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浪人生は10時間や12時間、勉強しなければならないのか

大学受験にフォーカスしたYouTubeチャンネルがたくさんあるなかで、よく10時間や12時間勉強しなければならないという風に言っているが、それは実際必要なことなのだろうか。

実際、僕が浪人をしたときは1日6時間~8時間程度しかとっていなかった。そもそも睡眠だけで10時間も使っていて、中学高校よりだいぶゆったりとした生活を送っていた。途中からは珈琲を豆を挽くところから淹れるようになったし、まるで老後のようなゆったりさだった。

こんなに頑張れる機会はもう二度とないだろうから今頑張らなきゃいけないというふうに鼓舞する人もいるし、12時間もやれないで大学に受かると思っているのかと脅してくるひともいる。ただ、その根性論だけで一体どれくらいの人が受かるのだろうか。もともと体力のある人には良いかもしれない。ある程度詰め込んでやってもへこたれずについていけるかもしれない。ただ、僕のようにたくさん睡眠時間が必要で、すぐストレスにやられるような軟弱な人間は一体それで受かるのだろうか。

捻くれ者の僕は全く12時間の勉強がなにか合理的な根拠のある判断だとは到底思えなかったので、なんとか少ない時間で効率よく、かつ自分の目標に最短ルートで行けるような方法はないかと思った。

そこで僕は浪人の時期に自分の得意な点と苦手な点を見極めることにした。模試の結果を見ることはもちろん、長い時間連続でやれる教科とそうでない教科、さらには体調面・精神面、自分の特性もよく考えた。

まず体調面でいうと宅浪するのであればずっと座りっぱなしで何時間もいることになる。それはまったく健康に良くないし、健康が悪くなれば記憶力も明らかに低下する。僕が1番頭が良かったと思う中学生の頃は学校の廊下を駆け回って鬼ごっこをして放課後にも鬼ごっこ、サイクリングをずっとしていた。また、食事にも気を使ってお腹が弱いのでなるべく油っこいものは避けて野菜も沢山取り、栄養をしっかり取れるようなものを考えた。睡眠時間は目覚ましを付けずに数週間寝てみて、自分に必要な睡眠時間を把握してなるべく毎日その睡眠時間、就寝時間、起床時間を守るように予定を組んだ。風呂に入る時間は睡眠の質に影響するので、それも必ず守るようにした。こんな感じで体調のパフォーマンスが最大になるように心がけた生活を送った。

精神面では、浪人生活のはじめのほうで人に会わない喋らないとなるとストレスが溜まる一方で、どんどん大きく膨らんでいくことが分かったので、週に一回珈琲豆屋さんにいって店主の方と10分くらい雑談をした。また月に1回は友達とご飯に行ったり遊びに行ったり、演奏会に出かけたりして、精神安定を心がけた。精神が崩壊した時はなにもできなくなるし出来たとしてもなんにも頭に残らない。

さらに自分は好きなことしか出来ないことに気づいた。中学の時は信じられないほどずっと、鬼ごっこをしていてその時は勉強も成績もどっかに置き去りにしていた。高校に入ってからは吹奏楽1本でまったく学校の勉強についていけてなかったと思う。ただ、その分好きなことに関してはとことんつきつめてやれるし、常に頭の中でその事を考えられることに気づいた。もしかしたらこの気づきが浪人時代の1番大きな成果かもしれない。これに気づいた時から、勉強を好きになる方向に舵を切ることができ、休憩時間に英単語の四択問題をゲーム替わりに解くようになるなどして、一日中勉強のことが頭のどこかにはあるような生活を作ることが出来た。

こういうことをしたお陰で、勉強時間でも勉強量でもなくて、どれだけ解けるようになっているか、成長しているかにのみ集中して勉強するようになった。これらを全て実行するようになってから、成績が安定して右肩上がりになっていったし、合格までの道筋も見えるようになった。結果として一日の総勉強時間は最低4時間、最長で8時間程度毎日コンスタントに続ける生活を1年送った。

サンプル数1でしかないし、高校もそこそこいい所に行っていて中学までの積み重ねはあったかもしれない。でも自分の持てるリソースをこまかく把握して、最大限利用すれば12時間の勉強など必要ないのではないかと思う。もしそれをした上で12時間かかるというのであれば、それを把握した上で勉強するのとそうでないのとは雲泥の差だろう。そもそも人生の貴重な1年をたかだか大学受験のために使うなど勿体ない。より充実した1年にするためにも12時間勉強を勧めるよりそれをしなくて良い方法を模索する方が良いのではないかと思う。



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