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最高のアンチエイジング


#好きな漫画家

高校生になるまで、ウチの両親は少女漫画を買う事を許してくれなかった。しかし、私の子供時代には『キャンディ·キャンディ』『王家の紋章』などの漫画が大流行だったので、読まないと話題についていけなかった。遠慮しながらもこっそり友人から借りて読んでいた。
最近でこそ、数多の作家さんのご努力により、漫画の地位は飛躍的に高まったが、私が子供の頃はまだまだ漫画は『無駄な物』として親世代には認識されていた。だが優れたストーリー展開には子供ながらワクワクしたし、この世界に理解がないなんて、大人の方がどうかしていると密かに思っていた。だから昨今の流れはとても嬉しい。

現在私は自分をより自由にする為に、自分のいろんな『我慢ブロック』を実験的にはずして行っている最中である。で、『そういえば私は少女漫画が読みたかった』と思い、最近読みたいと思った漫画の単行本を『大人買い』することにしている。

先ずは二ノ宮知子先生の『のだめカンタービレ』。この作品は、クラシック音楽の好きな私にはとても嬉しい作品だった。絵が正確で(大体楽器や演奏シーンの描写はいい加減なものが多いが、非常に正確)美しいし、音がないのに聴こえるような描写シーンの数々はとても勉強になった。登場人物のキャラクターもとても魅力的で、実際居てもおかしくないような設定の数々は私をワクワクさせてくれた。
先生の絵は線が細めでとても綺麗である。緻密な観察に基づく正確な描写は見るものを納得させ、より深い共感に引き込む。ストーリーに無理がなく、説得力があり素晴らしい。

もう一つは山田こもも先生の『恋人は旦那様』。この作品は普通の甘い恋愛漫画のようにも思うが、一見わからない複雑な背景を背負った男女が結婚前提で偶然出会って、結婚してから時間をかけて相手をより深く知り、より愛し合うようになるストーリーである。主人公とその周囲の人々の心理描写と人間関係の設定がリアルで緻密、読んでいてとても楽しい。
絵柄も綺麗。料理の描写などは特に細やかで美味しそうだと思ってしまう。先生ご自身もきっとお料理よくされるのだろうな、と思ってしまう。

この二つの作品は、私をいつもご機嫌にしてくれる。いつも読んだ後は幸せな気持ちでいっぱいになる。もうとうの昔に"少女"ではないけれど、心は永遠に"少女"のときめきを求めている。私にとって、"ときめく漫画との出会い"は何よりの『アンチエイジング』であると思っている。


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