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自分大事プロジェクト

先日、生まれて初めて『眉サロン』に行ってきた。
眉が顔のパーツの中で、その人の印象を決める大切な役割をはたしているのはよくわかっていたが、なかなか自分の眉を上手に整える事が出来ずにいた。
眉サロンがあるのは知っていたけど、そういう所に行って眉を整えるのは『一部の限られた人』なのだと、勝手に思い込んでいた。
でも考えてみれば、『あなたのような人は来ないで下さい』とは書かれていない。代金さえ払えば、やってもらえる筈だ。
自分の背中を押すような気持ちで、迷いながらもエイッとサロンを予約した。

サロンでは、我が子と同い年くらいの若いスタッフさんがにこやかに出迎えてくれた。
問診のあと、施術が始まる。ワクワク半分ドキドキ半分でリクライニングシートに横になった。
楽しいおしゃべりをしながら、リラックスした雰囲気で施術が進む。

施術後の感想は「来て良かった!」であった。本当に口をついて出たので、スタッフさんは大喜びしてくれた。

眼の輪郭までくっきり見える。ぼやけていた眉頭が、程良い位置に発現した。
眉山を何処に持っていったら良いのか、眉の下にはえている毛はどこまで処理したら良いのか、眉尻はどうやって落ち着かせるのか…
スタッフさんは図を描いたものを見せて、鏡を見ながら丁寧に説明してくれた。
多過ぎて覚えきれないけど、物凄く腹落ちする内容だった。
大大満足して、意気揚々と帰途についた。

サロンのお客様も様々な人が来るのだな、と思った。
私の横で施術を受けていたご婦人は、70代くらいだろう。毎月来られているような話しぶりだった。
赤ちゃんを連れた若いお母さん。平日休みのOLさんぽい人。年代も外見もバラバラで、私が気後れする必要性は全くないのだとわかった。

眉サロンに限らず、私は自分が『やってみたい!ワクワクするかも!』という事を『自分大事プロジェクト』と名付けて、『キヨブタ(=清水の舞台から飛び降りる)してみる』と言う事を時々やっている。

初めはそれまでむしゃむしゃ食べていたコンビニスイーツを、高級紅茶と一緒に綺麗なお気に入りのケーキ皿に盛り付けて食べてみる、と言う小さな事から始めた。
フットケアサロンにも通い出した。夫不在時の夕食に、ちょっと豪華な寿司等を食べてみる。月に一度、お気に入りの整体師さんにたっぷり一時間、ほぐしてもらう。
いつもし○むらで2枚500円で買う下着を、ワ○ールの高級ブランドで1枚3000円のを買ってみる…

他にも色々やってみている。
これらをするのは、私にはちょっと勇気が必要だ。
なぜなら、「もったいないオバケ」がしょっちゅう出てくるし、「ふさわしくない〜ふさわしくない〜」と連呼する「自分下げビーム」が私の凝り固まった劣等感から容赦なく照射される…
この強敵に打ち勝たねばならないからだ。

だけど、コイツラを打ち負かし、プロジェクトを実行した後には、静かな満たされた感情が自分の胸のうちにみなぎってくる。
『満足する』ってこういう事だったのか、と思う。
大事にされた自分の『魂』が喜んでいるのがわかる。
嬉しい瞬間である。

これからも、このプロジェクトを無理のないように少しずつ続けていけたら、と思っている。