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飛び出し坊やあれこれ

滋賀県ではあちこちで表題の写真のような「飛び出し坊や」を目にした。私の住んでいた近江八幡市では色んなバージョンの「飛び出し坊や」が置かれていた。ケーキ屋の前のはパティシエの格好をしてケーキを持っているし、写真館の前では昔風の洋装をしてベレー帽を被り、首からカメラを提げている。肉屋の前ではホルスタインの被り物を着ているし、丁稚どんの格好をしていたり、魚を抱えていたりと色んなバリエーションがあって、見ていて面白い。

忍者の里として有名な甲賀市に行くと、あちこちで忍者の格好をしている「坊や」にお目にかかる。高齢化の進んだ地域に行くと「坊や」ではなく、「飛び出し婆さん」や「飛び出し爺さん」のも珍しくない。爺さんや婆さんが、勢いよく「飛び出す」という事ははないような気がするが、気をつけてくれ、というくらいの意味だろうと思う。立体的な物も見た事があるが、昼間は良いとして、夜に見たら別の意味でブレーキを踏んでしまいそうだと思った。

あまりにもよく目にしていたので、全国どこでもこうなのだ、と思っていたらそうではないらしい。道の駅ではこの坊やのストラップなども売られているようなので、滋賀限定なのかも、と今頃思っている。

どうして滋賀にこんなにあるのか?近江八幡市を例にとってみると、一番多く置かれているあたりは、銀行や学校なども複数あり学生や人通りが多い。観光スポットも多く、従って観光客も多い。一方で戦争で殆ど空襲を受けていない為、昔からの細い路地が多く残る。私も近江八幡市にいた頃は飛び出しが怖くて、この辺りにはあまり車を乗り入れた事はない。結局、「交通量の割に細い路地が多い」のが一因かも、と思っている。

関東に来たらめっきり見なくなった。字を書いた看板は見るが、あのインパクトは「飛び出し坊や」ならでは、だと思う。都会では置き場所に困る、という声もありそうだが、一瞬ギョッとして車がスピードを落とす効果も狙っているのなら、もっと全国展開しても良いのになあ。