いかもしれません)

走るようになってから大きく状態がよくなりました。
不安感が襲ってくると心臓がドキドキして、それがさらに不安感を押し上げてきていました。当然走ると心臓がドキドキしてきますが、不安感のときのドキドキ感とは違い、不安が押し上げられることもありません。
この走っているときの心臓の拍動を頭と身体が思い出したことにより、不安感でドキドキしても不安がさらに増加することが減っていったように思います。

5ヶ月目~1年

  • 日常生活では不安感がでることはほとんどなくなっていました。

  • ただし、眠ることが苦痛になることは定期的に発生していました。

  • 「自覚と悟りへの道 神経質に悩む人のために 著: 森田正馬」という本を読み、「あるがまま」の自分と向き合う行動を取れるようになる。

この本の著者は「森田療法」という有名な精神療法を生み出した方で、その内容が当時の私には新鮮で、パニックや不安症とさらに向き合うことができました。今でも不安に襲われそうなときは、予防として読み返すことがあります。

2年目

  • 遠出の際に不安になることがまだあり、旅先で体調不良になることが多かったです。

  • 睡眠も相変わらず眠れないことがあると、しんどくなる未来を想像して不安に怯えることが時々ありました。

これまで整えてきた、睡眠、運動、食生活、スマホとの距離感、寝る前の脱スマホなどを継続していました。もちろん、夜遅くまでスマホを触っちゃているときもあります。ただ、それを2日、3日と続けさせないということを意識していました。

3年目

  • 体調不良もほとんど起きず、起きても少し休めば回復するものだったり、多少無茶して遊んでいると忘れているような状態になりました

  • 睡眠も眠れない日はありますが、眠れなくていいと心の底から思えるようになりました。「眠れなくても、まぁなんとかなるだろう。いつか勝手に寝たくなる。」こう思って、本なんかを読んでいると、気づいたら眠っていて、朝まで起きていることがほとんどなくなりました。

同じく、これまで整えてきた、睡眠、運動、食生活、スマホとの距離感、寝る前の脱スマホなどを継続していました。
加えて、外のコミュニティに参加することを意識し、実際に少しずつ参加していました。

この3年間を振り返って

本当にいろんな人に恵まれた日々だったと思います。
勇気を振り絞って、現状を伝えることで周りの方々から、多くの助けを得られました。

家族は、兄が双極性障害を持っており、また母がもと看護師ということもあり、理解があり、定期的に連絡を取ることに非常に協力的でした。
友人も定期的に連絡をくれて助かりました。彼女には、旅行に行って旅先で体調を崩すことを何度もしてしまい、楽しくない思いをさせてしまったと思いますが、愛想をつかさず一緒にいてくれています。
メンタルクリニックの先生にも、たくさん話しを聞いてもらい落ち着けました。樺沢紫苑さん、名越康文さん、森田正馬さんなんかの本、動画などにも非常に助けられました。それ以外にもたくさんの本、漫画、アニメなどに支えられて生活リズムを整えられてきたように思います。

今度は私が誰かを少しでも支えられたらなと思っています。といっても私が無理しない程度にですが。

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